香りマーケティングを行う「Air Aroma Japan」へお話を伺ってきました!

今回は、「企業のブランディング」という観点から、 世界80カ国で様々な香りの空間をプロデュースし、ソリューションを提供している、香りマーケティングのパイオニア、Air Aroma Japan 株式会社代表の柳川舞さんにお話を伺ってきました。

会社名:Air Aroma Japan 株式会社
代表:柳川舞
住所:東京都世田谷区用賀4-10-3 世田谷ビジネススクエア ヒルズⅡ
電話番号:03-3709-1836
URL: www.air-aroma.co.jp
主要事業紹介:
アロマディフューザー・フレグランスの輸入販売、香りブランディング、空間プロデュース、香り製品の新規開発マネージメント、香りと環境の感性デザイン研究

今回の学生

河尻桃子 末吉愛実 辻和泰 山田名月

インタビューはここからです!

(末吉)
なぜ香りに関する事業を展開していこうと思ったのでしょうか。

(柳川さん)
前職は、高校卒業と同時にオーストラリアに渡ったこともあり、オーストラリア大使館で働いていました。そこでは、オーストラリアの企業を日本に誘致したり、双方の企業が共同で新規事業を開発したりするサポートをしていました。そこで、メルボルンが本社のグローバル企業である「Air Aroma」と出会いました。アート性があるものや目に見えないものは元気になると思っていたので、元々興味があり、価値がしっかりと伝わればビジネスになると考えていました。事業を始めたきっかけは、オーストラリアの「Air Aroma」が日本の代理店に乗り換えられてしまったことと、CEOから「日本人は香りに対して理解が深いから、日本でキーマーケットとして残したい。」と言われたことです。そこで、「ゼロから立て直せるのは私しかいない」と思い、日本でゼロから立て直すことを決めました。

(末吉)
ゼロから立て直す勇気や自信はどこからきたのでしょうか。

(柳川さん)
それは、「香りを人の幸せのためにどう使えるか」という課題に対する努力を、私ほど行う人間が世界に一人もいないからです。なので、私以上に成功する人はいないですよね。努力をすれば成功は導けるので、今の結果はどうでもいいとさえ思っていました。

(辻)
なぜ、高校卒業と同時にオーストラリアに渡ったんですか?

(柳川さん)
小学校6年生の時に、バスケットボールのスカウトをうけました。私のチームの先輩は小学校6年生の時にそれを受けるとそのまま九州の学校に行って、筑波大学に行って実業団に入るという道で決まっていました。私は小学校の時にそれを選ぶか、別な道を選ぶかの選択をしなければなりませんでした。そこで、もっと広い私見を持ちたいと思って留学しようと決めました。15歳の時に初めて海外に行ったのがオーストラリアでその国民性がすごく自分にあっているなと思って、高校卒業と同時にオーストラリアに行きました。

(河尻)
オーストラリアと日本とでは女性の働き方にどんな違いがありますか?

(柳川さん)
「強い」の一言です。性格もとてもはっきりしていて、男性と変わらないです。オーストラリアの女性は働くことが当たり前で、自立しています。養ってもらおうという気がさらさらないですね。そういった気質が「強さ」につながっていると思います。余談ですが、オーストラリアの男性はお勧めです。(笑)優しいですがなよなよはしていない。女性をケアする余裕があるんです。

(山田)
ここからはAir Aromaの事業について詳しくお伺いしていきたいです。
まず、香りの提供を5つ星のホテルを選んでいた理由はハイエンドを目指していたからなのでしょうか。

(柳川さん)
キーワードは感情だと思っていたからです。嗅覚は脳の情動を揺さぶる部分に直接繋がっているんです。なので、この香りが何か分かるより前に、私たちは何かを感じてしまうんです。理論ではなくて、私たちは香りによって気分がすごく変わるものなんです。つまり、香りのブランディングの成功事例としては、匂いが良いとかではなくて、香りによって思い出される気分や感情、体験がポジティブなものである必要があります。だから私たちは、設立当初は素晴らしい体験やサービスを提供している5つ星ホテルに絞って香りを提供していました。

(山田)
事業としても展開されている「社員のストレスを香りによって削減する」というものも、香りと感情に着目していたからなのでしょうか。

(柳川さん)
アロマの一番分かり易い効果は鎮静であり、この効果が働き方改革におけるストレスマネージメントの問題に有効的だと考えたからです。
社員のストレス軽減を解決する理由としては、1つには市場が求めているから、2つにはエアアロマの哲学として香りで人を幸せにしたいという思いがありました。ストレスを極度に抱えている人達は幸せではないので、自分たちが持っている「企業の哲学」の「香りで人を幸せにする」というものに寄り添いたいと思いました。

(末吉)
私は「Aropromo」に関心を持ったのですが、これは一体どんな商品なのでしょうか。

(柳川さん)
「Aropromo」は、香るPOP広告で、中にはビーズが入っていて、ボタンを押したり、センサーが反応したりすると、その商品と同じにおいが出てくるものです。スーパーのPOP広告などによく用いられています。特に印象に残っているのは、海外の洗剤のPOPとして使われた時です。外観を洗剤の商品パッケージと香りビーズを商品と全く同じにして、気軽に商品のにおいを体験できるものにしました。

(辻)
Air Aromaの香りブランディングについてお伺いしたいです。

(柳川さん)
香りのブランディングをしているプレイヤーが少ない中でもAir Aromaは1番の老舗で、最もクオリティを追う企業です。それは、私たちが香りをアートだと思っているからです。他の企業は香りにそこまでアートとしての理解がないのです。だから、アートが持つ力を商業価値に転換するブランディングをしています。

(辻)
香りマーケティングの具体的な売り上げの変化や成果についても教えてください。

(柳川さん)
0から会社を立ち上げて、2年半で黒字にして事業としてはずっと伸び続けています。
将来的にはもっとプレイヤーが増え、香りのブランディングの市場が大きくなり、大手が参入してくると予想しています。
そうなるとAir Aroma Japanはより良い方向に働くと思っています。なぜなら、私たちのお客さまにはグローバルな大手企業が多く、高いレベルで香りサービスを提供できる知識を培っているからです。より専門的な知見が必要となってくる将来に向けて、3年前から研究団体を立ち上げて五感の感性の研究をしています。専門知識を持っていることは強みです。技術は特許では守られていますが、私たちの作っているものは全て真似出来てしまいます。そうなると、最終的に持つべきは知識だからです。今、他社の真似事ばかりしていると将来大手が競合相手として参入した時に負けてしまいますが、専門的な知見を持っていると将来共同研究などでもっと広がっていくと思います。

(河尻)
このように多くの香りに触れている柳川社長ですが、今までで一番幸せな「香り体験」があれば教えてください。

(柳川さん)
焼き鳥屋のにおいですね。香りは常に「自分の体験」と結びついています。焼き鳥屋は仕事終わりに行くことが多く、仕事を終えた幸福感と焼き鳥のにおいがリンクして記憶に残っているんです。「ビールを飲んで楽しくやりましょうよ!」と気持ちが気切り替わる体験ともリンクしていますね。
春のにおいや雨が降るにおいといった、自然が変わるにおいも好きです。生きている、自分も動物なんだなと感じられるからです。あとは母方の祖父が寿司屋をやっていたので、酢飯と古い家具のにおいが混ざったような香りも好きです。なんだかほっこりするんですよね。自分が親しんだにおいは自然と覚えているんですよね。

(辻)
ふくしま香LINKプログラムというものが気になりました。
実施に至った経緯と内容、成果を教えてください。

(柳川さん)
実は、会社を立てた次の日に東日本大震災がありました。私たちは、自分たちの顧客を奪われて何も無くなってしまっていた経験があり、1度無くなったものを立て直すということがどれだけ大変かということを知っていました。なので、被害を受けて何も無くなってしまった被災者の方々の気持ちに共感しました。私たちはよく東北に行くようになり、東北の人たちに励まされたこともありましたし、共に少しづつ達成感を味わいながら、大変良い関係を築いてきました。
小さめの東北のプロジェクトは結構頻繁にやっていましたが、福島だけ時間がかかった理由は原発の問題があったからです。放射線の問題は膨大な時間がかかるので、自分たちの会社が長期的に関われるようになってから福島は取り組もうと思っていました。福島の風評被害など、言葉で言うだけでは伝えきれないことを、むしろ言葉ではない香りで伝えられるのではないかと思って始めたのです。例えばアートや踊り、絵、香りなどを使いながら福島の魅力を福島の学生達と深堀りします。それをどうやって伝えるのかをみんなで考えるため、様々な専門家をお呼びしたりして、その都度ワークショップを開催しているのが香Linkプログラムです。

(山田)
様々な事業を展開されているんですね!柳川さんはいつ頃から起業を考えていましたか?

(柳川さん)
私の実家は両親が商売人だったので、雇われるという図がなく自分が起業する前提で社会を見てきました。もともとお金に欲が無かったので、起業家には向いてないと思っていましたが、「みんなを幸せにしたい!」というビジョンはありました。
また、お金儲けに対する考え方が変わったきっかけも、起業をしてビジネスをしようと思ったことに影響していると思います。そのきっかけは、大使館で働いていたときに蜂蜜屋さんのおじさんと出会ったことです。彼は「儲ける」という字は「信じるに者」という字を書く、つまり人が品質を信じて買うんだと教えてくれたのです。この話を聞いてからは、自分が信じるものを値段をつけて人を幸せにすることは良いことだと考え始めました。今でも自分の社会的な構想は事業としての持続可能を形にすることを目的としているので、もう100%ビジネスウーマンですね。

(山田)
女性起業家として苦労した経験があれば教えていただきたいです。

(柳川さん)
女性起業家だからといって苦労した経験はありません。男性と対等になろうとしても女性起業家はライバルになりませんから。ライバル視されない「例外」だから平等に話せるので、女性起業家というのは得なポジションだと思っています。しかし、平等には見られないので、平等性を求めるなら嫌に感じるかもしれませんね。
最近話題に取りあげられるセクハラ発言なども確かにあります。しかし、ボクシングをしていた経験もありセクハラ発言は極めて少ないですし、流せます。女性社員が多いので会社のポリシーとしてセクハラ対策もしていて、会社としての線引きはきちんとできるようにしています。社外のクライアントとの食事などの接待も、2人きりは禁止、社長も同伴なら許可しています。社長が来ればビジネストークですからね。

(河尻)ボクシングが今の仕事に影響を与えていることはありますか。

(柳川さん)
いっぱいあります!ボクシングは試合が始まったら「やる」しかありません。特に私のスタイルは、絶対に後ろには引かないし目もそらしません。大企業とのビジネスをボクシングに置き換えると、世界チャンピオンとアマチュアが戦っているようなものです。しかし、どんなビジネスにおいても私は前しか見ていません。それはボクシングと同じで、とにかく挑戦していくことや自分より強い人に対して立ち向かっていくことが大好きだからです。私は女性であることのハンデも楽しんでいきます。

(末吉)
パワフル全開は柳川さんですが、仕事をする上で一番大切にされていることは何でしょうか?

(柳川さん)
「楽しむこと」です。受け身で楽しいことを待つだけでなく、どんなにつらいことも楽しいことに変えていけるかが大事です。社員に対しても成績が悪いとかはどうでもよくて、楽しそうじゃない時にピンチを感じます。楽しくしていれば、必ず何かの良い結果が出るので、「楽しむこと」が一番大切です。

インタビューはここまでです!

インタビューをした感想

(河尻)
「私しかやる人がいないから」一番印象的だった言葉です。そんな過酷な状況でも絶対に後ろには引かない柳川社長の強さは、人を香りで幸せにしたい!という「内面の優しさ」からも溢れ出るものだと思います。
人のために何かを変えようとするならば自分の何かを犠牲にできるような覚悟を感じました。
自分の強さというのは、カタチは違えど誰もが持っていると思うので、私もこれから自分の強さをみつけて後ろには引かない精神力を鍛えます。
あと、そんな強い女である柳川社長が「最強」と言うオーストラリアの女性にもすごく興味をそそられました。(笑) 私は少し臆病であと一歩のところで踏みとどまってしまうことがよくあります。オーストラリア女性にとことんしごかれたいですね!
貴重なお話ありがとうございました。

(末吉)
普段あまり意識していなかったのですが、私たちは「香り」によって感情が左右されていることに気づかされ、納得しました。
「香りで人を幸せにする」の信念を持ち、これまでたくさんの人や会社を幸せにされてきたということがわかりました。また、機能性があるものだけではなく、感情に関係するものを求める人が益々増えていくこれからの時代に、幸せな気持ちにさせてくれる新たなものや体験を提供していただけるのだろうなと思いました。
柳川社長の力強さ、芯の強さ、人を大切に想われている優しさ、そして熱い思いが込められた一言一言が心に沁み、パワーをたくさんいただきました。
聞いていて、ワクワクと感動が止まらない素晴らしいお話をありがとうございました。

(辻)
香りを使ってブランディングを行なう事業をしているエアアロマジャパンにインタビューをさせていただきました。クライアントの大手企業を相手にするために、実際に研究するなどの努力と裏づけされた自信はどんな事業をするにも必要なものだなと思いました。また、自分にも生かしうることだと思うので柳川社長のようにエネルギッシュに生きたいと思います!

(山田)
ビジネス観点でのお考えもとても勉強になりましたが、特に社長の生き方に刺激を受けました。
今まで香りに関して特に深く考えていなかったので、体験を香りと結びつけて記憶していることが香りブランディングの価値観の創造に繋がるということがとても新鮮な勉強になりました。特にブランドロイヤリティとして、サービスと香りの関係作りの考察が印象的でした。
自分とは180度違った生き方をされている社長のお話を受けて、人間の多様性を感じたと同時に、私も柳川社長のように強いビジョンを描いて前進していきたいです。

この記事は私達が担当しました

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