テクノロジーによって地域を超え、最適な医療を提供する| 株式会社コルシー 代表取締役社長 堀口 航平様インタビュー

 

こんにちは!今回は久々の現地インタビュー!!
株式会社コルシーの堀口代表取締役社長にインタビューさせていただきました。「すべてのハートと専門医をつなぐ」をビジョンに、テクノロジーを通じて医療資源の最適化に貢献されています。

会社概要


会社名  株式会社コルシー
代表者名 代表取締役社長 堀口 航平
設立   2018年1月
事業概要 医療機関向け遠隔検査・読影支援サービス
     医師向けクラウドワーキングプラットフォーム運営
     医療DXサービス

所在地  本社 〒371-0023 群馬県前橋市本町二丁目2-4ばばっかわスクエア2F
     メディカルラボ 〒370-0854 群馬県高崎市下之城町584-70産業創造館2F
     ビジネスセンター  〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-2プラーカ2 NINNO+
URL   CORSHY

 

インタビュー


それではインタビュースタートです!!

(富樫)
はじめに、学生に向けてコルシーの事業内容を教えてください。

(堀口さま)
弊社は医師と医師をつなぐ遠隔医療サービスをやっています。
メインの事業は心電図です。循環器内科の先生たちが心電図の確認をして、それを医療機関に結果としてお返しするというものです。

患者さんとお医者さんをつなぐというのは分かりやすいと思うんですが、実はそれはすごく最近できた概念なんです。一方で、医師同士の連携は昔からあって、自分の専門でない科目のことは他の先生に聞くというのを電話やFAXで行っていました。

近年の医師不足や医師の専門の細分化にともなって、受診した病院に専門の先生がいないと患者さんがたらい回しにされたり、いい検査が受けられないということがあったりするので、それをインターネットやテクノロジーの力で解決をしようという事業をやっています。現在、様々な専門性を持った先生方が当社のプラットフォームに登録してくれています。

(富樫)
医療業界に注目したきっかけや理由は何でしょうか。

(堀口さま)
私は元々人材ビジネスに携わっていました。その当時のコンセプトが「地方の学生と東京の企業をつなぐ」というものだったんです。でも自分が24、25歳くらいになったとき、学生の年齢から徐々に離れていって学生と同じ目線で仕事できないかもと思い、転職を考えました。

今までやっていた人材ビジネスを活かす仕事を探していた時、当時勢いのあったエムスリーグループの求人に出会いました。そのグループの人材系の子会社に就職し、地方の医師不足を解決する採用コンサルティングの事業に携わりました。あの頃は北から南まで日本各地を飛び回りましたね。そこで新潟ももちろん担当したのですが、新潟で働きたいと思う医師の数は信じられないくらい少なくて。それでこのサービスのビジネスモデルだけでは助けられない人たちがいるという限界を感じたんです。どうやったらお客様からの要望を断らないで済む仕事ができるか考えた末、心電図と遠隔という領域にたどり着きました。

(富樫)
大学生時代の経験の中で今のお仕事に役に立っていることはありますか。

(堀口さま)
いろんなことが役に立ってるなとは思いますが、やっぱり一番は最初に経験した人材ビジネスですね。そのきっかけは高専生時代の群馬の居酒屋での飲食業アルバイトでした。

ある時、店長から「新潟の県境にある温泉地に派遣で行ってくれないか」と言われて友人たちとお手伝いに行ったんです。そこは旅館で仲居さんが仕切っていたのですが、派遣の方が毎回変わるので従業員の方たちにとってもまとめるのが大変な状況でした。私たちは三泊くらいして手伝ったのですが、二日目にはいてもたってもいられなくなって自分たちで仕切り始めたんですよ。

そうしたら仲居さんたちから「本当に統制が取れて助かった。また来てよ」と言われました。学生だと長期休暇のときに働けるということと距離もそこまで遠くなかったので、友人や後輩を誘って派遣の元締めみたいなことを始めました。最終的には40人くらいの学生がバスに乗って旅館まで手伝いに行きました。旅館の方々だけでなく、学生側からも嬉しい声が届くようになりました。

今の事業も学生が医師になったことと、インターネットを使うことは異なりますが、本質は同じようなことをしています。そうやって「困っている人と働きたい人をつなぐ」経験が礎になっているなと思います。

(富樫)
コルシーの今後の展望を教えてください。

(堀口さま)
事業的な展望でいうと医療の幅を広げて、助けられる医療機関のエリアを拡大するということです。あとは、何らかの人材ビジネスによってお医者さんたちが自身の能力を最大限に発揮できるようにすることですね。そもそも医療はサービス業で、医師をはじめ医療従事者の多くの献身があって成立する仕事だと考えています。リモートワークが浸透してきた世の中でも、お医者さんたちだけがそれを許されていないんです。そんな課題の解決に貢献できたらいいなと思います。

もちろん、会社のスタッフとして働いている人に対しても「新潟で働きたいなら、新潟で働く」「群馬で働きたいなら、群馬で働く」といったように、自分が課題感を持ってやりたい場所で働くという人を増やしていきたいですね。

(富樫)
大学院生時代に新潟県にお住まいだったということですが、なぜ新潟に戻ってきて事業を展開しようと思われたのでしょうか。

(堀口さま)
知り合いや友人が多いわけではなかったのですが、フラー株式会社の渋谷くんが同じ学年で新潟で活躍されているということは知っていました。そんな時に株式会社Ripariaの室田くんと出会って「今新潟が面白いですよ」ということを聞いて、「じゃあ試しに行ってみるか」と新潟に戻ってきました。ここPLAKAにはNINNOというイノベーション施設やコワーキングスペースができ、活性化していることにも衝撃を受けました。

その話を聞いていく中で、自分の商売である医療ビジネスの原点、そもそも転職の時にこの業界に入ろうと思ったきっかけが、新潟の医師不足という問題でした。もしこの医療の業界に入ったら、新潟の社会課題にも貢献できるかもしれないというのは転職の際から考えていました。

今のビジネスの根源みたいなところが新潟にあるなということを思い出して「新潟、これは面白いぞ」と事業を拡大させることにしました。

(富樫)
堀口さんがお考えになる新潟の魅力とは何でしょうか。

(堀口さま)
確かにそうですね。最近よく考えます。富樫さんは何だと思いますか。

(富樫)
私は「広大な土地」かなと思います。車なしでは移動しにくいですが、各地で自然を生かしたイベントを開催できるということが魅力だと考えます。

(堀口さま)
なるほど。私も新潟は「ミニ日本」だと思っています。山も海もあるうえに、東京にも大阪にも北海道にも沖縄にも行ける、そして都会もある。雪がない都市や海がない都市も多い中で、四季折々の魅力をすべて兼ね備えているので日本の魅力が詰まっていると思います。

(富樫)
人材ビジネスで新卒採用にも携わっていたとお聞きしました。ビズキャンプラスを見ている就活生も多いのですが、企業から見て「採用したい人材」はどのような人材ですか。

(堀口さま)
あくまでも自分目線になりますが、ひとことで言うと「試行錯誤したことがある人」だと思います。試行錯誤する内容は何でもいいのですが、「試行錯誤する」とは基本的に答えがないからいろんなことにチャレンジして、周りから評価を受けるということを指します。勉強のように自分とだけ向き合えばいいのではなくて。先生や先輩からのアドバイスを自分の中で噛み砕いてPDCAを回すという経験をしている人がいいなと思いますね。様々な情報があふれている世の中を自分の目で見て、自分の中で消化して、アウトプットに変えていけるかどうかというところが一番重要なのではないかなと思っています。

(富樫)
最後に、起業を目指す学生に向けてメッセージやアドバイスをお願いします。

(堀口さま)
「起業にこだわらないこと」ですかね。学生のうちは興味関心を自分の中に据えて、そこにこだわるということをやったら無駄にならないかなと思います。最近起業ブームなのはいいことだと思うんですが、はじめから起業を目的化してるところがすごくあって。自分自身は学生時代にそんなに起業をしたいわけではありませんでした。起業に対する興味を明確化していなかったからこそ、いろんなものを吸収できました。そして最終的に自分が至った道が起業だったというだけです。

「起業したい」という願望はすごくいいけれども、どちらかというと自分自身で「何に課題感や違和感を感じて、何に情熱を燃やせるのか」ということを大切にしていけば、自分に興味のある領域や道が開けてくると伝えたいですね。
 

インタビューを終えて


(富樫)
堀口さんとのインタビューを通じて遠隔医療ビジネスの可能性はもちろん、新潟県の魅力について学びなおす非常に良い機会となりました。私自身も限られた学生時代に色々なことに挑戦してたくさん「試行錯誤」したいと思います。そして対面のインタビューということもあって緊張しましたが、直接表情や目を見てお話をお伺いすることでより理解が深まりました。貴重なお時間ありがとうございました。

いろいろな場面で話が盛り上がり、会話が飛び交った今回のインタビューではオンラインでのインタビューとは違った雰囲気を感じることができました。どちらにもそれぞれの良さがあります。インタビューのやり方にも違いがあると思います。資料に基づきながらもインタビューをその場で設計することは経験こそ最大のスキルであると思います。質問の順番や言葉のひとつを振り返ってみることで今後につなげられるのではないでしょうか。

それでは、次回もお楽しみに!!



この記事は私達が担当しました

  

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