
こんにちは!ビズキャンプラス運営の泉田です。
今回は株式会社D-Chainの堺 悠斗さまにインタビューをさせていただきました!「ブロックチェーンで未来を創り上げる」ことを目指し、ブロックチェーン技術をはじめとした最先端の技術を駆使して、ニーズに合わせた開発支援・コンサルティングをしています。堺さまは、大学生でありながら、企業のCEOとして活躍されています。
学生起業家としてどのような視点をもっているのか?ぜひご一読ください!
会社概要
会社名 株式会社D-Chain
代表 堺 悠斗
住所 東京都中野区弥生町2丁目41-17
資本金 100万円
設立年月 2023年8月28日
事業内容 Web3・Web2領域でのIT開発およびプロデュース、地方創生事業支援
URL 株式会社D-Chain
インタビュー
それではインタビュースタートです。

(中山)
はじめに、株式会社D-Chainの事業内容について、ビズキャンプラスの学生にご説明をお願いします。
(堺様)
プログラミングや、コンピュータ上でのウェブサービス、アプリケーションサービスなど、IT技術を使っているチーム系のクライアントにサービスを提供しています。具体的には、物が買えて売れる越境ECサービス、グローバルで使えるECサービスを運営しております。
(中山)
D-Chainを創業するきっかけとなったエピソードはありますか?
(堺様)
きっかけとなるエピソードは2つあります。まず、大学進学をきっかけに地方から上京し、チームビルディングで仲間と出会ったことです。起業をゴールに思いを共にした仲間と「何をしたいか」「何ができるのだろう」と知見を深めました。今も一緒のメンバーもいて、今につながっていると感じます。
もう一つは、ビジネスの経験です。もともと、輸入ビジネスをやっていて、アメリカで1ドルくらいで仕入れたものを、日本に持ってきて、関税や送料などを払って、1000円弱で売るというものです。かなり儲かると思われるのですが、実際は利益があまり出ませんでした。1ドルで仕入れて1000円で売っても、送料とか関税を払うと、結局赤字になる。ここが僕にとっての大きな転換点でした。転売して、物の値段の差額で儲けるだけなのに、なんでいらない物の送料や関税まで払わなきゃいけないんだ?って、すごく疑問に思ったんです。物を買って、所有権を売る。そうすれば、物は動かさなくても、その差額だけを利益にできるんじゃないかって。そこからグローバルに所有権をやり取りするビジネスを、どうしてもやりたいって思ったんです。それが、今のビジネスを始めたきっかけですね。
(中山)
アイディアをビジネスにするまでで、苦労した点、壁などはありましたか?
(堺様)
やっぱり技術的な面が大きかったです。今でこそ「ブロックチェーン」という言葉もよく聞くようになりましたが、当時は本当に情報が少なくて、僕がこの分野に入った頃は、日本語の文献がほとんどありませんでした。もう、英語の文献だらけ。日本語にすらなってない、本当に初期の技術だったんです。だから、まずはその技術を理解すること自体が大変でした。
理解するために、英語の文献をひたすら読み続けるしかない。それだけでなく、グローバルで活躍しているエンジニアや、世界基準の知識を自分自身が身につける必要がありました。今までになかったものを、どうやってキャッチアップし、自分のものにして、さらにそれを使いこなせるようになるか…本当に困難の連続でしたね。
そして、なんとか技術を習得したとしても、次にぶつかる壁が、また違う種類の困難で、結局、こういうことは一人ではできないと感じました。同じ知識や同じ目線を持った仲間を集める必要がありました。そこでチームビルディングです!
実際に技術を持っている人を集めて、その人たちと一緒に会社で何かを作る。今回で言えば、プロダクトを作る。この、「勇者を集める」みたいなところが、本当に難しかったですね。仲間さえ集まれば、あとは力を合わせて資金を集めて、やるだけ。そこまでくれば、もう難しいことは多くはなかったと思います。
(中山)
ブロックチェーン技術をより使いやすい製品やサービスとして開発していく中で、やりがいを感じるのはどのような時ですか?
(堺様)
一番は、日本にまだないものを自分が最初に作るんだ、という点ですね。イノベーションの可能性を探っている、その第一線にいるという実感があります。ないものをどうやって作るか、試行錯誤をゼロから行うことになります。そこで、つまずくところは、サービスの構築技術から、サービスをローンチするまでのオペレーション、つまり、人がどう動き、どう手配をするか、という部分になってきます。何も前例がない分、難しい。でも、そこが新しいことを今作っているんだ、という実感につながり、仕事のやりがいになっています。さらに、実際にプロダクトをローンチして、お金を払ってユーザーがついてくれる。その感動も、やりがいの一つですね。
(中山)
私は今、就職活動に邁進する日々を送っています。同世代の学生が就職を選ぶ中で、起業という選択に迷いや不安はありませんでしたか?
(堺様)
よく聞かれる質問ですが、正直に言うと迷いはあります。生まれてからずっと「就職しなさい」と言われ続けてきましたし、両親ともに公務員なので、22歳でどこかの会社に入らなければ終わりだ、というような教えを受けてきました。いざ自分がその権利を放棄する、つまり、どこの会社にも所属せず、給料をもらえるという保証から逃げることになるので、少し迷いはありました。でも、それ以上に「やらなきゃいけない」という、ある種のプレッシャーというか、やりがいのようなものがあるんです。チーム、つまり社員もいます。彼らの人生、さらには彼らの家族の人生を預かっているわけです。
投資家の方々からお金を預かり、そのお金を使って彼らにメリットを、会社にメリットをもたらす。業務委託で関わってくれている人もいる。お金を払ってくれたユーザーもいる。自分は、そういう人たちに対してメリットを与えられるような人間でなければならない。そのためには、就職ではない道に進むべきなんじゃないか、と思ったのが最初です。迷いはありますが、それ以上に「やらなきゃいけない」という原動力があったのかもしれません。

(泉田)
実際に、色々なことを広げたり、自分で形作っていきたい、という思い、今の堺様を形作った原体験、あるいは、こういう方の影響を受けて今の新しい事業や思いにつながった、という部分があればお伺いしたいのですが、いかがですか?
(堺様)
それがあまりないんです。「こうなりたいな」というのが最初にあって、じゃあどうやったらなれるんだろうと考えます。それで、とりあえず動いてみようということで、ホップ・ステップ・ジャンプのような感じです。
(泉田)
テレビを見て憧れたとかではなく、ふとした瞬間に、ということですか?
(堺様)
憧れみたいなものは、たくさん生まれてきたとは思います。出身地でも成功している方はいますし、テレビを見ていても色々な起業家がいます。海外に目を向ければ、大きなサービスが立ち上がっている。そういうのを見て「すごいな」と思ったことはありますが、だからといって、その人になりたい、と思ったことは、あまりなかったかもしれません。強いて言うなら、高校の授業で扱ったスティーブ・ジョブズには影響を受けたと思います。
(泉田)
もしかして、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行った講演ですか?
(堺様)
そうです。「Stay hungry, stay foolish.」のスピーチですね。
(泉田)
私も聞かせていただいて、すごく印象に残っています。実際に、ご自身が事業をやっていて、それを実感されることはありますか?
(堺様)
あります、あります。基本的に、今は明るく喋っていると思いますが、事業をやっていく中で、9割5分くらいは苦しいことばかりです。「これ、やばいかもな」、食欲がなくなったり、全然眠れなかったり、というのは当たり前のようにあります。その中で、うまくいっているのは0.5割くらいです。でも、ずっと良い時を待ち続けて、行ける時にドーンと行く。本当に辛いなと思っても、「これは自分がやりたいことなんだ」と言い聞かせて、辛いことを我慢する。当たり前のように辛い、と納得する。
そういうことにつながっているんじゃないかと思います。「やりたいことを何が何でも達成したい」という思いを持つことが、「Stay hungry」なのかなと思います。
(泉田)
スティーブ・ジョブズ以外に、「この方に出会って印象に残っています」という方、仕事を通じて出会った憧れの人物など、いらっしゃいますか?
(堺様)
東京に来てから、日本の上場企業の社長さん、アメリカのNASDAQに上場している企業の社長さんなど、色々な方にお会いしてきました。でも、その中で、彼らの言葉に熱狂して「この人についていきたい!」と思ったことは、基本的にはないです。むしろ、すごく良い意味で、皆さん偉そうなことをおっしゃる(笑)。「どうしたら自分はそこにいけるんだろう?」「逆に、自分に足りないものは何だろう?」と考えさせられる機会だったなと思います。なので、「誰か」というのは、特にはありません。でも、そういう自分より上の人たちと会うことで、その差が何なのかを考える機会になり、その機会そのものが僕にとってはすごく良かったと思っています。
(泉田)
その「何か」というのは、ぼんやりとでもイメージはつきましたか?
(堺様)
いっぱいあります。例えば、行動量もそうですし、「A」ということをやりたかったら、誰に会えばいいのか。この人に会ってもAには近づけないけど、この人を紹介してもらえればAに近づける。誰に会って、そのプロジェクトを一緒にやるか、相談するか。誰に相談すればいいか、という温度感もそうですし、チーム集めもそうだと思います。自分がプレゼンテーションをする際もそうです。就職活動で言えば、自分の履歴書を書いて、色々な企業に出して面接を受けると思いますが、起業家も同じで、色々な人に会って、共感を得て、一緒にやる人、お金を出してくれる人を集めます。その際に、どういう温度感で動けばいいのか、という点が足りなかったな、という実感もあります。
あとは、単純にビジネスモデルが弱いこともあります。「ここがダメだ」と言ってもらえれば、そこを直せばいい。色々な面で足りない部分がありました。
(中山)
それでは、少し話題を変えて、趣味について伺いたいのですが、プライベートでもデジタル系がお好きなんですか?
(堺様)
いえ、全く正反対です。趣味はたくさんあるんですが、娯楽系とアドベンチャー系に分けられ、どちらもアナログです。娯楽系で言うと、リフレッシュが必須なので、忙しい時でも月に1回、1ヶ月半に1回くらいは温泉旅行に行っています。
旅行は行き過ぎて、全国制覇しそうな勢いです。アドベンチャー系では、山登りをしています。これは想像通りかと思いますが、テントと水と食料だけを持って、1000m、2000m、3000m弱くらいの山で夜を過ごします。朝は4時くらいに起きて、夕日と朝日を眺める。時間の流れがすごくゆっくりと感じられます。めちゃくちゃ寒い時も、暑い時もあるんですが、ギリギリの状態で生きている、というアドベンチャー感が楽しいです。
(中山)
将来の選択を迫られる学生に向けて、坂井さんから一言アドバイスをお願いします。

(堺様)
就職、起業、ギャップイヤー、色々な考え方があると思いますが、どれを選ぶべき、どれが良い、ということではなく、何でもいいと思っています。それが大前提です。僕が伝えたいのは、僕自身もそうですが、怖いし、不安もある中でやっている、ということです。うまくいくか全くわからない中で、とにかく一歩、二歩、三歩と足を踏み出す。それが大事だと思います。
僕もこれが絶対にうまくいく、という確信を持っているわけではありません。でも、ある種の「意味のわからない勇気」を持っています。「絶対にいける」「いけそうだ」というものです。そのやる気、信じる気持ち、そういう勇気をどう持つか、ということに注目してほしいです。
できると分かっていなくても、とりあえず今は信じてやってみる。信じ切って、無理やりにでも動く。それが大事なんじゃないかと、僕は思っています。
登山に例えると、頂上まであとどれくらいなのか、登っているのか、下っているのか、10分前と比べてどうなのか、そういったことはわからないと思います。でも、いつか登っていけば頂上に着く。だから、今どこにいるか、どんな可能性を持ってここまで来たか、ということは一切考えずに、とりあえず目指してみる。それが一つの良いことだと思います。
目指してみてダメだった、と分かれば、それはそれで一つの結果です。その結果を受けて、起業を続けるのか、就職するのか、あるいは絵画を見てみようか、と考える。まず、その分岐点に立つことが大事なんじゃないかと思います。
インタビューを終えて
(中山)
本日は貴重すぎるお話を伺ってとても良い時間を過ごしたと思います。私もそろそろ3月で就職活動がいよいよ大詰めとなりますが、未知の未来に怯えるのではなく、自分を最後まで信じて完走する。そしてまたその未来に直面しても楽しみながらやっていきたいな、というふうに思います。本日は本当にありがとうございました。
以上、株式会社D-Chain 堺様のインタビューでした!
次回もお楽しみに~
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