Wano株式会社 野田社長 経営者インタビュー

第十二回「ベンチャー企業に、聞いてみよう!」では、音楽配信・メディア運営・動画広告をてがげる手掛ける、Wano株式会社の野田成一郎社長にインタビューをさせて頂きました。

キャスター 岡崎さん(青山学院大学) 森さん(実践女子大学)

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概要

Wano株式会社

代表者  :野田成一郎 様
資本金  :8000万円
設立  :2008年4月4日
事業内容  :音楽配信・メディア運営・動画広告
所在地  :〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-24-2 EBISU FORT 1F

最初に、野田社長より会社の事業をご説明頂きました

(野田社長) 2008年に創業した会社で、メインテーマはエンターテイメントの分野である「音楽と映像×IT」です。日本の音楽と映像をIT(インフォメーションテクノロジー)の技術を使って世界に広げていこうという志をもって集まった仲間とやっている会社です。

サービスとしては、いくつか提供しているのですが、一つは「TERMINAL」という最近流行ってきている音楽の聴き放題サービスで、「LINE music」や「AWA」といったサービスと類似するサービスです。ただ、少し他のサービスと違うのは様々なアーティストの曲が聴き放題というのではなく、ある特定のアーティスの曲を聴き放題できるという点です。 音楽関係では、もう一つ「TuneCore Japan」というサービスがあります。これはいわゆるデジタル音楽のディストリビューション(流通)サービスです。あまり一般的ではないサービスだとは思いますが、先ほど話した「LINE music」、「AWA」、「iTunes」といった音楽配信サービスに、権利者であれば誰でも曲を配信出来るというサービスです。例えば僕が歌って、その曲を録音してこのサービスにアップすれば、その曲が2、3日後には「LINE music」、「AWA」、「iTunes Store」などで配信できる!そういったサービスです。

(岡崎さん) 凄いですね!

(野田社長) 今までだったら事務所に所属したり、レーベルに選んでもらって、初めてCDができてお店に並んだりしていたのが、オンラインであったらすぐにできちゃう、そんなサービスを作っています。 映像の方では「VeleT」という動画のアドネットワークサービスを提供しています。ちょっと分かりづらいかもしれませんね。今までだったら、ホームページとかにバナーという画像の広告があるのを見たことがあると思いますが、それが今インターネット業界では動画に変わってきています。ホームページを見ていても動画がいきなり流れたり、「Twitter」とかでも動画が流れたりすることがありますよね。その動画広告の中で「Twitter」や「Facebook」だけではなく、様々なホームページに設置していって動画広告を提供できるサービス、それが「VeleT」です。

Wanoという会社は、このように音楽と映像をベースにサービスをどんどん作っていく、そんな会社です。

ここからが、学生キャスターからのインタビューです!

(岡崎さん) 今のビジネスを選んだ理由、動機なんかを教えてください。

(野田社長) 音と映像を選んだ理由は、こういったエンターテイメントというのが「好きだった」というのが一番の理由です。そういったことに興味があるメンバーが集まっていたので、そこをやろうと決めたんです。これから日本のアーティストやクリエイターがどうしてったらいいだろうなって考えた時、やっぱり日本の国内だけではなく外、海外に向けて発信していかないとダメだろうなって考えたんです。日本の人が日本のアーティストを知っているのは当然ですけど、海外の人が日本のアーティストを知っているかなっていうと、意外とあまり知られていなかったりするんです。そこを変えたいなと。海外の人に日本のアーティスト、音楽、更には映画監督等のクリエイターも、もっと海外で知られて、活躍して欲しいなと思うんです。そこにITの技術を使えば、直接届けて壁を越えられるはずだと考えて、取り組んでいます。

(岡崎さん) 有難うございます。

(森さん) 次なんですけど、その仕事の面白さってどういったところなんでしょうか?

(野田社長) 仕事って、思っているのかな・・・。今やっていることを、仕事ってあまり考えていないんですよね。僕も勉強とか、仕事って言われるとそんなに好きではないんですけど、今やっていることは仕事というより「私事」というかですね。どう言ったらいいか難しいんですが、難しいこと、うまくいかないことだってなんとか変えてやろう、どうやったら乗り越えられるかって考えていくのが面白いんですよね。仕事って考えちゃうとそれが面白くなくなっちゃうと思うんです。

やっている時ってすごく大変だったり、苦しかったりするんですけど、後になってそんなこともあったよねって、笑って話せるそんな乗り越えていくのが楽しんです。大変だからこそ、それを乗り越えていく楽しさですかね。

(森さん) ありがとうございます。今、お話いただいたことに少し重なってしまうかもしれないのですが、どのような時にこの会社で働いていて良かったと思いますか?

(野田社長) そうですね、やっぱりサービスをお客さんが使ってくれて、「良かったよ」とか、「面白いですね」「いいですね」とか、お客さんの声が聞けた時が一番よかったなって感じる瞬間ですかね。

(岡崎さん) 少し、お話が変わるんですが、ベンチャー企業で働くというというのは、大手の企業で働くっていうのとどうように違うとお考えか教えていただいてもいいですか?

(野田社長) 僕はそもそも大手で働いたことがほとんどないんですよ。僕が新卒で入った会社は、その当時20名~30名位のベンチャー企業で、いまのWanoと同じくらいか少し小さいくらいの会社でした(今では上場もしていて1,000名位いる会社にはなっていますが)。なので、大手企業と違うかを聞かれると正直言うと、わからない、というのが回答です、(笑)。

ただ、その新卒で入ったベンチャー企業も上場して2年目位までは働いて、規模も300名位になるまでいたので、その経験から言うと、本質的には大きくても小さくても変わらないと考えています。大きくても小さくても、頑張る人は頑張るし、規模に関係なくどんどん行動をしていくので。 今質問してくれている大手というのはおそらくもっと規模も大きくて、歴史もある会社だと思うので、そういったところとベンチャー企業で違う点があるとすると、僕は決断の速さであったり、一人一人の裁量の幅の広さは違うだろうなって思います。

若いうちから任してもらえる仕事の幅というのがベンチャーの方が圧倒的に広い、それは恐らくそうなんだろうなって思っています。自分でこういうことをしてみたい、自由に自分の発想を形にしてみたいという意欲のある人は、間違いなくベンチャーにいったほうが成長も速くなるし、いいだろうなって考えます。僕も新卒で、すぐに新しい事業を担当させてもらったし、2年目にはリーダーを経験させてもらえたし、3年目にはマネージャーをやって、それで上場してるので、挑戦するチャンスは多くもらえました。それは間違い無いかなって思いますね。

(森さん) そのベンチャー企業で働く上で、もしくは作っていく上で一番大切なことは何だとお考えですか?

(野田社長) これは、どこの会社もいうとは思いますが、やはり「人」だと思います。一緒に働く仲間ですね。これは一番大切だと思います。

(森さん) どんな意味での、人ということでしょうか?

(野田社長) そうですね、結局ものごと何かを作ろうとしても動くのは人ですよね。システムがどんなに凄かろうが、技術が凄かろうがそれを作っていくのは人なんですよね。人が集まってサービスができあがっていくし、スキルをもっているのも人ですし、その集合があってこそのサービスなんです。会社の方針と、そこで働いている人の目的がいいバランスで同じ方向を向いていけるかというのが重要だなって思います。 大きくなっていけばいくほど、同じ方向で進んでいくのって難しくなっていきます。だからこそよけいに、どんなに辛い時も、楽しい時も、同じような感覚をもって働ける人かが重要かなって考えています。

(岡崎さん) 就職活動関する話になってくるんですが、先ほど人が重要だというお話をいただけたのですが、また違った視点で、働く企業を選ぶポイントがあるとしたら、それはどういった点だとお考えですか?

(野田社長) 学生側がやりたい事を実現出来そうな「企業を選ぶ」ということですかね。 本当は学生も面接する人を選べればいいと思うんですけど、それはできませんよね。

例えば学生が面接を受ける時は、一方的に面接官がいて、その方が学生を面接しますよね。人で選ぼうとしちゃうと、面接官がすごくいい人だったからその会社を選んだってこともあると思うんです。でも、実際に企業に入ってみるとその人が仕事で直接関わるわけではないので、全然思っていた企業と違ったという話は、実際に聞いたりします。

そこで、企業を選ぶ上で失敗しないというか、後悔しないということで言うと、やっぱり自分が実現したい事がやれると思える会社に、なんとしてもチャレンジすることかなって思います。シンプルですけど、これは大切だと思います。 その会社が思っていた会社とは多少違っていたとしても、将来を考えて、やりたいと思って決めているのですから、おかしいと思う事は、変えてやろうと取り組むことだってできるじゃないですか。それは自分で考え抜いて、やりたいと思える会社だからこそですよね。

(森さん) 御社では、採用するときに学歴はどの程度重視されますか?

(野田社長) うちの会社は、ほとんど気にしていませんよ。

(森さん) どの程度、気にしないのでしょうか? さすがに中学卒業とかは・・笑

(野田社長) 気にはしないですし、それだけが理由で不採用になることはありません。ただ、当社も新卒採用などをしていて、以前は全員と面接をしていましたが、かなり数も増えてきていますし、エントリーする方も多くなっているので物理的に全員と面接することが難しくなっています。そうすると仕組化していかなくてはならないので、一部学歴というところも選考要素には、入ってきてはいますね。

(森さん) それでは、女性の採用については意識していることはありますか?

(野田社長) 実はうちの会社は女性がとても少ないんですよ。だから、女性を積極的に採用したいとは考えていますね。

(森さん) 私は女子大に行っているのですが、大学のキャリア教育の授業などでは、とても会社の社会保険の制度や、育児休暇についてなんかを気にするように教えてもらっているのですが、そのあたりはどうでしょうか?

(野田社長) もちろん、当社も社会保険や、産休、育児休暇などもちゃんと整えています。ただ、それでもベンチャー企業なので、あまりそこだけにこだわって企業を選ぶ方は、なかなか採用まではいかないです。そういった部分を重視するなら、やはり大手企業の方がそろっていますし、取得もしやすい環境がありますから、大手企業に就職された方がいいんじゃないかなって思います。それよりも成長に向けて頑張りたい、チャレンジしようという気持ちがある、そういった人を僕たちも採用したいと考えています。

(森さん) それでは、採用する際に一番重視している点はどういったところですか?

(野田社長) これは難しいですね。一番・・・、そうですね、でもWanoという僕たちの会社にその人が合いそうかという点を一番大切にしているかもしれません。ただ、「合う」というのは感覚的でもあり、数回あっただけでわかるのかと言われれば難しいですよね。テクニカルな面で言えば、自分を持っている人、自分の意見を言える人ですかね。そういった人で、Wanoに感覚的にも合う人かを見ています。

(岡崎さん) また、面接の話になってしまうんですが、私が面接とかを受けていて、よく逆質問というのを受けるのですが、学生側からどういったことを質問したら、その企業を知ることができるかって、ありますでしょうか?

(野田社長) 自分がその企業に興味を持っている部分で、細部まで詳しく聞いてみたらいいと思います。その企業のサービスであったり、商品であったり、自分が関心のあるところを深くまで聞いてくれると、その学生が関心を持って調べてくれていることも伝わるし、企業を選ぶポイントにもなるので、お互いにとっていいですよね。 あとは、大手企業だと合わないかもしれませんが、数値的なことをあまり突っ込んで聞いてくる学生はいないなって思います。売上であったり、利益であったりです。自分が入るかもしれない企業なんだから、もっと突っ込んで聞いてもいいと思うんですよ。

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(岡崎さん) 私だったら、そこはなかなか聞けないです。そこまで踏み込んでいいのかなって思って。

(野田社長) そうですよね、でももっと踏み込んで聞いた方がいいですよ。自分が真剣に選んでいるのだから。大手企業なんかは数値も出ていると思うので、自分の考えを入れて「私はこういうふうに思うんですけど、どうなんでしょう?」みたいに、聞いてくれたら将来を考えて本気で受けてくれてるんだなって、僕だったら感じます。

(森さん) 学生のうちに、これはやっておいた方がいいということはありますか?

(野田社長) 学生のうちは、やっぱり勉強しておいた方がいいですよ(笑)。僕はそこまでしてなかったのですが・・。でも、やりたいことを本気でやっておいた方がいいと思います。遊ぶにせよ、勉強するにせよ、やりたいことを本気で取り組んだ方がいいですね。企業を選ぶときにやりたいことをした方がいいという話にもつながるんですが、勉強するにしても興味あること、将来につながるやりたいことを本気でやることって、大切だと思います。 面接をすると最近多いのでは「一年間留学してきました」という人はいるんですけど、何でその国なのか、何のためにその国に行ってきたのかを聞くと、意外とふわっとした回答しか返ってこなかったりします。それよりも自分で考えて、やりたいと思えることを本気で取り組んだ方が、絶対に厚みも出ますし、プラスになりますよね。

(岡崎さん) お仕事が忙しくて、なかなかお休みも取れないかなとは思うんですが、お休みの日はどのように過ごされていますか?

(野田社長) そんなことないですよ、休みはとってますよ(笑)。 今は、子供が生まれてまだ1年ちょっと位なので、ほとんど子供との時間ですね。あとは、できるだけ東京から離れるようにしていたりします。

(森さん) 野田社長が今の仕事ではなく、他の仕事につけるとしたらどういった仕事をしたいですか?

(野田社長) 他の仕事ですか、あまり考えられないです。やりたいことをしているので、他の仕事をしたいのだったらそっちをやれってことになりますよね(笑)。でも、それを踏まえてあえて違うことをというと、遠く離れた田舎とかでピザ屋とかやってみたいですね。一切れピザみたいのを。

(岡崎さん) ピザが、そんなにお好きなんですか?

(野田社長) そうなんです、好きです。海外とかだとコンビニとかで、ピザ1枚とか売ってたりするじゃないですか。日本のおにぎりと同じ感覚だと思うんですけど。日本にはないんですよね。日本のピザは小さいし、少し高いじゃないですか。だから一切れで、美味しいピザを提供したいですね。

〜野田社長には、その後もキャスター二人の質問に親身に答えて いただきました。野田社長、有難うございました!〜

編集後記

(岡崎さん)社長の常に現状に満足せず、新しいものを追い求める姿勢が印象的でした。インタビューでは音楽サービスという大学生の私たちにとっても身近にあるものを、ITと融合するとにより世界的視点で考えるという新しい発見をすることができました。また、自分のやりたいことに向かって長期的に取り組むことの重要性を感じることができ、社会人となるこれからも目標を明確にし努力し続けたいと思いました。この度は貴重なお時間をありがとうございました。

(森さん)初めてベンチャー企業の代表の方にお話を聞けて恥ずかしながら全て初めて知る事ばかりでした。沢山思った事を直球に質問してしまったりだったのですが全て納得いくまで応えて頂きました。とても熱い想いを持ってお仕事をなさってるというのはインタビュー中に沢山伝わってきました。そんな想いを間近で感じることができて私も感銘をうけました。まだまだ至らないところは多々ありますが様々なベンチャー企業の代表の方々のお話を聞いてもっともっと掘り下げて魅力を引き出していけたらなと思います。有難うございました!

この記事は私達が担当しました

  

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