削らない!歯科治療の革命│株式会社amidex 伊原 晃様 インタビュー

こんにちは!
ビズキャンプラス学生キャスターの山口明日香です。

今回は株式会社amidexの伊原 晃さまにインタビューをさせていただきました!
「歯を削らない治療で、世界に感動を!Amazing & Innovative Dentistry!」をミッションに掲げ、デジタル技術を活用した歯科治療インデックスシステムを提供しています。
伊原さまは、デジタルインデックスを発明した徳島大学の保坂先生・渡邉先生とともに、多くの患者さんが自分の歯で生涯健康に過ごすことができる世界の構築を目指しています。

会社概要


会社名   株式会社amidex
代表    代表取締役 CEO 伊原 晃
住所    徳島県徳島市蔵本元町1丁目22 Lana102号室
資本金   380万円
設立年月  2023年8月1日
事業内容  歯科治療用補助具の設計・製造
URL    株式会社amidex

インタビュー


それではインタビュースタートです。

(吉浦)
ビズキャンプラスの学生に向け、事業内容について教えてください。

(伊原様)
 amidexは、歯を削らずに治療する新しい技術「コンポジットレジン」*1 を活用し、歯科治療の選択肢を広げることを目指しています。従来のインプラント*2 やセラミック治療*3 では歯や骨を削る必要があり、これが虫歯の再発や歯の脱離といった問題を引き起こしていました。
 一方、コンポジットレジンは液体状のセラミックで、歯に直接接着が可能なため削る必要がありません。しかし、治療時間が長いという課題があるため、amidexでは理想的な歯列を設計し、その型を3Dプリンター*4 で製作する「インデックスシステム」*5 を開発しました。歯科医院ではこのインデックスシステムを用いることで、高品質かつ短時間のコンポジットレジン治療が可能となります。さらに、AIを活用して歯列設計やインデックス設計をソフトウェア化することで、最短即日で治療が完了する未来を目指しています。

※専門用語の説明
1 コンポジットレジン
液体状のセラミックを主成分とする歯科用材料で、歯に直接接着可能。歯を削らずに治療できるのが特徴。
2 インプラント
歯を失った箇所に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法。骨に埋め込むため、骨を削る必要がある。
3 セラミック治療
歯の修復や補綴に使用される素材としてセラミックを使用する治療法。審美性が高いが、歯を削る工程を伴うことが多い。
4 3Dプリンター
コンピューター上の設計データをもとに立体物を製造する装置。歯科分野では歯列や型の製作に応用される。
5 インデックスシステム
理想的な歯列を予め設計し、それを口腔内で再現するための型枠(インデックス)を含む、治療用補助システム。コンポジットレジン治療を高精度かつ短時間で行うことを可能にする。

(吉浦)
amidexという社名の由来について教えてください。

(伊原様)
Advanced Minimal Intervention DentistryというのがAMIDなのですが、歯科業界においてはMI(ミニマルインターベーション)という単語自体は一般的なもので、それにアドバンスト・DXをプラスしています。また、世界に感動を送りたいという気持ちから”Amazing & Innovative Dentistry”とダブルミーニングで社名をつけました。

 (吉浦)
amidexの代表取締役に就任される前は、経営や投資の専門家として活躍されていたそうですが、歯科治療分野に参画されたきっかけについて教えてください。

 (伊原様)
 徳島大学のベンチャーキャピタルに在籍していたご縁で保坂先生と渡邉先生に出会い、「患者本位の治療や世界に感動を送り出す」という想いに非常に共感したのが大きな理由です。
 私はもともと経営コンサルとベンチャーキャピタルを経験していて、どの業界の話でもある程度理解はでき、進められると考えています。今まで歯科業界には全く関与してきませんでしたが、ビジネスの面で言えば自身の経験を応用できると思っています。

 (山口)
デジタル技術を応用した独自のインデックスシステムにとても興味を持ったのですが、デジタル技術と歯科医療の相性はどのように捉えていますか。

(伊原様)
 歯科業界全体は現在もアナログなワークフローが多く残るなど、デジタル化が遅れている状況です。歯科技工所の多くは小規模で、石膏模型の直接受け渡しやFAX注文などもまだまだ一般的です。しかし最近では、口腔内スキャナーや3Dプリンターといったデジタル技術の導入が進み始めています。
 具体例として、歯の形をとる口腔内スキャナーの価格が下がり、3Dプリンターも安価になり、ワークフローに組み込まれつつあります。また、セラミックスの削り出し用マシニングセンターなど、多方面でデジタル化が加速しています。
 
歯科業界は小規模事業者が多いため、デジタル技術の導入が難しかった背景がありましたが、現在その状況が変わりつつあり、デジタル化が本格的に進んでいる段階です。

(山口)
口腔内の健康が健康寿命に大きく関わるという記事を見たことがあるのですが、このコンポジットレジンという歯を削らない治療と削る治療と比較し、将来の健康にどう影響を与えますか?

(伊原様)
 人生100年時代において、できるだけ自分の歯を残すことが健康寿命の向上につながるというのは、様々なデータが示している通りです。歯の長期的な予防や健康維持に関する研究は難しい部分もありますが、私たちが目指しているのは、できる限り自分の歯を削らずに保存し、補修しながら維持していくことです。
 削る治療にはリスクがあります。たとえば、歯を削る際に歯髄を傷つけたり、セメントの処置が不十分だったりすると、数年後に虫歯やトラブルが発生する可能性があります。一方で、削らない治療は負担が少なく、例えばコンポジットレジンを用いた場合、多少欠けても再度補修が可能です。これにより、健康寿命の延伸に確実に寄与すると考えています。

 (山口)
コンポジットレジンを取り扱っている他の歯科医師さんの反応や、実際にこのコンポジットレジン治療を受けた患者様の反応を聞かせて下さい。

(伊原様)
 今まで手作業でコンポジットレジンを使った修復を行っていた先生方から「短時間でこれだけできるのはすごい」と高く評価されています。たとえば、通常は手作業で数時間かかる治療が1時間で完了するケースがあり、特に複数歯の修復でそのメリットが顕著です。
 一方、これまでこの治療を行っていなかった歯科医師の中には、「コンポジットレジンで本当にそんなことができるのか」と懐疑的な反応を示す方もいます。しかし、実際に試した歯科医師の中には「削らずにこんなに良い結果が得られるなら、これが一番良い」と評価し、導入する方が増えています。
 患者さんからは、「歯を削らずに治療できたのが嬉しい」「こんなに綺麗になるとは思わなかった」という声を多くいただいています。特に、歯を削りたくないために長年インプラントや治療を敬遠してきた方が、当院の技術で歯を修復し、「久々にポテトチップスを噛めた」と感動されたエピソードもあり、大きな励みになっています。

(山口)
コンポジットレジンはあまり多くの人に知られていない治療法であると思いますが、どのように患者さんを集め、治療を行なっているのでしょうか。

(伊原様)
 直接患者さんとやり取りされるのは歯科医院の先生方であるため、歯科医院の先生方が患者さんに治療オプションとして提案できるよう、製品の使い方や接着技術をお伝えするセミナーや実習を定期的に開催しています。これにより、先生方が自信を持って患者さんに提案できるようにしています。
 また、将来的には患者さん自身に「歯を削らない治療」の価値を伝え、歯科医院で選ばれる治療法として浸透させていくことが目標です。現在は歯科医院向けのマーケティングが中心ですが、将来的には患者向けのマーケティングまで拡大し、患者さんが「歯は削らない方が良い」と感じるムーブメントを作り上げていきたいと考えています。

(吉浦)
就職活動を控えている大学生に向けて、学生のうちにチャレンジすべきこと、伝えたいことはありますか。

 (伊原様)
 大学生のうちにチャレンジすべきことは、自分が主体となって新しいことを生み出す経験だと思います。情熱を持って行動し、人に働きかけることで、その結果や関わってくれる人から多くの学びを得られると思います。その中でも、特に起業は最良の選択肢の一つではないでしょうか。起業することで、会社員として経験する以上に幅広いスキルや知識を学ぶことができます。さらに、現在は国や自治体、民間による支援制度も充実しており、学生のうちから起業に挑戦することは、大変貴重な経験となるはずです。

(山口)
今後どのように企業を成長させていこうとお考えですか。また、歯科医療に関わらず、伊原様の新たな目標や夢があれば教えて下さい。

 

 (伊原様)
 直近の目標は海外展開を進めることです。国内で基盤を固めてから進出するのが理想だと思いますが、できるだけ早く、アメリカやヨーロッパ、東南アジアの市場にも進出したいと考えています。私たちは「世界に感動を届ける」という理念を掲げており、歯科医療の枠を超えて、人々のQOL(生活の質)を向上させるために活動しています。
 歯の治療はもちろん重要ですが、歯並びが整うことで発音が良くなったり、見た目が改善されることで自信が持てるようになったり、さまざまな観点から人々の生活が良くなるという理念を広げるために、通常の歯科医院での治療以外にも介護施設などのアプローチや、デンタルツーリズムのような新たなビジネスモデルを模索しています。日本の歯科技術の高さを活かして海外展開を進めていきたいです。
 個人的な将来の夢として、もしamidexが成長を遂げ一定の成果を上げられた場合、その経験や知見を地域に還元したいと考えています。具体的には、地方の若者や大学発の起業を支援する活動に挑戦し、次世代の地方発イノベーションを育む土壌づくりに貢献できればと思っています。

インタビューを終えて


(吉浦)
大学時代の話を伺い、起業という視点を持つことの重要性を感じました。私自身は4月から教員として働く予定ですが、今後は自分で責任を持った立場で動くことも視野に入れていきたいと思っています。また、意識の高い方たちと共にいる環境が、新しい発見や視点を与えてくれると感じました。非常に良い刺激になりました。

 (山口)
自分も様々な夢や実現したいことがあるのですが、自分が主体となって周囲を巻き込んでいくことに苦手意識があります。伊原様から起業を強く勧めていただき、非常に刺激を受けました。また、コンポジットレジンという画期的な治療について理解を深めることができ、貴重な学びを得ることができました。

 

以上、株式会社amidex伊原様のインタビューでした!

次回もお楽しみに~

この記事は私達が担当しました

  

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