新しい高校教育を目指す|株式会社LIGHTSHIP 松本 将史 様 インタビュー

こんにちは!ビズキャンプラス運営の中村です。 今回は、株式会社LIGHTSHIP 代表取締役 松本 将史 様へインタビューさせていただきました。

教師と経営の経験を生かし、企業と学校が連携した職業教育を行う「ライトシップ高等学院」を立ち上げ運営している、株式会社LIGHTSHIP。
今回のインタビューでは、事業内容や起業に至った経緯、OJT教育とその展望、そして学生へのメッセージまで、多岐にわたる貴重なお話をお届けします!

「学校教育」「職業教育」「OJT」「人材育成」などに興味のある方、必見です!

会社概要


  会社名:株式会社LIGHTSHIP
   代表:松本 将史
  所在地:新潟県上越市港町1₋9₋1直江津港佐渡汽船ターミナル2F
 設立年月:2023年6月
 事業内容:「ライトシップ高等学院」の運営
   URL:https://l-ship.com/

 

インタビュー


(安形)
事業内容について教えてください

(松本さん)
私たちの事業は、産業分類上は教育支援業です。通信制高校のサポート施設を設置し、生徒たちへ学習支援をしています。通信制の高校は増えていますが、 オンラインで授業を受けたり、自主的に課題に取り組まなければなりません。なかなか一人だと、スケジュール管理や自立的に勉強を進める事にも難しさがあります。

その中で私たちは、ドイツの職業教育のデュアルシステムを基盤に、高校卒業に必要な教科学習は最小限にとどめ、浮いた時間を地元企業でアルバイト社員として週3日程度OJT(オンザジョブトレーニング)する時間とし、職業現場で手に職をつけ、社会人としての基礎を養うカリキュラムを運営しています。

(安形)
なぜ従来の高校教育ではなくて、ドイツのデュアルシステム型教育に可能性を感じたのでしょうか?

(松本さん)
私が勤めてた海洋高校は、実習時間があり、私は干物や缶詰を作る水産加工を教えていたんですが、実習になると、生徒はすごく生き生きと参加するんです。そういう実践ベースの学校スタイルの方が向いている生徒も多いと思っていました。

2013年にドイツに視察に行く機会があったのですが、高校生は、僕らが今取り組んでいるようなデュアルシステムで学生生活を送っていました。ヨーロッパ圏では基本的にそういうカリキュラムがあって、高校生全体の3、4割が当たり前にそういう生活をしてるんですね。
それを見てきたときに、具体を通じた学びが適する生徒に対して、今あるライトシップのカリキュラムが最適な方法だと感じ、昨年度第一期生を受け入れて立ち上げました。

(安形)
たしかに、大学進学か就職かという選択肢の中で大学に進学する気持ちがない子にとっては、こういった教育はとても素敵な機会だと思います。

(松本さん)
実際、自動車整備工として働いてる子が、工学部に行きたい!不登校だった子が心理学系の大学に行きたい!など、高等教育への意欲を持つようになりました。だから、単に職業訓練校じゃないんです。メインの入学層は三年後就職を目指していますが、全くまっさらな状態で職業を学びながら、自分がどうあるべきか自覚する3年間を作っていくのが私たちの使命です。

(安形)
通信制高校とそのOJTをかけた教育モデル というものはかなり新しいと思います。最初に企業側をどのように巻き込んでいったのか教えてください。

(松本さん)
高校教員を辞めた後、この地域で水産加工の会社を創業して商売していたので、地元の取引先や商工会など、もともと地域企業での繋がりはありました。地域人材をしっかり育成する高校を作りたいので、皆さんの会社で生徒を受け入れてくれませんかと、一社一社出向いて提案し、ご理解いただきながら協力企業を増やしていきました。

(安形)
松本さん自身が理想の教育として、一番大切にしている考え方を教えてください

(松本さん)
「考える力」と「行動する力」の2つを育てることでしょうか。ライトシップ高等学院では、「考える力」はリテラシー、「行動する力」はコンピテンシーと呼び、客観評価を実施しています。
習慣によって身につく良い行動特性のことをコンピテンシーは、「対人能力」「対自己能力」「対課題能力」の三つに分類されるんですよね。インターネットやAIを使ってどんどん早く動ける人間がやっぱり活躍していく社会になると思います。コンピテンシーを高めるような経験をさせる教育が、必要だと思いますね。

そのために僕らはOJTを大切にしています。コンピテンシーを伸ばす教育が既存の公教育には極めて少ない。私たちは現場のプロフェッショナルから職業スキルを学ぶプロセスを通じてコンピテンシーを高めていく事を理想としてやっています。

(安形)
現段階で感じてる課題はありますか?

(松本さん)
そうですね。生徒は実際賃金をいただき、その責務に対して職場で働いているので、普通の高校1、2年生でも週3日間仕事しています。もう大人のようなものです。成長しきれていないケースを見ると、自己評価と客観評価にズレがあることが多いです。
一日も早く、「仕事の評価はお客様がする」ことを理解していってほしいですね。

(安形)
松本さんは、大学生時代はどんな将来を描いていたのか。 また教員を目指したきっかけについても伺いたいです。

(松本さん)
釣りが好きだったので、北海道に2ヶ月間旅しながら釣りをしたり、水産加工場のアルバイトをしたりして、お金を得ながら、また次の旅の資金にするとかしていました。淡路島で鳴門わかめの収穫のアルバイトっていうのもありましたね。漁業に関わるアルバイトを全国点々といろいろとしましたね。

(安形)
松本さんが新潟でこの教育事業をやる意味は何だと考えていますか。

(松本さん)
新潟で生まれ、新潟海洋高校に勤めた成り行き上ともいえますね。2年後には新潟市内でも展開して、新潟県全域の子どもたちがこの仕組みを選択できるようにしたいと思います。視察に行ったドイツのように、日本でも全国的にライトシップ式が高校教育のスタンダードになっていくような価値観を作っていきたいです。

職業体験を通して、アイデンティティの確立であったり、賃金や福利厚生だけではない別の要素で職業選択をする高校生が増えれば、より色々な産業に人が分配されます。

(安形)
この方式が日本に広まった時、教育や、社会の仕組みはどのように変わって行くのでしょうか?

(松本さん)
子どもたちが、自分の学びの方向性を本質的に捉えてくれれば、進路選択がより良いものに変わってくるのではないかと思います。また、ライトシップ式が当たり前になれば、民間の力で優れた人材を育成できるわけですよね。

(安形)
生徒にとっては、どのようなメリットになるとお考えですか。

(松本さん)
このライトシップ式の教育プロセスがあれば、高等教育にちゃんとした動機を持っていくこともできますし、職業選択においても広い展望をもてると思います。3年間で培った経験は、あらゆる職業で転用可能な力じゃないですか。やりたいことや自分の将来像が自分の中で見つかることで個人の幸福にもつながりますよね。その出発点を作ってあげる事がこの学校かなと思います。

 

(安形)
将来に悩む学生に向けて、松本さんからのメッセージをお願いいたします。

(松本さん)
スティーブジョブズの言葉で、「コネクティングザドッツ」という点と点を結ぶって話がその通りだと思うんですけど、目の前の事に正しく向き合って成果を出せば、自分の力も伸びるし、信用も得られる、そして次のチャンスが訪れる!その時には気がつかないかもしれませんが、きっと後になって過去の自分が、自分を助けてくれる事があるはずです。まずは「バックキャスティング」とか小賢しいことを考えずに、目の前の事を頑張ってみてください。

 

インタビューを終えて


(畠中)
リテラシーとコンピテンシーみたいなお話もありましたが、そういう思考と実践っていうところを掲げているプログラムを持つ大学だったり、学部でも、まだ学内で完結することが多いと感じます。どうしても学内で完結してしまいがちなところがあるので、ライトシップ式の経験から、好きなことを見つけて、やりたいこと、できることを見つけて、自分の処理を選択できる、いろんな業界に人が行くっていうのは、自分は持っていなかった視点だったなと思って、今回すごく面白いインタビューを聞くことができました。ありがとうございます。

(安形)
松本さんの話を聞いて、私自身の学校生活を振り返っても、将来について考えなくてもいい時間だという意識から、授業中気が抜けることがどうしてもあったと思います。そういった中で、 将来に対しての選択肢を与えてくれるライトシップ式の教育というものは、本当に多くの学生に響いてくるものだと個人的には思いました。これからの活動や生徒の方々の活躍する将来がすごく楽しみに感じました。すごく素敵な時間でした。ありがとうございます。

 

松本さん、貴重なお話をありがとうございました!

以上、株式会社LIGHTSHIP代表、松本様へのインタビューでした。次回もお楽しみに!

この記事は私達が担当しました

  

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