
こんにちは!
ビズキャンプラス運営の泉田です。
今回は、トイメディカル株式会社の代表取締役の竹下 英徳様へインタビューをさせていただきました!「食と健康を探究し、あなたの笑顔かがやく明日を応援します」を目指し、日本で初めて塩分の吸収を抑える技術を持つ「トイメディカル株式会社」。
今回のインタビューでは、フードテックの変革を目指す同社の事業内容から、竹下様の学生時代の過ごし方、そしてこれからの時代を生きる学生へのメッセージまで、多岐にわたる貴重なお話をお届けします!
健康について学びたい人、大学生の過ごし方について学びたい人はぜひご覧ください!
会社概要
会社名 トイメディカル株式会社
代表 竹下 英徳
住所 熊本県熊本市
設立年月 2013年10月
事業内容 食品の開発・製造・販売
健康食品の開発・製造・販売
食品添加物の開発・製造・販売
医療製品の開発・製造・販売
URL トイメディカル株式会社
インタビュー
それではインタビュースタートです。

(泉田)
ビズキャンプラスの読者に向けて、貴事業内容について簡単に教えてください。
(竹下さん)
弊社は、日本で初めて塩分の吸収を抑える技術を持つ会社です。長年の研究により、海藻に含まれる「アルギン酸」という成分には、非常に優れた塩分吸収抑制効果があることが判明しました。我々は、このアルギン酸の力を、独自の技術によってさらに高め、塩分の吸収を抑える食品を開発しています。製品を通じて、いわゆる「フードテック」の変革を目指しているのが、私たちの事業です。
(泉田)
“デルソル”や“しおナイン”は、塩分を減らすのではなく、吸収を抑えるという発想がユニークだと思いました。このアイデアはどのような現場の声や経験から生まれたのでしょうか。
(竹下さん)
もともと人工透析の患者様とのお付き合いがあったことがきっかけです。食事制限の厳しい患者様が、もっと自由に食事を楽しめる方法はないかと模索する中で、海藻に含まれるアルギン酸の塩分吸収抑制効果に着目しました。
(泉田)
“しおナイン”や“デルソル”のような“塩分の吸収を抑える”というアプローチを、薬ではなく“食品”で実現している点がとても印象的でした。機能性表示食品や医薬品との境目で、開発や表現において難しかったことはありますか。
(竹下さん)
弊社は主にサプリメント事業を展開しており、特に「デルソル」という製品に力を入れています。サプリメント分野では、原料の栽培から品質管理まで徹底していますが、塩分に関する明確な基準がないため、効果をどのように訴求するかに難しさがあります。また、塩分吸収を抑えるというデータがあっても、それを適切に表現するための法規制も存在します。世の中にない新しい価値を提供しているため、その認知を広げていくこと自体が大きな挑戦だと感じています。
(泉田)
世の中にないものを伝えていく大変さについて、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。

(竹下さん)
多くのスタートアップは、既存のものを模倣・改良するリプレイス型ですが、我々のように世の中に解決手段がない課題に取り組む場合は、その技術や概念自体を認知してもらう必要があります。これは非常に困難な道のりだと感じています。
(泉田)
透析患者さんが“もう一度ラーメンを食べたい”という願いを叶えるために商品開発を始められたと拝見しました。実際にその方からの反応をぜひ教えてください。
(竹下さん)
食事は単なるエネルギーチャージではなく、心を満たすものでもあります。食事制限のある方が、ソウルフードであるラーメンなどを少しでも楽しめるようになることは、QOLの向上につながると思います。実際、患者様からは「お守り代わりに飲んでいます」という声も多くいただいています。
(泉田)
若者の食事傾向として、栄養摂取を重視する動きもあると思いますが、今の市場についてどうお考えですか。
(竹下さん)
最近の若者の食事傾向は二極化しているように感じます。かつての学生のように、ただお腹を満たせば良いという層は減り、美味しいものや健康を意識する層が増えている印象です。コスパよりもタイパやパフォーマンスを重視する傾向が見られ、完全栄養食やプロテインなどが支持されています。情報ネットワークが発達したことで、食に対する意識はむしろ高まっているのではないでしょうか。一方で、昔ながらの料理や手間をかける調理法は、技術を取り入れながらも少しずつ敬遠されているようにも感じます。この傾向は、年齢とともに変化していくのかもしれません。
(泉田)
塩分コントロール技術を応用した新たな製品展開や、海外市場への展開について、今後の展望を教えてください。
(竹下さん)
タイやシンガポールなどのアジアやアメリカの市場には大きな可能性を感じています。特に、健康意識の高まりを受けて、塩分摂取に対する関心が高まっている国が多いです。日本よりも海外の方が早く市場が成熟する可能性もあると考えています。
(泉田)
竹下様はどのような学生時代を送っていましたか?
(竹下さん)
正直、部活や旅行など、楽しむことを重視していました。ただ、その中で様々な人とのコミュニケーションを通して、社会のあり方を学んだと思っています。今振り返ると、大学生の生活は社会に出る前に「遊び方を覚える」場だと考えています。
(泉田)
「遊び」というキーワードが出ましたが、仕事は遊びのようなものだと捉える考え方もあります。竹下様のお考えをお聞かせください。
(竹下さん)
私にとって、仕事は自己実現の場だと思います。世の中の課題を解決したいという強い思いがあるので、24時間365日、仕事のことを考えています。義務感というよりは、自分がしたいことをさせてもらっているという感覚です。
(泉田)
学生の中には、やりたいことを見つけられないという悩みを持つ人も多いです。竹下様はどのようにして今の道を見つけられたのでしょうか。
(竹下さん)
若い世代は、多角的な視点を持つことや、限られた情報と経験の中で物事を捉えることが難しいと思います。だからこそ、まず「自分が何をして嬉しいのか」を知ることが大切です。人に喜んでもらうことに喜びを感じるなら接客業、自分の作ったものを褒められることに喜びを感じるならクリエイティブな仕事、といったように。自分が何に喜びを感じるのかを理解することが、やりたいことを見つける上で重要な一歩だと私は思います。私自身、自分の仕事が人の役に立っていると感じられることが何より嬉しいので、研究開発という形で仕事に取り組んでいます。
(泉田)
これまで読んだ本の中で、最も心に響いた本はありますか。
(竹下さん)
『ビジョナリー・カンパニー』やドラッカーの書籍は、経営者として多くの学びを与えてくれました。社会貢献と利益の両立について深く考えさせられました。経営において、利益を出すことは当然の前提ですが、それと同じくらい、どのように社会に貢献していくのかを考えることが重要だと感じています。社会への貢献という軸がなければ、共感してくれる仲間を集めることは難しいです。経営者は孤独だと言われますが、だからこそ、自分たちの考え方の指針となるものをしっかりと持ち、それを共有していくことが、組織を良くしていくための学びになるのだと思います。また、自分たちが信じる課題を見つけ、やり抜くことが重要だと思います。
(泉田)
就職活動を控える学生に向けて、これからの時代に求められる人材や、大切にすべき姿勢についてアドバイスをお願いします。
(竹下さん)
今の学生さんは、昔と比べて本当に優秀だと感じています。ただ、残念ながら、答えにたどり着くまでの回り道が少ないように思います。インターネット検索で簡単に答えが得られる世代だからこそ、課題解決のプロセスにおいて、最短距離で答えにたどり着こうとする傾向があるのではないでしょうか。しかし、最高の成果を得るためには、回り道の中にこそ得られる深みがあることもあります。表面的な理解で「分かったつもり」になってしまい、行間に隠された本質を見落としてしまうこともあるかもしれません。答えの速さや考え方は素晴らしいのですが、その過程にある課題にしっかりと向き合うことも大切だと思います。

(泉田)
AI技術が進化する中で、学生はどのようにAIと向き合っていくべきでしょうか。
(竹下さん)
AI技術によって仕事が効率化される現代において、私たちが培ってきたノウハウや思考力のアドバンテージは薄れていくかもしれません。これからは、AIを使いこなすスキルが重視されるでしょう。しかし、AIには決して真似できないものがあります。それは、自分の価値をどこに置くかという軸と、何がしたいのかという情熱(パッション)だと思います。情熱、諦めない心、コミュニケーション能力、そして誰と何をするのかというチームワークといった「人間力」こそ、これからますます重要になると考えています。だからこそ、私たちは自分たちのことを好きでいること、そしてカルチャーを大切にしています。
(泉田)
多くの情報がある現代において、決断力を持つためのアドバイスをお願いします。
(竹下さん)
何かを選択する際、したいことだけでなく「やってはいけないこと」を決めることも重要です。してはいけないことを明確にしておくことで、自ずと取るべき道が見えてくることがあります。学生時代には、様々な経験を通して、何が自分にとってマイナスになるのかを知ることが大切です。たとえマイナスな経験も、それをプラスに変えられる人であれば問題ありません。そして、学生のうちにできるだけ世界を見てほしい。日本は狭すぎるので、様々な文化に触れることで得られる経験は何にも代えがたい財産となると思います。
(泉田)
最後に、社会に出る学生に向けて一言お願いします。
(竹下さん)
本当に、今は皆が平均的になっていると感じます。パソコン一つで多くの情報や答えを簡単に得られるようになった時代だからこそ、その分、様々な経験を積むことに時間を費やすべきだと思います。現代は、テクノロジーのおかげで色々なことに挑戦し、対処できる時代です。だからこそ、生まれた余剰時間をぜひ多様な挑戦や経験を積むこと、そして試行錯誤をしていくことが大切だと思います。
インタビューを終えて
(泉田)
本日は、経営のお話から学生への熱いメッセージまで、多岐にわたる貴重なお話を本当にありがとうございました。様々な経験を積む大切さを感じ、残りの学生生活も経験を積める1年したいと考えております。大変勉強になりました。改めて、ありがとうございました!
以上、株式会社トイメディカル代表の竹下さんのインタビューでした!
次回もお楽しみに!
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