Instagramで話題!ソフトクリーム×リキュールのスイーツ|MiLKs 経営者 岡山慎一さん インタビュー

Instagramで話題のソフトクリーム×リキュール×スイーツのカフェ、MiLKs経営者の岡本慎一さんにインタビューをしてきました!

MiLKsは「あなたのハッピーをMILKsから」をコンセプトに新しい出会いを楽しむ大人のソフトクリームガーデンです!

お概要( 2022年3月 更新 )

MiLKs(閉店)

インタビューはここからです!

(漆原)
医師という異業種から飲食業に興味を持ったきっかけはなんですか?

(岡本さん)
18歳だった医学生時代に飲食業のアルバイトをしており、そこのお店のまかないで「レモンチャーハン」が出たんです。レモンとチャーハンの組合わせってすごく面白いなと思いながら食べてみると、チャーハンの中には刻んだレモンとイワシも入っていたのです。この相性の良さとおいしさに衝撃を受けたことが僕が飲食に興味を持ったきっかけです。それから飲食の深さにさらに関心を持ち、医学生時代の6年間は飲食のアルバイトばかりしていました。

(北村)
お医者さんになられたのに、なぜ飲食業を始めようと思われたのですか?

(岡本さん)
医学生時代、まわりのみんなは家庭教師とかのアルバイトしかやっていない人が多かったですが、僕は飲食業をやっていました。先程お話ししたレモンチャーハンとの出会いなどがあり、その頃から飲食って面白いなと思っていて、将来は飲食業をやるって決めていました。

まわりからは、医者になったら飲食店やりたいなんて気持ちは無くなるとって言われましたけど、医者になって10年経ってもまだやりたい気持ちは変わらなかったんです。一度やると決めたら絶対やるタイプなんですね。

(北村)
Instagramですごく話題のお店ですが、お店作りをする上でSNSを意識して工夫した点などはありますか。

(岡本さん)
MiLKsを始めるまではInstagramをやったことがありませんでしたが、Instagramで拡散する重要性は認識していました。そこで試しに自分で始めてみましたが、全然フォロワーが増えず、うまくいきませんでした。

使って勉強しているうちにInstagramは基本的には女の子を中心に広がっているツールで、女の子が思う可愛い写真をあげて拡散していくスタイルなのだなと気づきました。女の子の場合、本人は有名ではなくてもインフルエンサーとしてすごく有名な人がいっぱいいるけれど、男性の場合はフォロワーが多い理由にもともと本人が有名な方が多いことにも気が付きました。

さらに僕は10年間、医師として文字しか読んできませんでしたからインスタ映えするかどうかを判断するのは難しいと感じて、潔く諦めました。

そこで、それができる人に設計・デザインの段階から入ってもらいました。家具や置物など全てに対して、可愛いか可愛くないかをジャッジしてもらいました。

自分でとりあえずやってみて、苦手だと気づいたから、それが得意な人に頼んでやってもらったということがよかったのだと思います。自分の得意不得意を見極めて、不得意な分野が得意な人を見つけてくることは何の経営をするにしても大事な考え方だと思います。

(内田)
以前からInstagramでの投稿数が多い話題のお店でしたが、先日流行語大賞に「インスタ映え」が年間大賞になったことは来店者数に影響がありましたか?

(岡本さん)
特にはありません。インスタ映えが年間大賞になる前に評判をいただき、たくさんのお客様に来店いただいていました。ただ、同じ時期にクリスマスイベントとして試食会を開催し、Instagramでも拡散していただいていたので、来店者数は多少増えたかもしれません。普段からそういった外部の要因はあまり気にせずに、自分が良いと思ったことをマイペースでやってますね。

(内田)
どうして恵比寿でMiLKsをオープンしようと思ったのですか?

(岡本さん)
北海道で流行している「シメパフェ」のように、どこかでご飯を食べた後、2軒目に行くお店にしたいと思っていました。当初は、バーのような感覚で来店していただけるようなお店にするつもりだったので恵比寿を選びました。

しかし、恵比寿は昼間の時間帯にも需要があることを知り、昼間に開店にしたところ若い女性がたくさん来店して下さるようなお店になりました。

(河尻)
ソフトクリームにリキュールを合わせるという発想にいたった、きっかけはなんですか?

(岡本さん)
ソフトクリームにリキュールをかける楽しみ方は、僕のオリジナルではなく、もともとアメリカやヨーロッパであった食べ方です。1985年のニューヨークタイムズ紙にもアイスクリームにラム酒をかけて食べる記事があります。

この少し贅沢で大人な楽しみ方を日本でも流行らせたいなと思ったのがきっかけです。

夜ごはんに行った後の2軒目って、BARや居酒屋だと少し重たいけれど、カフェだとムードがでない、そんな時ってあるじゃないですか。そんな時にちょうどその中間的存在としてMiLKsを利用してもらえると嬉しいです。

ひんやりとしたソフトクリームでほろ酔いになるって、一日の締めにぴったりではないでしょうか?「シメMiLKs」流行らせていきたいですね。

(河尻)
メニュー同様、お店の内装がとても可愛らしく新鮮です。お店の雰囲気づくりについてこだわったことや、戦略があれば教えてください。

(岡本さん)
「遊び心」と「斬新さ」を大切にしています。

たとえば、お店の内装を「白」で統一したところです。白は汚れやすいので飲食店では避けがちですが、雰囲気作りのためにこだわりました。

あと、この宙吊りのリゾート感あふれるイスもですね。海外のホテルのバーで一目惚れしまして、デザイナーさんに頼んで作ってもらいました。一度は断られましたけど、何度もお願いして、メーカーを探してもらってなんとか実現にこじつけました。

食事をするって食べ物の味だけではなく、食べる空間が非常に大事なんですよ。味覚以外の食べている環境が、舌で感じるおいしさにもかなりの割合でつながっていると思います。

なのでお店のデザインからBGMまで、徹底的に「空間づくり」にこだわりました。お客さんには五感を通してMiLKsを楽しんでもらうことができたらいいなと思います。

(漆原)
実際に飲食業をやってみて、医師との共通点はありましたか。また逆に、違いは何かありましたか。

(岡本さん)
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)という病気を知っていますか。足の血管がボコボコと浮き出てしまう病気です。僕は医師としてこの病気に特化したクリニックをやっています。

1つの病気しか治さないクリニックって実はとても珍しいんです。この1つの病気に特化しているのと同様にMiLKsもソフトクリーム専門店として1つの食材に特化する経営の仕方が共通の僕のやり方です。

1つのものに絞るとオペレーションもシンプルになりますし、その分野に関してブランド力も上がります。

しかし、1つのものに絞ることは結構難しいんです。沢山のものを出した方がいろんなお客様のニーズにこたえられそうな安心感はあると思います。

MiLKsを作る時にもいろんな人にお酒もだしたほうがいいとかカフェとしてドリンクだけのメニューも作ったほうがいいと言われましたけど、かたくなに聞かなかったです。そこまでして1つのことに絞ると言うのは、僕が職人気質だからというのも理由だと思います。

僕は外科医なので毎日手術をしていますが、外科医って熟練した技術が求められる、いわゆる職人なんですよね。同じ手術を毎日やってもいつも新しい発見がある。その発見を次の手術に生かすことができると手術のクオリティが上がっていく、こういう一つの事を徹底的に磨き上げていく工程が好きなんです。

ソフトクリームもいろんなメニューの中の1つ、ではなくて、ソフトクリーム専門店にして味や食べる空間にこだわり、ソフトクリーム店ではどこにも負けないようにする。これがヒットした原因なのかなと自己分析しています。

経営のやり方は人それぞれですが、自分が得意とする経営手法を医療と飲食店で実現してみた、そういう部分は共通点です。何でも屋ではなく、何かの専門家になって自分にわかりやすくタグ付けをした方がエッジが立つという時代の流れでもありますね。

違いは、おそらく皆さんからみて今言ったこと以外のほとんどのことは違うのではないでしょうか。(笑)

(北村)
MiLKsを始めて、発見や気づきがあれば教えてください。

(岡本さん)
この店を始めるまで僕は左脳人間でした。右脳は感覚や感性で、左脳は言語や論理担当と言われます。医者は論文や医学書などで左脳を使う機会が多いので、右脳のところが退化していた気がします。

しかし、このお店の経営を通して、右脳の感覚が蘇ってきたのか、色彩など細かい部分にも目がいくようになってきました。今までモノクロだった人生がカラーになった感覚ですね。毎日感動があってよりハッピーなことが多くなりました。

(内田)
競合他社との違い、ここは負けてない!というところは何ですか。

(岡本さん)
どこのお店も競合他社と思ったことはありません。他と争って勝とうという気持ちがないからです。

MiLKsは僕だったらこういう店に行きたい、という店作りをしているだけで、他店のやり方を意識することはありません。オープン前に他のソフトクリームショップに行ったことすらありませんので。(笑)それに他を見ちゃったり他の意見を参考にすると、どこかありきたりな店になる気がするので敢えて見ないというのもあります。

競合という言葉がでたのでそれに関連して僕の考えをお伝えします。僕は、競合というのは逆に仲間だと思っています。この食べ方を提供する店が増えるとこの食べ方が広まるじゃないですか。そのほうがみんなハッピーになります。

パンケーキブームとかポップコーンブームであちこちにそれらを提供する店ができたように、ソフトクリームとリキュールという新しい食べ方もブームになってどこでも食べられるようになる、それが僕の理想です。

(河尻)
医師と飲食店経営の両立で大変なことは、どういったところですか。

(岡本さん)
経営が大変だと思ったことはほとんどないです。人から見るといつも忙しそうと言われますが、自分では忙しいと思ったことがありません。僕は忙しいとか大変なことがきっと好きなんです。(笑) 

(漆原)
これからやってみたいことや、事業はなにかありますか?

(岡本さん)
時間的なキャパもありますので新たな分野を展開しようとは思っていませんが、クリニックは他の地域にもまだまだ開設しようと思っています。MiLKsでは外国人のお客様にもどんどん広めていき、東京の観光名所にしようと思っています。

また来年の春からアパレルとしてルームウェアのブランドを手掛けていきます。さらに少し先になりますが、沖縄にも出せたらいいなという思いもあります。

ただ今41歳になって、どんどん事業を拡大して利益をだしたいという気持ちは実はあまりないんです。それよりも出た利益や僕の時間は皆に還元していこうと思っています。ですので、今は還元できる仕組みつくりに重点をおいています。

わかりやすく言えば、利益が上がったぶんだけお給料を上げたり、僕の経営に対する考えをグループSNSに投稿したりです。これまで自分が築いてきた経営のやり方、考え方を伝える、これが僕の人生の後半のミッションだと思っています。

インタビューはここまでです!

インタビューをしてみての感想

(北村)
医師と飲食店という異業種をうまく両立されている秘訣や裏側を知ることができ、インタビューしていてとても楽しかったです。また、医師業とmilksでは事業拡大の戦略が違っていたり、逆に相反しているように見えて共通しているものがあったりして興味深かったです。

自分の芯を強く貫かれている方だったので、私も大学生の今から自分の人生を歩んでいく上での芯となれるものを見つけられたらいいなと思いました。貴重な経験になりました。ありがとうございました。

(川尻)
インタビューをしてみて、岡本さんは「芯の図太さ」と「割り切りのよさ」がある方だと感じました。「こうしたい!」という自分の信念は貫き通すけれど、できない部分は潔くその道のプロに頼る。そういった柔軟性がMiLKsを支えていることを実感しました。

また、一つに絞ってを極めることはなかなか難しいことですが、医者としても経営者としても岡本さんは見事にやってのけました。私も自分が本当にやりたいことを見つけた時は、とことん極めてみたいなと思いました。なにより、MiLKsのソフトクリームおいしかったです!(笑)ありがとうございました。

(内田)
インタビューをさせていただき、常に先のことを考えている、とても頭が良い方という印象を持ちました。Instagramがまだ人気ではなく、Facebookの方が主流だった時から、Instagramは話題を集めるツールになると思っていたこと。そして、将来の自分が困らない生活をするためには、国家資格を得て医師になるのが良いと高校生の時から考えていたというお話を聞き、そう思いました。私も将来のことを考えながら生きていきたいと思いました。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

(漆原)
Instagramで話題のMiLKsの経営者が医師だったことにとても驚きながらインタビューをさせていただきました。しかし、お話を伺っていく中で業種は違えど、1つのものを極める経営のやり方など、共通している部分があることを学びました。

そして、岡本さんが学生時代から「やる!」と決めていた飲食業を始め、成功させたのには常に流行へのアンテナを張っている姿勢や、一人で抱え込まず任せられるとことは任せるといった考え方、そして何よりも本人が楽しんで行なっていることだと感じました。貴重なお話を伺わせていただき誠にありがとうございました。

この記事は私達が担当しました

  

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