日本のオフィスを健康にする「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を運営|株式会社 KOMPEITO 渡邉社長にインタビュー

今回は、株式会社 KOMPEITO(コンペイトウ)を経営する渡邉社長に学生キャスター2人がインタビューしました!株式会社 KOMPEITOは、日本のオフィスを健康にする「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を運営しています。


会社概要 ※2022年4月時点HP掲載より

社名: 株式会社 KOMPEITO(コンペイトウ)
代表者: 代表取締役 渡邉 瞬 様
本店所在地:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-26-8 第五清水ビル4F
事業内容:
日本のオフィスを健康にする OFFICE DE YASAI の企画・運営
食に関するイベントの企画・運営


インタビューは、こちらから。

(白賀)
最初に、御社の事業内容について教えていただけますか?

(渡邉社長)
企業向けの福利厚生サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を提供しております。
現在主に2つのプランを展開しておりまして、『オフィスでやさい』と『オフィスでごはん』というサービスになります。顧客数は『オフィスでやさい』の方が多いですね。

メインで展開している『オフィスでやさい』は、専用の冷蔵庫を貸し出してオフィスに設置していただき、そこに週に2回サラダなどフレッシュな野菜、カットフルーツ、さらに乳製品、豆腐、チキンなど健康的な食べ物をデリバリーするサービスです。

オフィスにグリコのパッケージを置き、お金を入れるといつでもお菓子などを食べることができる所謂『オフィスグリコ』の野菜版ですね。

仕事中に1コインで従業員の方がサラダなどフレッシュな野菜やカットフルーツを食べることが出来るという仕組みです。

『オフィスでごはん』は、冷凍庫をオフィスに設置し、ハンバーグ、唐揚げなどおかずやご飯になるものをお届けし、従業員の方に食べて頂けるような仕組みになっています。「オフィスでごはん」のお惣菜には、無添加のものもラインナップに入れています。

(園田)
このような事業を始めようと思った、きっかけを教えてください。

(渡邉社長)
2012年の9月に2人で起業し、2014年の4月にOFFICE DE YASAIの事業を立ち上げました。元々は2人とも株式会社日本能率協会コンサルティングという会社の同期でした。

僕がその会社で農業系の担当をしていて、生産者やJA、6次産業をしている業者に対してコンサルティングするサービスを研究するチームにいました。そこで、コンサルティングを提供していくなか、自分たちで事業を起こした方が農業界に新しい刺激をつくれるんじゃないかと思いたちました。

そうした経緯から、農業系の何かしらのビジネスをやろう!と勢いで会社を飛び出しました。

最初は、eコマース(ネットショッピング)のサイトをつくって、生産者と消費者をつなぐという事業をしていました。でも、これはちょっとうまくいかなそうだな感じ、すぐにやめようと決断して3ヶ月くらいでやめました。

次に八百屋の真似事みたいなことをして、野菜などの農作物を販売しました。
農作物を販売する上で知っておくべき原理原則がわかるだろうと思って始めました。半年ぐらいすると、集客が大変なことや、大根やキャベツなど大きいものを自力で小ロット(製品を一度に生産する数が少ないこと)で仕入れると物流コストがかかることを実感しました。

そこで、やっぱり扱うのは小さいものがいいだろうなと考えていたところ、売れ残った野菜を知り合いの会社に売りに行った時に、その会社の社長が「野菜を持って帰るのは面倒だから、シリコンバレーの企業でよく設置されているサラダバーみたいに、その場で食べられるようにできないか」と言われたんです。

その言葉から、オフィスにカット野菜を提供する事業をやってみることになりました。最初はカット加工があまりできなかったので、試しにミニトマトのパック詰めとかを冷蔵庫に入れて、ワンコインで食べれるようにしてみました。
そうしたら割と評判が良くて、これはいけるんじゃないかと思ったのがきっかけです。

(園田)
経営理念の中にある「心とカラダを健康に保つためのサービスを提供すると、企業の成長の手助けになる」というのは、具体的にどういうことでしょうか?

(渡邉社長)
従業員が風邪や病気で会社を欠席すると、それはそれだけでコストじゃないですか。

それとは別にもう一つコストがあって、出社はしているんだけど働くときに集中しきれていなかったり、体の調子が良くなかったりして、本当なら10の仕事ができるところを7〜8しかできないっていうのもありますよね。

学生のみなさんも勉強などで、今日は調子良い、悪いとか多分あると思います。

そこで野菜が役立つんです。糖質を一気に体に入れると、眠くなったり疲れやすくなったりしちゃうんですよ。だけど野菜を最初に食べると、血糖値が一気に上がらない。そうすると気持ちが穏やかになったり、あんまり眠くならなかったり、集中力が持続したりします。プレゼンティズムコストによる無駄なコストを無くすことで企業の成長につなげられると思っています。

※プレゼンティズム 出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態のこと(参照

(園田)
御社の事業を通してその先の日本をつくる手助けをするということですが、どのような社会になって欲しいとお考えでしょうか?

(渡邉社長)
コンサルティング会社に勤めていた時、よく地方の工場に行って、工場のコストダウンや物流解析、在庫削減などをコンサルティングしていたんです。

その時、地方の街を歩くと、シャッター街が多くなってきているのが見られました。どんどん東京や大阪の大都市に人口が集中して、地方が衰退傾向にあることを実感しました。

それを変えるには、1次産業が活性化しないといけないと思いました。1次産業が盛り上がることで、その土地の個性が色濃くなっていきます。各地の個性が色濃いものになっていると、旅行者も増えて、もっと日本中いろんなところで活気が出るだろうなと思って、そういうことをやりたいなと思いました。

だから、商品もなるべく多く地方のものを使っています。今はまだ小さいですが、どんどん大きくしていきたいなと思っています。

(白賀)
健康に過ごすために普段から気をつけていることはありますか?

(渡邉社長)
私自身はあまり気をつけていないので、困りましたね(笑)
普段の食生活では、飲み会や外食がどうしても多くなってしまうので、オフィスにあるサラダやフルーツを翌日に多く取るようにはしています。ただ、運動もあまりしていないですね(笑)

健康の維持には食生活は重要なので、やはり野菜は取った方がいいなと思っています。

(白賀)
現在の社会人および学生の食生活については、どう思いますか?

(渡邉社長)
もちろん野菜を食べた方がいいとは思いますが、野菜は意外と値段がはりますよね。例えばおにぎり1個100円で買うことが出来るのに対し、野菜スティック1パックは300円くらいですから、学生はおにぎりやパンを選んでしまったりすると思います。

もちろん安く提供出来れば良いのですが、あまりに価格を下げてしまうと作っている地方の農業が成り立たなくなってしまうんです。だから、私たちは企業が従業員のための福利厚生としてお金を援助し、従業員は1コインでコンビニでは300円程度もする野菜スティックやサラダが食べられるようサービスを提供しています。

また、わざわざ外へ買いに行かなくても良いという、手間に対する課題を解決する役割も、私たちは担っています。大学に関しては、職員さんには提供できていきますが、学生さんにはまだサービスが行き届いていないと思うので、どのようにアプローチしていくかが、今後の課題ですね。

(白賀)
今後の事業展開の展望について、教えてください。

(渡邉社長)
現在では物流の問題上、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪など主要都市でしかフルサービスを提供できていない状況にあります。ですので、エリアの拡大をしたいです。その物流網を既存のプレイヤーと提携することによって広げていくことで、より多くのエリアに届けることが出来るようにしていきたいです。

他にサービスの拡充という意味では、もっともっと提供商品のうち独自のものを提供していきたいです。その商品というのは健康的かつ効率的なものです。

例えば仕事をしながら食べられるサラダチキンですが、昔は単に鶏肉を加工したものでしたが、今は手持ちのスティックタイプが主流になり、食べやすさが求められ始めています。

私たちは、健康的で働いている人たちが食べやすいものをどんどん企画していきたいと思います。そういった商品を、地方の生産者や加工業者の方達と組んで作り込んでいけたらと思っています。

(白賀)
就活に関しては、コンサルティング業界に絞って活動されていたのですか?

(渡邉社長)
私は元々安定志向で、公務員の勉強をしていたんです。でもOBの文部科学省の方にお会いして話していて仕事が面白くないと聞いたんです(笑)

これは向いていないなと思い、公務員はやめてコンサルを受けました。選んだ決め手は、何かしら事業に取り組むなら、会社を変えるとか世の中を良くするとか何かを変えたいという気持ちがあったので、それが出来ると思ったからです。

(白賀)
実際にコンサルに入ってみて、身になったことはありますか?

(渡邉社長)
実は、私自身はコンサル時代の評価が低かったんです。
しかし、自分自身評価が低い中で過去を振り返るともう少しやれるのではないかとも思っていて、どこまで自分の力を示せるかと、転職ではなく自分で事業を起こすという起業に目がいきました。

もちろんコンサルで学んだことはあります。コンサルでは、すごい量の仕事をしましたが、その中で20代のうちにビジネスを多く学べ、思い切り働く経験は今にもプラスになっています。若いうちに苦しんでおけばきっと30代以降に繋がるのではないかと思っています。

(園田)
ビズキャンプラスを見ている学生に、アドバイス・メッセージをお願いします!

(渡邊社長)
僕は大学にいるときにフットサルのチームをつくって、そこで仲間たちとずっとフットサルをやっていました。そのチームが関東リーグまでいって、今では日本リーグまでいっています(渡邊さんはNPO法人横浜スポーツアドカルチャークラブ、フットサル部門の実行委員代理)。

何かやり続けていれば、いいことがあると思います。

あんまり無駄なことにバラバラに時間を割かずに、自分が没頭できることに時間をじっくり割いた方がいいんじゃないですかね。

みんながアルバイトをしているからアルバイトをする、みんながサークルに入っているからサークルに入るのではなくて、自分が好きなことをとことんやるとか、好きなことが見つかっていないんだったら、好きなことを見つける作業に没頭するとか、好きなことのために集中して取り組んでいけば、きっといいことがあるんじゃないかなと思います。

僕は、就活でもフットサルをずっとやっていたことをアピールして、評価してもらえました。

このOFFICE DE YASAIの事業でも、2012年に起業して2014年にサービスができたのですが、売上が全く上がらない時期もあったりして、2年間は何もしていないに近かったです。だけど、「農業系のビジネスをやる」っていう軸をぶらさずにずっとやり続けられたからこそ、今があるんだと思います。

会社を立ち上げると、いろんな話が来るんですよ。お金にすぐなるような話とか誘われたりもするんですけど、自分がどのようになりたいかっていう信念をしっかり持っていれば、きちんと断ることができるし、やりたいことをずっとやり続けることができます。それをずっと続けた先に光があるのかなと思います。

インタビューの感想

(園田)
インタビューの前にホームページを見て、OFFICE DE YASAIの事業の目的は、「社員の健康を支えることで企業が成長し、それがゆくゆくは日本の経済の活性化につながる」ことだと思っていました。

しかし、お話を聞くと、社員の健康を支えると同時に、一次産業を活性化させることで地方創生につなげることを目的としていると知り、驚きました。まさに都市と地方をつなぐ素敵な事業だと思いました。また、直接お話を聞くことで、自分の思い込んでいた世界がガラッと変わる、インタビューの面白さも改めて実感しました。

(白賀)
健康を意識したサービスを提供している企業だけに、オフィス内は野菜はもちろん、乳製品や無添加食品などの健康食、そして可愛らしい野菜の被り物に溢れていました。

社長へのインタビューの通じ、普段の健康における食事の大切さに気づかされるとともに、野菜を中心とした健康的な食品が、今後大学やオフィスにもっともっと普及してくれれば良いなと思いました。普段何気無く食べている野菜ですが、各地の生産者に感謝の気持ちを忘れずに今後も継続して食べていきたいと思いました。

この記事は私達が担当しました

  

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