第六回 「ベンチャー経営者に、聞いてみよう!」では、業界をかえようと躍進されている株式会社カーセブンディベロプメントの井上社長にインタビューさせて頂きました!
キャスター 石井さん 国学院大学|廣田さん 青山学院大学
概要
代表者 : 代表取締役 井上貴之 様
資本金 : 3億8595万円(平成20年4月末現在)
設立 : 平成11年7月2日 事業内容: 自動車の小売と買取のFCチェーン「カーセブン」の運営
事務所 : 本社 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1-10-1 細田商亊ビル2F
株式会社カーセブンディベロプメント様は、「自動車流通業界において、お客様の満足と加盟店様の繁栄に最大の喜びを実感できる人・組織になる」という企業理念のもと、1つのブランドで「買取システム」と「販売システム」の両方を併せ持ち、シンプルな流通体系である「ダイレクト販売」を協力に実施している業界唯一のFCチェーン本部です。
インタビューは、ここから
Q1. (石井さん) 今のビジネスを選んだ動機は何ですか?
A1. (井上社長) 私が車のビジネスを選んだ動機は、人との縁があったからです。新卒で入社した銀行を選んだ理由は、色々なお客様、産業と付き合いがあり、日本国内に留まらずグローバルな世界で活躍できることが面白そうだと感じたからでした。選んだ会社、仕事において大切なことは、それが自分の「天職」だと思うことですね。就職活動を通して自分が選択したものに責任をもつことが重要だと思います。
Q2. (廣田さん) 企業の立場として、どういった人材が必要だとお考えですか?
A2. (井上社長) 明るくて元気な人です。どういう人に来てほしいというよりもはるかに重要なことは、入社して頂いた方にどのように接し、成果を導かせるための教育やお付き合いの仕方、日々のコミュニケーションをとるかをきちんと教えることだと思います。このことをマネージメントと表現することもありますが、それが経営者や企業に求められていることだと思います。
Q3. (廣田さん) といいますと、学歴はそこまで重視しないということでしょうか?
A3. (井上社長) そうですね。学歴はあまり重視していません。ただ、学歴は無視すべきかと聞かれれば、そんなことはないと答えます。自分の希望する学校に入るためには苦労をしてきているはずですし、受験勉強のある程度のパーセンテージは本人の努力だと思っているので。日本の受験制度はもともと持っている能力を測っているのではなく、時間をどれだけ使いながら努力をしてきたかということで点数が伸びていくものだと思っています。ですから、学歴が高いことは悪くはないことだと思います。
Q4. (石井さん) このビジネスで働くうえで大切だと思っていること、モットーなどはありますか?
A4. (井上社長) 「自分で選択したことは絶対に辞めないこと」ですかね。社会に出ると、納得できない仕事もあるかもしれませんが、その壁を乗り越えていかないと見えない世界があります。人生は必ずイーブンになっているので、今報われない苦労をしている人も必ず報われる時がきます。意味のない仕事は世の中にはありませんから、自分で選択したことは絶対に辞めないで続けることが大切ですね。
Q5. (石井さん) 女性の採用について意識している点はありますか?
A5. (井上社長) まだ新卒の女性を採用したことがないのでわかりませんが、もし採用するとしたら、その方が辞めないかどうかを考えます。そういう意味合いでいうと、ストレス耐性は意識するかもしれません。悩みというものは自分のキャパシティを少し上回るところにできます。しかしそれは必ず自分のキャパシティが少しずつ増えて解決することができます。その壁を乗り越えていくことで人間は成長していくと思うので、男女関係なくどれだけストレス体制があるかどうかは意識しますね。
Q6. (廣田さん) 学生のうちにやっておいたほうがいいことはありますか?
A6. (井上社長) あなたが24時間365日息をつく間もなく打ち込んだといえるものがあれば、何をやってもいいと思います。それは必ずあなたの価値になると思いますよ。それが、勉強でもスポーツでも遊びでも。重要なことは、全速力で走りながら本当に4年間充実したと思える学生生活を歩んでいくことだと思います。
Q7. (石井さん) 休みの日は、どのように過ごしていらっしゃいますか?
A7. (井上社長) 経営者には休みという定義がないので、難しいですね・・・。子供が4人いるので、休みをとるのは家族でどこかへ出かけたり、家族イベントをするときですね。何かイベントをしない限り休まないというのが、私の休みサイクルです。子供と一緒に過ごす休日は大変ですが楽しいですよ。
Q8. (廣田さん) 井上社長にとって、この仕事の面白さとは何ですか?
A8. (井上社長) 日本国内のビジネス市場は縮小しているので、ビジネスをする環境としては決して楽ではありませんが、そこが面白いです。景気が悪いとお客様がより厳しい目でお店選びをして下さるので本物の会社にお客様が殺到します。なので私は景気が悪いときの方がビジネスはやりやすいと感じます。もちろん景気が良い方が明るくて、楽しいですが! また、グローバルの距離感は過去とは比較にならないものになってきているので、面白い時代に生きることができているとも思っています。国内と海外両方のビジネスにチャンスがある時代です。
Q9. (廣田さん) これは自分でないとできなかったなと思う仕事はありますか?
A9. (井上社長) ありませんね(笑)。しかし私がやった仕事はありますし、「あなたでなければできなかった」といわれた仕事はあります。時代や歴史変革時に起きた出来事は、歴史上の有名人物がいたからできたというよりも、歴史が必要としたことだからこそできたものだと思います。必要とされていることは、必ず誰かがやらなければいけない。誰もやらないのであれば、自分がやるしかない。それが「天命」だと思います。そのような仕事はいくつかあります。私がやっているJPUCという団体の仕事がその1つです。みなさんがこれからの人生を生きていく上で、1つ頭の片隅に置いておいてほしいことは、国家や世界を変えることは難しいですが、自分の組織、チーム、会社は良くできるということです。そういう意識をもつことが大切だと思います。
Q10. (角田さん) 井上社長にとって、「働く」とは何ですか?
A10. (井上社長) 人間の「存在証明」ですかね。仕事の結果というものは1つの存在証明になると思っているので。抽象的かもしれませんが、大原則はそこにあると思います。
Q11. (石井さん) 今の若い世代のすごいなと思う点は何かありますか?
A11. (井上社長) どの世代が特にすごいというものはないです。ですが、今の若い世代は期待することは、「社会性」です。自分だけがよいという社会は成立しません。自分をよくするためにはチームをよくすることが大切です。そのことを理解できる人が、今の若い世代には多いのではないかと期待しています。
編集後記
(廣田さん)
井上社長にはビジネスだけではなく、学生時代のお話もたくさんお聞きすることができました。今回のインタビューの中でも特に、自分の仕事を「天職」だと思うべきだというお話が印象的でした。ホワイトボードを使って私たち学生にわかりやすいようにお話をしてくださった井上社長、ありがとうございました!とても貴重な経験をさせて頂くことができました。
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