
こんにちは!
ビズキャンプラス運営の泉田です。
今回は、株式会社NEXSの代表取締役の梶原 薪さまへインタビューをさせていただきました!「一歩ずつ確実にステップアップしながら、次の世界、そして世代につなげていく」ことを目指し、IT技術を活用した柔軟なサービスを展開している「株式会社NEXS」。代表の梶原さまは学生時代に起業を経験しております。
今回のインタビューでは、梶原さまの経験から、大学生活の過ごし方や、自分の人生をどう生きていくのかのヒントがたくさん詰まっていますので、将来を考えている方や大学生、なかなか決断ができない方はぜひご覧ください!
会社概要
会社名 株式会社NEXS
代表 梶原 薪
住所 佐賀県佐賀市
設立年月 2020年11月
事業内容 WEBシステム及びサーバの開発,管理保守
デスクトップアプリケーションの開発
モバイルアプリケーションの開発
位置情報やオンラインマップを利用した情報サービス
オンラインシステムの設定,運用代行
URL 株式会社NEXS
インタビュー
それではインタビュースタートです。

(牧田)
はじめに、ビズキャンプラスの読者へ事業内容を教えてください。
(梶原さん)
株式会社NEXSは、ウェブアプリケーションと呼ばれるアプリを作成しています。独自のサービスとしては、スマートロックを管理するシステムです。例えばホテルや民泊などに対して、スマートロックを導入する際に便利になるようなアプリを中心に提供しています。一方で、最近力を入れているのが大会運営のDXやSNSを用いたサービスなどです。独自サービスを展開しながら、受託開発を中心に行っています。
(牧田)
2020年に株式会社NEXSを設立されたきっかけについて教えてください。
(梶原さん)
2019年の学部4年生の時、私が一番最初に起業したのは「ロケモAI」という会社です。3名で合同会社として設立し、事業を行っていました。ただ、合同会社ということもあり、指揮命令系統がしっかりせず、事業が停滞気味でした。また、メンバーが他の会社にも所属するようになり、弊社のために動くのが難しくなってきました。そこで、ある種独立するような形で、2020年(大学院博士後期課程1年生の時)に「NEXS」を立ち上げました。
(牧田)
現在の会社を一人で設立・運営されるのはすごく大変だったと思いますが、事業を進める上で苦労したことや大変だったことを教えてください。
(梶原さん)
経理などのバックオフィス業務や、システム開発の説明書作成といった自身の専門外の仕事を全部一人で行ったので、かなり苦労しました。
(牧田)
以前の「ロケモAI」で吉野ヶ里歴史公園の駐車場の空き状況が分かるシステムを提供されたり、現在の会社でも「サガシル」というイベントに参加されているのをXで拝見し、地元・地域と深く関わりを持たれていると感じました。私自身も地元に密着した会社に就職を考えていたこともあり、梶原さんが地域と深く関わりを持とうと思った理由などをお伺いしたいです。
(梶原さん)
ロケモAI時代に佐賀県から1700万円ほどの大きな助成金をいただいたことがあり、県に対する恩義や、何か報いなければいけないという思いがあります。また、佐賀県のメディアに取り上げていただいたり、何かご縁をいただいたりすることも理由として挙げられます。福岡や都心部では、私が何かやってもそのような機会は少ないと思います。特にITは場所を問わないので、初めは佐賀でメディア露出なども含めてある程度知名度を上げ、それから外に出ていくことを考えています。
また、大学の後輩や大学から仕事をいただくこともあり、これまで築いてきた人間関係やコネクションが仕事に役立っているという点で、地域で活動する意味を感じています。
一方で、佐賀という土地柄からか、ITに詳しくない方もいらっしゃるので、その難しさは感じます。ただ、そういった課題を突破するやりがいもあると思っています。

(牧田)
ITへの理解が得られていないと感じられたのはどのような場面ですか。
(梶原さん)
ITサービスについて、例えばGoogle検索やスプレッドシート、YouTubeのように、優良システムが一般ユーザーには無料で使えるように「見えている」部分があります。そのため、料金感覚のズレが生じやすいです。「なんでこんなにお金を払っているのに、これくらいしかできないんだ」というご意見は、特に個人商店さんのホームページ制作やオンラインショップ構築などの際に、料金面でご理解いただけないことが時々あります。一方で、大きな会社や大学関係者の方からは「そんなに安いの?」と言われることもあります。
(牧田)
ユーザーに寄り添うことで感じたことや、経営理念「寄り添う心を忘れない」にして良かったと思われたことがありましたら教えてください。
(梶原さん)
私はB to C(企業から消費者へ)のサービスをやりたいと思っていました。直接お客さんの顔が見えて、喜んでくださるところを重要視しているので、この理念は自分の性に合っていると思います。お客さんにどこまでご理解いただけるかは別問題ですが、個人的には「他のところに頼んだら高かったけど、NEXSに頼んで安くできてよかった」といったケースは非常に嬉しく思います。私一人の会社ということもあり、大企業が提供するサービスとの差別化を図る中で、大企業があまりやらないところに注力して、できるだけ安く提供できるように考えています。
(牧田)
会社設立などでお忙しかったと思いますが、どのような大学生活を送られていたのか教えてください。
(梶原さん)
私は元々、佐賀大学の機械工学系に入ったのですが、そこでプログラミングに出会う機会がありました。佐賀大学には「インターフェース科目」という、自分の専門領域外のことも学ぼうという授業がありました。そこでパソコンやプログラムに触れて「これは面白いな」と思い、転学科してプログラムを学び始めました。この転学科は個人的に非常によかったと思っています。とても楽しかったですし、もし機械工学系に進んでいても、将来仕事で頑張っている自分が想像できませんでした。
転学科した時も「前例がない」などと言われましたが、やりたいことが見つかってそれをやらないのはすごくもったいない。別に起業でなくてもいいので、やりたいことを見つけたらぜひそこに注力してほしいと思います。
(牧田)
大学時代に起業されたとのことですが、一番最初の会社を設立された経緯を教えてください。
(梶原さん)
「起業しよう」「こういうサービスをやろう」というよりは、成り行きで起業した感じです。3名で起業し、他の2名は社会人で、「大学生が社長の方がかっこいいだろう」みたいな思惑もありました。当初は私自身が起業に対して強い意欲があったわけではありませんでした。
ただ、当時マップの研究をしていて、それが社会の役に立ったという点で起業できてよかったと思います。また、合同会社だと起業費用も安く、私が起業した時は10万円ずつ出し合いました。学生の時に起業した経験が10万円で得られると考えれば、たとえその後就職するにしても「会社を起業してやっていました」と言うと箔がつきますし、経験としては非常に安い投資だったと思っています。起業を恐れる必要はなく、むしろ得なことだと思っています。
(牧田)
梶原さんは、ITを使ってどのような世界にしていきたいと考えていらっしゃいますか。
(梶原さん)
端的に言うと…分からないです。今の日本のIT企業はかなり固定化されており、単価がとても高いです。そのため、一般ユーザーには手が届かない状況を変えたいと考えていました。ただ、想定以上に最近のAIの発達が早いため、正直なところ未来が全然想像できないというのが最近の私の感想です。本当にAIが人間を超えるようになれば、人間の想像する社会ではない社会が来ると思っています。
例えば、会社で「こんなアプリがあったら助かるんだけど」と困っている人がいて、それをAIが作ってくれるような社会になれば、私の思っていたことはほぼ達成されると思います。そこに弊社がどういう形で関わっていくのか、AIが普及した世界がどうなるのか、まだ見えていないですね。
(泉田)
おすすめのAIを教えてください。
(梶原さん)
「推しボ!」という弊社のエンタメ系の音声SNSを目指して作っているサービスがあります。これは音声版のPixivのようなもので、いろいろな人がセリフを投稿したり、それを読み上げた音声を投稿したりして交流するサービスです。
これに関連して、私は声や音に注目しています。「VITS」のような技術(書き起こしでは「Fish Audio」)は、おそらくAIを活用したもので、例えば「ずんだもん」がある「VOICEVOX」のような読み上げソフトがあります。機械音声をどれだけ滑らかに喋れるかという技術が非常に進んでいて、30秒ぐらいの音声があれば、本当にその人が喋っているような声の機械音声読み上げツールが作れます。
AIというと、生成AIやChatGPT系、画像生成系が注目されがちですが、最近は音声系も非常に進化しています。私が3社目に起業した会社で高齢者の見守りサービスなどをしているのですが、コミュニケーションに重点を置いた時、意外と喋り方や声が重要になってきます。「ついにここまで来たか」とびっくりするようなAIができているので、まずは知ることが大事ですね。文字や画像だけでなく、調べてみると全然違う方向のAIもかなり発展しているので、ぜひうまく使うためにも、様々なAIに触れてもらえたらと思います。
(牧田)
梶原さんが大学生活を送られていた中でやってよかったことはありますか。

(梶原さん)
大学に行ってよかったのは、自分の人生の中心で働くための糧になるようなものと出会えたことです。大学の重要性というのは非常に難しいですね。私は10年間も大学にいましたが、やりたいことがある人は大学に行かずに夢に進めばいいと思います。ただ、いろんな家庭状況もある中で、自分のやりたいことが見つからない人もいる。そういう人にとって大学は、ある意味「猶予時間」をもらえる場所。その猶予時間で、必ずしも勉強や研究だけでなくてもいいので、うまく活用してやりたいことや進みたいものを見つけられればいいと思います。
(牧田)
進路に悩む読者にアドバイスを頂戴したいです。
(梶原さん)
いろいろな経験をしてほしいと思う反面、やはりしっかり勉強もしてほしいと思います。自分が「これだ」というものを見つけるまでは、勉強もしつつ、アルバイトなど一般的なことにも挑戦してみてほしいです。その後、何か「これだ」というものが見つかった時に、学んできたものを活かせればいいと考えています。
また、自分で決めることも重要です。後から「あれをやっておけばよかった」と言っても、取り返しのつかないことは意外と多いと感じています。どんな方向に進むにしても、自分で決めて、できれば積極的に活動できる方向を選択していけるといいと思います。
インタビューを終えて
(牧田)
インタビューさせていただき、最初はAIやITの知識があまりなく不安でしたが、梶原さんがすごく丁寧にお話をしてくださり、大学生活についても深く聞くことができて、大変勉強になりました。ありがとうございました。
以上、株式会社NEXS代表の梶原さまのインタビューでした!
次回もお楽しみに!
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