
こんにちは!
ビズキャンプラス運営の泉田です。
今回は、株式会社オービジョンの代表取締役の大薗順士さんへインタビューをさせていただきました!「ローカルビジネスの明るい未来を創る」を目指し、鹿児島特化型EC事業を展開している「株式会社オービジョン」。
今回のインタビューでは、大薗さんの経験から、行動の大切さや、食について私たちはどのように向き合っていく必要があるのか?!など多くのことを学ぶことができます。特に、学生生活が終わっても食とは関わっていくので、将来を考えている方や大学生はぜひご覧ください!
会社概要
会社名 株式会社オービジョン
代表 大薗順士
住所 鹿児島県鹿児島市
設立年月 2019年10月
事業内容 プラットフォーム事業
URL 株式会社オービジョン
インタビュー
それではインタビュースタートです。

(中山)
はじめに、ビズキャンプラスの読者へ事業内容を教えてください。
(大薗さん)
株式会社オービジョンでは、「かごしまぐるり」というブランドを通じて、鹿児島の食を中心に、魅力ある産品を全国に発信するECサイトをはじめ、食品の卸しや海外輸出など、食に特化した地域商社として事業を行っております。特に中心となるEC部門に関しては、産地直送のビジネスモデルを作り上げ、会社として「鹿児島の生産者の明るい未来を作り出す」を掲げながら、生産者の皆さんと連携して取り組む事業を展開しております。
(中山)
「鹿児島の生産者の明るい未来を創造する」という企業理念が生まれた経緯を教えてください。
(大薗さん)
鹿児島県内各地には、、地域に根差しながら周りの方と協力して美味しいもの、素晴らしいものを作っている生産者の方がたくさんいらっしゃいます。一方で、PRや販売、販路拡大には課題を感じていました。そのような中で、生産者の皆さんには物作りに特化してもらい、残りのPR販売をこちらで担っていきながら、鹿児島の生産者の皆さんの明るい未来を作り出せれば、と掲げたのがこちらの企業理念です。
また、学生や就活生も同様だと思いますが、自分のいいところや強みは、なんとなく分かっているようで分かっていないことがあるじゃないですか。それが第三者からだと「こんないいとこあるんだ」「こんなこだわりがあるんだ」「こんな素敵な取り組みしてるんだ」と見えてくることがあります。そういったところを、私やうちのスタッフが第三者の目線でしっかりと捉えて発信していくことが大切だと考えています。
(中山)
生産者さんに向けてECサイトサービスのビジネスアイデアは、どのような経験から誕生したのか教えてください。
(大薗さん)
実家が鹿児島県南九州市川辺町という田舎の、兼業農家でした。子どもの頃から農業に触れ合い、お米や野菜を作る中で、農業や物作りの魅力を常に感じていました。自分たちが作って、それを自分たちで食べる喜びもそうですし、家族や親戚、地域の皆さんと一緒に何かに取り組むのは、すごく素晴らしいことだと、大人になるにつれて思うようになりました。一方で、地方の課題として、農業での所得は不安定だったり、離農率も高く、高齢化や耕作放棄地の問題などを身近に感じていました。
そういった魅力と課題を感じる中で、いつも漠然と「なんとかできないか」と考えていました。大学卒業後に通信販売の会社に就職し、そこで広告広報、マーケティング、商品開発など様々な部門を経験させてもらいました。そして、40歳という年齢が見えてきたときに、「これから自分として何がやりたいのか」「どう生きたいのか」と考える機会が多くなり、今まで培った経験やノウハウをもとに、生産者の皆さんと連携して、鹿児島の魅力ある産品、生産者の皆さんのこだわりやストーリー、また地域性の魅力を発信していく事業ができればと思ったのが起業のきっかけです。
(中山)
鹿児島の魅力を教えてください。
(大薗さん)
実は、鹿児島は北海道に次いで農業産出額が全国第2位です。肉、魚、野菜、果物、お茶などたくさんあります。鹿児島は離島を含めると南北に600キロぐらいの広大な土地を有していて、その土地土地に魅力があります。食の魅力もそうですし、その土地ごとの自然環境、そして「人」。
また、鹿児島に訪れた方は、桜島という火山が印象に残っているようです。景色も綺麗ですし、雄大でエネルギッシュでパワーをもらえます。他には、温泉です。いたるところに温泉があり、それぞれ泉質が違ったり、地域ごとに特徴があったりするので、温泉好きな方は楽しめる場所だと思います。
(中山)
「かごしまぐるり」に登録されるまでには、まず知ってもらう必要があると思います。どのように認知を拡大したのか教えてください。

(大薗さん)
それはひたすら営業活動ですね。立ち上げた当初は誰も知らないサービスなので、最初の頃は鹿児島の新聞、テレビ、ラジオ、地元の情報誌など、ありとあらゆるメディアをチェックしていました。すると、生産者の方の情報や、「⚪︎⚪︎地域の⚪︎⚪︎が旬を迎えた」といった記事を発見できます。そういった情報を全部引っ張り上げ、繰り返し生産者の方にアタックしていく!すると最初はちょっと訝しげに思っていた生産者の方も、「じゃあそんなに言うなら一回やってみようか」と協力してくださるようになりました。そうこうしていくうちに、「かごしまぐるりに出したら結構いいな、売れるな」と実感してもらった生産者の方が、別の生産者の方にPRしてくれて、だんだんと輪が広がっていきました。
(中山)
営業のときに意識していたことを教えてください。
(大薗さん)
生産者の方へアプローチする時、事前調査を大切にしていました。就職活動とかでも企業分析するじゃないですか。「相手が何が好きなのか」「どういう会社でどういう強みがあるのか」「どういう人材を欲しているのか」。就活での事前調査と同様です。事前にしっかり相手のことを理解した上で話をすることが大切です。
(泉田)
米の価格高騰など、今の農業問題や、食問題について大薗さんの考えを教えてください。
(大薗さん)
「食の大切さ」を感じる機会が増えていると思います。高齢化の問題や農業に従事する人が減っている、所得の問題など様々な課題があります。これは鹿児島だけでなく、全国で抱える問題です。一方で、食べることはやめることができないじゃないですか。生きるためももちろんそうですが、何より食べることは楽しいこと、幸せなことだと思います。
お米の価格の問題や、食料自給率の問題が出てきた時に、私たち一人一人が考え直す必要があり、「本当に食を大事にしていかないといけない」「産業としてつないでいかないといけない」と感じることが大切だと思います。
現段階では、自分自身が日本の農業の基盤をまるっと変えることは難しいと思います。でもだからこそ、自分たちができるところから始めたらいいと考えています。悲観的に課題と向き合うよりは、「農業って楽しいよね」や「食べるって幸せだし楽しいよね」みたいな。そういうポジティブな空気をどんどん醸成していって、「ものづくりって素敵だよね」と伝えていくのが、自分たちができることだと思います。それを鹿児島だけに留まらず、全国に広め、伝える。結果として、地方の抱える課題に対し、一人一人が共通認識を持ちながら取り組むことができるように、今後も頑張っていきます。
(泉田)
事業の中で、教育機関と連携しているのを拝見しましたが、その背景について教えてください。
(大薗さん)
食の大切さを伝えていく必要があるからです。ただ、伝えるのにはどうしても時間がかかります。一朝一夕で「こう思います」「はい、分かりました」ということはないと思います。だからこそ、しっかりと伝え続けていくことが大切です。また、課題ばっかり言われてもみんなお腹いっぱいになっちゃうじゃないですか。でも、誰かが課題と向き合いながら実際に行動に起こしていく必要があります。自分たちであれば生産者の販路を拡大していくことです。このようなアクションの積み重ねが、課題を解決する近道だと思います。

(泉田)
お子様に対してはどのように伝えていますか。
(大薗さん)
私には子どもが3人いるのですが、食事の時には、「はい、お肉だよ」「はい、さつまいもだよ」ではなく、「これはどこの地域の誰々さんって人が、こういった思いを持って、作ったものだよ」とこだわりを伝えることを大切にしています。それにより、やっぱり味わいが変わってくると思います。実際私たちも料理の説明があると「おーっ」てなるじゃないですか。作ってくれた方たちの顔が見えたり、直接は見えなくてもそれを感じたりしながら食べると、美味しさや味わい方が変わると思います。
(中山)
今までの人生において達成したこと、もしくは大切にしていることを教えてください。
(大薗さん)
難しい質問ですね。私が大切にしている価値観は「行動すること」です。学生時代から振り返っても、自分で行動して、その結果良くも悪くもいろんなことがありました。ただ、行動しないで後悔するよりも、行動して得られたことの方が大きかったです。起業自体もそうですし、起業した今も、何かの出来事単体というよりは、「行動する」姿勢は、私自身の誇れるところだと思います。
行動するときには当然リスクヘッジをします。ただ、やってみないと分からないことの方が多い。これは経験則だと思います。自分で行動した結果、「これぐらいになった」や「こんな感じだった」など、過去の自分の経験から「できる、できる」を積み重ねていく。失敗は成功のもととよく言うように、とにかく早くたくさん動いて行動して失敗する。これを繰り返していくことが大切です。
(中山)
今後の事業展開について教えてください。
(大薗さん)
私たちも知らない鹿児島の魅力がまだまだあります。。それは食だけではなく、地域性や人の魅力などです。これらをしっかりフォーカスしていきながら、鹿児島県内だけで留めるのではなく、全国の皆さんに知ってもらい、手に取ってもらい喜んでもらう。「鹿児島に本当にいいものがあるんだよ」「一生懸命こだわりをもって取り組んでいる生産者の方がいらっしゃるんだよ」ということを、皆さんにより知っていただければなと思っています。
その上で、鹿児島のものを全国に届けることだけでなく、それがきっかけで鹿児島に足を運んでもらったり、その空気を肌で感じてもらったりするのが、私たちや皆さんにとっても身になる体験だと思います。そういったきっかけや機会も作り出していければと考えています。
(中山)
進路に悩む読者にアドバイスを頂戴したいです。
(大薗さん)
「行動すること」が非常に大事だと思います。行動すればいいことや悪いこともある。でも、何かを変えるきっかけになります。 また、「経験する」「学ぶ」ことも大切です。それが自分自身の血となり肉となり骨となります。人に聞くだけではなく、自分自身で感じ行動していくことは、遠回りに感じますが、自分自身が理解・納得して次のアクションを起こすための一番の近道だと思います。
最後に、いろいろな人に会うことも大切です。世の中には様々な価値観を持っている方たちがいますし、特に社会に出ると関わると思います。そういう方たちとも臆することなく接して、「こういう価値観もあるんだ」「こんな考え方もあるんだ」と触れることは人生にとってプラスになります。
学生の皆さんには本当にまだまだたくさんの可能性に満ちていると思いますので、いろんなことにチャレンジして、残りの学生生活も、これから踏み出す社会人生活というのも存分に楽しんでもらえればと思っております。
インタビューを終えて
(中山)
インタビューさせていただきありがとうございました。質問がたどたどしくて本当に申し訳ないんですが、しっかりお話を伺ってくださり、親身になって質問に答えてくださり、本当にありがとうございます。
以上、株式会社オービジョン代表の大薗さんのインタビューでした!
次回もお楽しみに!
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