「夢中」と「データ」が広げる 地域の未来!|株式会社スマイルファーム 安達里枝さんインタビュー

こんにちは!
 ビズキャンプラス運営の泉田です。

 今回は、株式会社スマイルファーム 代表取締役の安達里枝さんへインタビューをさせていただきました!「顧客の求める真の価値と企業が提供できる価値をつなぎクライアント様とユーザー様の『感動』を。」をミッションに掲げ、デジタルマーケティングと地域活性化事業を融合させる株式会社スマイルファーム。
今回のインタビューでは、地域と食の未来を見据える同社の事業内容から、安達様の学生時代の過ごし方、そしてこれからの時代を生きる学生へのメッセージまで、多岐にわたる貴重なお話をお届けします!
食と地域貢献、そして学生時代の過ごし方について学びたい人はぜひご覧ください!

 

会社概要


会社名   株式会社スマイルファーム
代表    安達里枝
住所    新潟県新潟市
設立年月  2009年12月
事業内容  ウェブサイト制作
      ECサイト構築
      運営代行
      アクセスログ分析・コンサルティング など…
URL    株式会社スマイルファーム 

インタビュー


それではインタビュースタートです。

(野地)
ビズキャンプラスの読者に向けて、事業内容について教えてください。

(安達さん)
 当社はデジタルマーケティングを主軸とし、ウェブサイト・ECサイト制作、広告運用、SNS運用支援など幅広いサービスを提供しています。特に、アクセスログに基づいた分析と改善提案を得意とし、データに基づいた売上・アクセス数向上に取り組んでいます。
 お客様は民間企業が6割、残り4割は自治体や官公庁からで、都道府県の公式サイトや国の省庁サイトといった大規模案件の改善提案実績も豊富です。ユーザーの課題を発見し、データに基づいた改善策を提案することで、お客様のビジネス成長を支援しています。 また、私たちはもともと観光・食分野に強みを持っており、現在では新潟県佐渡島で宿泊施設や食品加工事業も展開しています。

 

(野地)
起業するにあたって、デジタルマーケティングを選んだ理由について教えてください。

(安達さん)
 創業するときに、まず自分の棚卸しをしました。その時は、。長男を出産してまだ1年ほどで、手元に自由に使える資金もなく、正直これといった強みもありませんでした。
 そんな中、自分の得意なことを活かして何かできないかと考えた時に、マーケティングやコンテンツ制作は得意だと感じた事がきっかけです。デジタルマーケティングは、自分の知識やノウハウ、実績を積み重ねることで次の仕事が得られるようになる世界です。設備投資なども少なく、リスクを抑えて始められたという点も大きかったです。

 

(野地)
コンテンツ作成について、創業以前、例えば学生時代などに具体的な経験があればお聞かせいただけますか?

(安達さん)
前職の商社で様々なコンテンツ作りを経験しました。結局、「販売するために何が必要か」ということを徹底的に考えたのが前職での学びでした。商社といっても様々なものを扱っていましたし、人材派遣事業も行っていました。営業にしても、社内で品質管理をするにしても、「何を伝えて、誰をどう動かすか」という仕組みを考えて形にする。それをずっとやってきたので、その経験を活かした形です。

 

(野地)
ベンチャー企業の10年後の生存率が6.3%と言われる中で、現在創業から15年半、16年事業を続けられている秘訣や工夫されていることがあれば教えていただきたいです。

(安達さん)
 私が事業を続ける上でずっと大切にしてきたのは、「自分自身が何に夢中になれるか」という点です。「夢中には勝てない」という言葉を大切にしています。スタートアップ期は仕事に一心不乱でした。経営が成り立つまでは文字通り死に物狂いで取り組む必要があり、その時、辛さや苦痛を感じていては向き合い続けることができません。
 幸いなことに、私はデータを一日中見ていられる人間です。データから様々なことを推測し、「ユーザーはここで困っているのかな」「ここでテンションが上がっているのかな」と想像するのが楽しくて仕方がありませんでした。コンテンツ制作にしても、それによって売上や数字が上がっていく状況を作り出すことが楽しく、寝る間を惜しんで夢中になって取り組みました。
 自分の信念や「好き」という方向性に合わないことを続けるのは難しいと感じます。私が長く続けてこられたのは、仕事と「好き」がイコールだったからだと思っています。そして何よりも、お客様に喜んでもらえることが一番嬉しい。それが、私にとって何よりも大切なことです。

 

(鈴木)
就職・出産・起業など、人生の大きな選択をするなかで、迷ったことはありますか?

(安達さん)
 事業をしていく中での大きな決断は、まず人を雇用する時でした。雇用主となれば、今までとは比べ物にならないくらい大きな責任が発生しますし、正直迷いましたし、勇気も必要でした。
 あとはやはり、新しい事業を始める時です。当然、そこにリソースも必要になってくるので、かなり大きな決断となります。佐渡へ進出する際は迷いもしましたが、自分の目で、自分が納得するまで現地に足を運び、その中で、「自分ができること」「自分が何かをすることで地域に喜んでもらえるもの」を確信しスタートしました。

 

(鈴木)
御社のウェブサイトを拝見し、食材流通プラットフォーム「フレマル」について興味を持ちました。フレマルのような新しいコミュニティツールを通して、若い世代に農業のどのような魅力を伝えていきたいですか?

(安達さん)
フレマルは現在試行錯誤中のプラットフォームですが、私はこの事業を始めた5年ほど前から、「5年後、10年後には今と同じものが食べられない世界が来る」と警鐘を鳴らしてきました。儲からない農業や漁業が当たり前になり、後継者不足や耕作放棄地の増加といった問題が深刻化しています。先日報じられた「米騒動」でようやく多くの人がこの現状に気づいたかもしれませんが、これまで農業の適正価格が設定されてこなかったため、生産者は収益を上げにくい構造にありました。
 もちろん、自ら販路を開拓し、工夫を凝らす農家も増えていますが、「こんな苦労をさせたくない」という親の思いから、子どもが後を継がないケースがほとんどです。食の安全を守り、日本の食文化を次世代に残すには、農業が「儲かる仕組み」を確立することが不可欠です。
 農業は、収益が得られ、人に喜ばれる素晴らしい「ものづくり」です。職人技が光り、収穫の喜びもひとしおです。若い世代には、ぜひその価値を理解し、農業や漁業に携わってほしいと願っています。

 

(鈴木)
御社の事業を通して叶えたい夢や展望、目標があれば教えていただけますか?

(安達さん)
 会社として掲げているのは、「地域に必要とされる会社になる」ということです。その地域が近隣地域だけなのか、日本という国なのか、地域は色々な範囲があるにせよ、必要とされる価値ある会社になることをミッションとして掲げています。
 そのミッションが達成された暁には、世の中の企業だけでなく、一般の皆さんが安心して、喜びを得られ、会社としても物心両面の色々な良いことを享受できる状態になれるようにと思って事業をしています。
 自分の人生観を考えた時に、私が事業を続ける理由と自分の人生をどう生きたいかという生き様はイコールになっていくと思っています。自分がどう生きたいかと自分に問いかけた時に、やはり「物心両面の豊かさ」を得たいからです。お金だけではなく、心の豊かさ。それは何で得られるかと言ったら、やはり人に喜んでもらうこと。それはスタッフであり、お客様であり、そういった人に喜んでもらって初めて、自分の心の豊かさにつながる。「ありがとう」と言われる生き方をしていきたいと思ったところが、もともと事業をやっていこうと決めた根源なので、それを達成できるような生き方をしていくことが自分の夢というか、心に決めたことです。

 

(野地)
学生時代についてお伺いいたします。アルバイトや部活などの課外活動はどのようなことをしていましたか?

(安達さん)
実は大学には行っていなくて、高校を卒業してすぐに働き始めました。高校生の時は部活動は全くやっていなくて、アルバイト三昧でした。母子家庭だったということもあります。若い時から社会経験を積ませてもらったから、今があると思っています。高校生の時は、近所の中華料理屋さんなど、飲食関係のアルバイトが多かったです。

 

(野地)
学生時代にアルバイトを通して社会経験を積むのは、将来の道を考える上で大切な経験だと私も思います。その中でも、「これはやっておいた方がいいよ」という経験など、学生に向けてアドバイスがあればお聞かせください。

(安達さん)
 やはり「自分の限界を突破するほど夢中になって必死に頑張る」ということだと思います。
 今、長男が高校生で野球部なのでアルバイトはできませんが、本当に必死に野球をやっています。強豪校なのでなかなか大変ですが、文武両道でちゃんと勉強もしながら、将来を見据えて一生懸命頑張っています。そういう、何か自分で「これ」と決めたことを、本当に必死で一度やってみるのが若い内は大事だと思います。私も高校生の時はアルバイトを3つくらい掛け持ちして頑張りましたね。

 

(鈴木)
先ほど「興味があることに夢中で没頭する経験が大事」とおっしゃっていましたが、農業の分野に興味のある学生もたくさんいると思います。学生がスマイルファームにインターンやプロジェクトベースで関われる機会があれば教えていただけますか?

(安達さん)
 学生の皆さんにぜひ関わってほしい事業が2つあります。一つは、佐渡島での農業・漁業体験コンテンツです。農水省の交付金を活用し、観光客が地域の営みを深く体験できるツアーを企画しています。佐渡島は世界遺産でもあり、観光客が増えていますが、特に海外からの旅行者はローカルな体験を強く求めています。観光スポットだけではなく、その地域の人しか知らないような場所に連れて行ってもらったり、その地域の本当の営みを体験できた時に、その地域や食べ物に愛着が沸きエンゲージメントが生まれると思っています。
 そのため、自然栽培の農家で農業体験をし、そこで採れたお米で絶景を見ながらおにぎりを食べる。釣った魚を神経締めのプロから学び、熟成させて持ち帰る、あるいは一流の料理人に調理してもらう食体験を用意しています。宿泊施設でのバーベキューも楽しめ、食、農業、漁業を丸ごと体験できる内容です。
 二つ目は災害時に重要な地域コミュニティのデジタル化支援です。最近の能登半島地震のように、災害時に近所付き合いの希薄さが課題となっています。そこで、自治会や町内会の運営をサポートするサービスを開始しました。高齢者でも簡単に使えるデジタルツールで、迅速な情報共有を可能にします。この分野は大学とも連携しており、90代の方がiPhoneを楽しく使うようになるなど、手応えを感じています。ここでぜひ学生の方に関わってほしいと考えております。

(鈴木)
私自身、今就活生で進路や仕事についてかなり悩んでいるのですが、「これでいいのかな」と迷っている学生に対して何かアドバイスがあれば、ぜひお願いしたいです。

(安達さん)
 大学を卒業して、就職活動のタイミングで自分の人生を「これだ」と必ずしも決めきれないと思います。仕事を始めてみて、「これ違ったかも」とか「自分にはもっとこういうことが向いているかも」と気づいたりすることもあると思います。ただ、今の時代、「違った」と思ったらリスタートできます。それが私たちが学生だった頃とは全然違っていて、自分の働き方やキャリアの積み方は本当に様々です。「こうじゃなきゃダメなんだ」ということを思わずに、色々な可能性を前提に、様々なことにぜひチャレンジしてみてほしいと思います。あまり頭でっかちになりすぎずに、ポンと飛び込んで肌身で感じることが大切だと思います。

 

インタビューを終えて


(野地)
本日は貴重な時間をありがとうございました。農業の話はこれまであまり興味がなかったのですが、今回のインタビューで現状を知りたい、そして何か自分にできることはないかと考えるきっかけになりました。また、学生時代の経験については、一つの道に決めつけず、様々な可能性を探ることでより納得できる選択ができると改めて感じました。

(鈴木)
初めてのインタビューで緊張しましたが、丁寧にお話しいただきありがとうございます。文系出身で農業に馴染みがありませんでしたが、米不足の話や就活生へのメッセージなど、自分にも通じる貴重な学びの多い時間でした。

 

以上、株式会社スマイルファーム 代表の安達さんのインタビューでした!

次回もお楽しみに!

この記事は私達が担当しました

  

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