ウェザーニューズでご活躍中の久能木百香様にインタビュー! | ビズプラ卒業生

久能木百香様(気象予報士/防災士)のご経歴について

 2020年4月にウェザーニューズに入社、テレビ朝日の気象デスクとして活動。2021年10月よりテレビ朝日「スーパーJチャンネル」日曜の気象キャスターを務める。慶應義塾大学卒業後、新卒から5年間はTBS系列のBSN新潟放送に勤務していた

インタビューはここからです!

(渡邉)
地方局であるBSNで働いた後、気象会社に転職しようと思ったきっかけについて教えてください!

 (久能木)
新潟放送で働く中で気象に関する経験を多くしました。5年間の中で、雨や暑さがトップニュースになってくることがすごく多いなと感じました。2019年10月の台風19号(令和元年東日本台風)で初めて新潟県に大雨特別警報が出た時に、取材や特番の解説を担当していました。その時に一番自然の脅威を感じたと同時に、気象予報士や防災士としての「命を守る」という自分の仕事としての使命を感じました。より気象予報士や防災士として深く自分を見つめ直してみたい、学び直してみたいと思い、気象会社に入社しました。

(李)
ラジオとテレビどちらも経験されていますが、どちらの方が楽しいと感じますか?違いなどもあれば教えてください。

(久能木)
難しいですね。笑
どちらもそれぞれの楽しさがあります。

テレビの場合は、目で入る情報が一番でそれにプラスして、温度や香りなど目だけでは伝わらないことを言葉として表現し伝えることを意識していました。

ラジオの場合は、耳からの情報が全てなので、自分が思っている以上に言葉にしないと伝わらないなと感じました。そこが難しい反面、とてもおもしろいところでもあるなと思います。また、ラジオの場合は、生放送中にファックスやメールが来て、反応がダイレクトにきてリスナーとの距離が近いのもラジオの魅力だと思います。

テレビもラジオもどちらも「伝わったな」と思う瞬間がやりがいでもあり、楽しいところだと思います。

(和田)
地方局でその地方に根付く為に意識していたことがありましたら教えて下さい!

 (久能木)
知らない場所を知ることを意識していました。プライベートでも仕事でも、できるだけ自分の目や耳でみることを大切にしていました。

その場所を知っているのと知らないのとでは伝え方が変わると思います。そのためにも、できるだけ色々な場所に足を運ぶようにしていました。あとは、初めての気づきを大切にしていました。地域の人が当たり前に思っているようなことでも、他の地域の人からしたらそれは意外と当たり前のことじゃないこともあります。自分自身がそれに慣れてしまう前に、それもひとつの魅力として伝えられるように初めての気付きを大切にしていました。

(和田)
アナウンサーのタレント化やAI化が謳われる現代で、アナウンサーにしか出来ないことはなんだと思いますか?

 (久能木)
確かに、ニュースを読むなどアナウンサーの仕事の一部がAIに代わることもできるかと思います。ただ、モノや人に対して取材を経て、その流れを汲み取った上で伝えることができるのはアナウンサーならではだと思います。相手がいてこそできる仕事がアナウンサーには多いですが、時にはラジオ番組などでパーソナルな部分を出すこともあり、その両方が経験できるのもアナウンサーならではなのかもしれません。

(渡邉)
経験のない競技の実況や取材、自分が今まで触れたことのない分野を取材する時にどんな準備をしていたのでしょうか?

(久能木)
自分の経験したことがない分野で取材することがほとんどです。そういったときに、下調べをする最低限のルールはもちろんなのですが、逆に自分だったらどんな角度から取材できるかなというのを常に意識していました。どのようにしたら、自分が経験したことがない分野でも取材できるようになるのかを考えて、初めてのことでも自分ならではの取材ができるようにしていました。

(渡邉)
気象予報士の資格をとったことでアナウンサーとして気象や災害報道への幅はどのように広がりましたか?

(久能木)
まずは資格をとったことで気象に携わる仕事が多くなりましたね。報道で気象の担当になり、防災や減災についての10分ほどの企画を定期的に作っていました。これも気象予報士や防災士をとったから任せてもらえたことの一つだと思います。また、生活と天気は凄く密接に関わっていると思います。気象予報士として、災害がきたときどう防ぐか?どう行動することができるのか?を訴えることができるのも、気象予報士を持っていて良かったなと思います。

(渡邉)
アナウンサーをやっていて今まで一番良かったと印象に残っている出来事はなんですか?

(久能木)
たくさんあります。笑
様々な取材をする中で、その取材の繋がりがまた次の取材に繋がった時が一番やりがいを感じます。テレビは1対大勢に伝えることが多い仕事ですが、実際の取材を通して人と人の繋がりや沢山の繋がりを実感できた時が一番のやりがいです。

就活時代について

(和田)
アナウンサーをめざしたキッカケを教えてください!

(久能木)
最初は漠然とした憧れと親戚にアナウンサーの方がいたからです。あとは、男性や女性といったくくりも関係なく自分のやり方で仕事ができる、その人ごとのやり方があるところが魅力的だったからです。

(和田)
アナウンサーの就活で自分を出すためにした事があれば教えて下さい。

(久能木)
そうですね。自分自身の強みの話になると思うのですが、就活のときは、ずっと続けていたクラシックバレエの経験を話すことが多かったです。それは、実績よりも、続けていくうえでの挫折や壁にぶつかったときにどう乗り越えたか、どのように周りを巻き込んで目標に向かっていっていたのかの過程を話していました。一見仕事と全く関係の無いように思いますが、そこで培ったことが社会に出ても役に立ったことが多かったです。アナウンサーの仕事によせていくというよりも、自分の好きなこと・自分のやってきたことを話すことが多かったですね。

(和田)
アナウンサーになるために必要なことがありましたら教えて下さい!

(久能木)
アナウンサーになってから、もちろん原稿読みやフリートークの練習などはするのですが、それよりも自分はどういうものに興味があって、自分はどういう人間なのかを話せることのほうが必要だと思います。放送局に入ってから、色んな取材や仕事をする上で、アナウンサーは人となりから見られるような気がします。そのため「なぜ、それをするのか?」「なぜ、それをしたいのか?」といったような問いかけを常にしていく必要があるのかなと思います。

(李)
出身地ではない新潟県の放送局に、「新潟放送である理由」をどのようにアピールしましたか?

(久能木)
素直に言うようにしていました。
出身地ではない放送局を受けるほど、放送局にいきたいという気持ちを強くだす方が大切なのかなと思います。本音で話さないのは違うと思うので「本当にこの仕事に携わりたいから、ここに来ました!」という感じで、ありのままを伝えるようにしていました。また、知らないことを逆に武器にとって、この土地で当たり前になっていることを見つけたり、知らないからこそこの土地に住んだら何ができるかをアピールしたりすることも出来ると思います。

(李)
就職活動時の軸はどんなものでしたか?

(久能木)
そうですね。1つ目は、テレビとラジオが好きで生活の一部になっていたことですね。毎日時計代わりにテレビやラジオを流していたくらい身近にありました。自分の生活の中にテレビとラジオがあったのでそれに携わりたいと思うようになりました。2つ目は、取材を通して自分の耳で聞ききたいという想いがありました。自分の思ったこと、調べたこと、取材したことを伝えるというそもそもの仕事内容に対しても魅力を感じていました。

(渡邉)
今後どのようなアナウンサーになっていきたいですか?

(久能木)
声に安心感のあるアナウンサーはとても魅力的だなと思います。災害や何か緊急のことがあった時に、テレビやラジオから情報を収集する人は多いと思います。その時に、落ち着いた声のトーンで話していると、ちょっと焦っていたり、パニックになっていたりした頭が落ち着く瞬間があります。その声が、聞いている人へ安心感や心の余裕を与えることにつながり、その後の行動にも繋がってくると思います。そして、それもアナウンサーの役割・使命の一部だと思います。アナウンサーが呼びかけることで、一緒に乗り越える、命を守るということを伝えられるように、常にそういう意識を持ちながら仕事をしていました。今後、気象予報士として伝えるときも、1回1回の放送が、いざという時の信頼につながるような表現を目指していきたいです。

最後にこのビズプラを見られる学生の皆さんへ一言お願いいたします!

(久能木)
自分が将来に向けて具体的なイメージを持つということは中々難しいことだとは思いますが、いろんな人に話を聞いて、世の中にはどんな仕事があるのか、どんな働き方があるのかを聞いてみて下さい。そして、それと同時に自分とも向き合い、自分はどんな人間なのかというところを深く掘り下げて、自分の可能性をどんどん広げていってもらえたらと思います。応援しています!

インタビューを終えた学生キャスターの感想

(渡邉)
久能木さんの、気象予報士兼アナウンサーという仕事に対する熱意と視聴者の方を想う姿勢にとても感銘を受けました。1番印象的だったのが、自分が思っている以上に視聴者の方に人間性が伝わっていることのお話でした。素直でいること、偽らないことがいかに大切かを学ぶことが出来ました。貴重なお話を伺えて、大変嬉しかったです。有難うございました!

(李)
久能木さんの「伝える」ことへの思いが、言葉の節々からとても感じられました。「頂いた仕事を自分に任せてよかった、と思って貰えるように」という言葉が印象的でした。放送業務に限らず、素直で等身大な自分でいることは大切だと感じました。日常生活を送る上でも、このことを忘れないでいたいと思いました。

(和田)
これからアナウンサー就活をしていく上で知りたいこと沢山知ることが出来ました。地域に密着するために自らの足で様々な場所に足を運んでいるというお話を聞いて、私自身も「自分の足で」をモットーにアナウンサーとして活躍したいです。

この記事は私達が担当しました

  

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