今回は、イークラウド株式会社 代表取締役の波多江直彦 様にインタビューさせていただきました。
イークラウド株式会社は、これまで限定的だったベンチャー企業への投資機会を新しい仕組みで広げています。
この事業を始めたきっかけや大変だったこと、そして学生でも投資やお金の知識を学べるおすすめの漫画を教えていただきました!
(※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、オンラインでのインタビューとなっています。)
会社概要(※2022年4月時点 )
社名:イークラウド株式会社
設立:2018年7月
代表取締役:波多江直彦 様
事業内容:株式投資型クラウドファンディングの運営
所在地:東京都中央区八重洲1-5-20 東京建物八重洲さくら通りビル3F
URL:https://corp.ecrowd.co.jp
インタビューはここから
(鈴木)
はじめに、事業内容を教えてください。
(波多江社長)
ベンチャー企業に投資ができる株式投資型クラウドファンディングサービス、『イークラウド』を運営しています。
弊社運営のプラットフォームを通して、資金調達をしたいベンチャー企業と個人投資家の方々を繋ぎ、出資される・する仕組みをご提供させていただいています。
金融機関であり証券会社でもあるのですが、弊社ではベンチャー企業の資金調達の支援に特化しています。
(上図:イークラウド株式会社 様 HPより引用)
(白賀)
この事業を始めたきっかけを教えてください。
(波多江社長)
ベンチャー企業に就職する学生が少数派な時代もありましたが、最近では「若く勢いのある企業で挑戦したい」という捉え方で、ベンチャーをポジティブに検討する学生さんも増えてきたのではないでしょうか。
ベンチャー企業の数が増えるにつれて、ベンチャー企業への投資金額も年々増えています。現在、年間約4000億円が出資されていると言われています。
しかしアメリカでは、ベンチャー企業に対する投資金額は年間約14兆円で、日本のおよそ40倍もあるんです・・・!いくら日本のベンチャーが盛り上がってきているとは言え、アメリカと比べるとまだまだ差が大きいですよね。
そこで、日本にある個人の金融資産を動かすことができたなら、「アメリカにも負けず劣らずベンチャーを盛り上げていけるのではないか」と考えました。
日本の個人の金融資産を集計すると1800兆円と言われています。そのほとんどが預金で、銀行やタンスなどに眠っている状態のものです。それらを活用して、新しくて面白い会社、そして今後の日本を代表するような会社を応援できる仕組みをつくっていきたいと思い、『イークラウド』を始めました。
(鈴木)
起業する際に、最も大変だったことは何でしょうか?
(波多江社長)
新しい金融機関をベンチャーとしてつくる過程は大変でした。
金融サービスは、社会への影響の大きさから、かなり厳しい規制を設けられています。
「株式投資型クラウドファンディング」も影響力の高いサービスなので、この会社を創るときも、金融庁や国の機関に対して「このような目的でこの事業をやります」や「事業をやるのはこんな人たちです」、「こんな仕組みでやっていきます」というような説明を記載した資料を何百ページ分も作り提出する必要がありました。
それに対してチェックが入り、「ここがわからないので教えてください」や「ここは直さないと通らないですよ」といった指摘と向き合って粘り強く調整を続け、1年以上、許可が下りるための活動をしていました!
一般的なベンチャー企業は、立ち上げから3ヶ月〜半年でサービスをリリースすることが多いですが、僕らは営業を開始してからリリースまでに2年も掛かりました・・・!部活動で例えると、試合に出場することができないうえに「ずっと鍛えていなさい」と監督から言われているような感じですかね。
すごく大変な準備期間でしたが、無事にサービスを運営開始することができてよかったです!
(荒谷)
株式投資型クラウドファンディングを採用している競合他社と差別化している点、貴社独自の強みを教えてください。
(波多江社長)
投資案件をプロが厳選していることです。
会ったことのない企業の経営者に対してお金を払うのって、不安になりますよね・・・。特にベンチャー企業はまだ認知度が低く、中には怪しげな企業も混じっているかもしれません。そこで、私たちが厳しい目で投資先企業を選び、個人投資家の方に安心していただける仕組みをご提供させていただいています。
また、資金調達を支援した企業や起業家の方に対して、調達後もサポートさせていただいています。エグジット(注1)を支援することで結果にコミットします。
エグジット・・・ベンチャービジネスにおける投資回収。創業者やファンド(ベンチャーキャピタルなど)が株式を売却し、利益を手にすること。
(荒谷)
投資先の企業を選ぶ際に、注目するポイントや大事にしていることはありますか?
(波多江社長)
投資先候補となる企業に訪問し、「どのような事業をしているのか」や「信用できる人か」など、自分たちの目で確認することを心掛けています。
1つの企業に対して、審査に数ヶ月かけて厳選しています。私たちが審査をし、投資先企業として個人投資家の方にもリスクに関する情報を提供させていただきます。
(白賀)
私自身、投資に興味はあるもののノウハウなどが分からず躊躇しているので、そのような方でも前向きに投資ができるようなアドバイスをお願いします!
(波多江社長)
最近は漫画で学べるものもありますよね。おすすめは、三田紀房さんによる『インベスターZ』と『マネーの拳』。
『インベスターZ』では幅広い金融商品が取り上げられているので、金融商品名を覚えるきっかけとして良いと思います。
『マネーの拳』では会社経営への指南が描かれていて、企業・事業の視点でお金の動きを見ることができます。
「もっと勉強したい!」と思っている方は、実際に経験してみるのもアリだと思います。自分のお金を投資してその結果を見る。リスクとリターンはセットだということを理解し、身の丈にあった範囲で挑戦することで、そこから学ぶことも多いはずです。
僕自身、実際にトレーディングに触れたのは社会人1,2年目の頃でした。当時、仕事でFXのマーケティングを担当していたこともあり、「FXに触れたことがないのはまずいだろう」ということで口座を開設したのですが、一晩で大損して痛い目を見ました・・・。
でもこの経験があったからこそ、その後、真剣に学ぶきっかけとなりました。
早ければ早いほど様々な経験ができるので、興味がある方はとにかくやってみることが大事だと思います!
(前島)
私は一つの企業で長く働きたいと考えています。波多江社長が思う、「成長し続ける企業」の特徴を教えてください。
(波多江社長)
「変化できる」ということが大きいと思います。
強力な事業を1つ持っているということも大事だと思いますが、個人的には、複数の事業を展開しているほうが理想的だと感じています。
例えば、トヨタと言えば自動車メーカーとして有名ですが、もともとは自動織機の会社でした。織機から始まり、「これからの時代は何が必要とされるか」を考え、自動車製造に目をつけて自動車の会社として世界一になりました。
このように、世の中が求めている事業にどんどん参入していき、変化できることが生き延びていく秘訣だと思います。「変化に慣れている」「変化できそう」といった観点で企業を選んでみてはいかがでしょうか。
(前島)
貴社が大切にされている3つのバリューに『Go Beyond/これまでの日常を超える』がありますが、今後、常識を超えてやっていきたいことはありますか?
(波多江社長)
いくつもあるのですが、特に3つあります。
1つ目は、「日本のお金の構図」を大きく変えていくこと。この事業を始めたきっかけでもお伝えしましたが、日本の個人の金融資産を動かしておもしろい企業をどんどん生み出せていけたらと思っています。
2つ目は、新しい技術をどんどん取り入れていくこと。
例えば、ブロックチェーンのような新しい技術を金融システムに取り入れたことで、新しいサービスが生まれました。新しい技術を取り入れていけば、今までのコストを何百分の一にすることができたり、可能性が広がっていくかもしれないですよね。なので、新しい技術をどんどん取り入れられる企業となり、世の中の多くの人たちにとって便利な仕組みをつくっていきたいと考えています。
3つ目は、金融システムに刺激を与えること。
今の日本では、地方創生などのプロジェクトに取り組みたいときにお金が循環する仕組みがまだまだ整っていません。だから、クラウドファンディングや新しい方法で日本の金融システム自体に刺激を与えられるようなチャレンジをしていきたいです!
(学生キャスター一同)
波多江社長、ありがとうございました!!
インタビューの感想
(荒谷)
個人の投資家さんにとっても投資先の企業にとっても、双方に最適なサービスだと感じました!特に、実際に企業に出向き、目で見て安全性の審査を行うというお話が印象的でした。
個人投資家の方が安全に、かつ簡単に投資ができるサービス。今後ますます普及されていくのが楽しみです!
(白賀)
投資を扱う企業の波多江社長にお話を伺えたことは、とてもいい経験になりました。私自身、投資に興味はあるものの、「リスクが大きい」「難しい」などどうしてもマイナスなイメージを拭えずにいましたが、今回の「失敗から学ぶこともある」あるいは「実際にやって見ることが大切」というお話を聞いて、投資について前向きに考えることができました。
変わっていく企業のあり方を見据えた波多江社長のお話から、私もこれからの働き方や資産のあり方についてもう一度考えてみようと思いました。
(鈴木)
今後、若者世代も貯蓄や資産の管理がとても必要とされてくる中で、『イークラウド』のような個人投資家の方でも安心できるよう、プロが投資先を厳選しているサービスはすごくいいなと思いました。
私も投資に興味があったので、利用してみたいと感じました。
(前島)
新しいことに挑戦し続ける姿勢がものすごくかっこいいなと思いました!
波多江社長のお話を伺うまでは、投資は難しいというイメージがあったのですが、漫画でも学べること知り、「気になるものがあったら勉強してみればいい。とにかくやってみることが大事」という言葉が印象に残りました。
私も投資にチャレンジして、社会のお金の仕組みについて学びたいなと思いました。
また就活において、「変化できる会社」という点を意識したことがなかったのですが、ミスマッチを防ぐためにもこれからは企業の歴史や、今後どんな風に変化しそうかを見極めて就活に臨もうと思いました。
COMMENT