今回は、常にお客様や社員のことを考え、新しいワクワク感を生み出すことへ熱い想いを抱き続けるピーアークホールディングス株式会社の庄司社長に、インタビューをさせていただきました。
・パチンコ業界が抱える問題
・パチンコの魅力
・働く上で大切にしていること
・接客業の極意など
についても熱くお話していただきました。
会社概要※2022年4月時点HP掲載より
社名:ピーアークホールディングス株式会社
事業内容:レジャー産業/エンターテインメントパチンコP ARK展開
設立:1980年10月
代表取締役社長:庄司 眞 様
本社所在地:〒121-0813 東京都足立区竹の塚6-8-15 タイムビル
インタビューは、ここからです。
(岡田)
今の事業を始めようと思ったきっかけは何でしょうか?
(庄司社長)
実は、私がこの会社を立ち上げたのではなく、祖父が1951年に創業しています。弊社はもともと靴の小売店として事業をスタートしたのですが、その後1968年に新規事業としてパチンコ店経営を始めました。
きっかけは祖父でしたが、今はこの業界を日本を代表するエンターテイメント・サービス業としてより進化させたいという想いで続けています。
祖父が事業をスタートさせた当時のパチンコ店は、遊技台を置いてスタッフは不正行為を見張る監視役を担当していて、サービス業とはほど遠いものでした。
ですが、父である現会長が社長になった際、お客様から「負けたけど楽しかった。また来るね!」という声をいただいたことが、大きな転換点となりました。
ピーアークを選んで遊びに来ていただいている以上、全てのお客様に笑顔になって帰っていただきたい。そのためには勝負の勝ち負けではなく、店内で過ごす時間に価値を感じていただけるサービスを商品にしていこうと考えたのです。
全てのお客様にパチンコ遊技を楽しんでいただけるお店を作ることができれば、産業としてもう1段も2段も成長することができるのではないかと思っています。
(岡田)
東京を中心に30店舗以上展開されていますが、1軒のパチンコ店を開くまでにどのような手順を踏むのか教えていただきたいです。
(庄司社長)
多店舗展開している企業は、同じスタイルの店舗を低コストで展開していくチェーンオペレーションが一般的ですが、ピーアークは各店舗が独自のコンセプトを持って運営していることが特徴です。
例えば、中央区銀座はOLやサラリーマン、足立区竹の塚はシニアの方が多い街です。お客様層が違うのであれば、お店の作り方やサービスも変えるべきであるというのが当社の考えです。
手順としては、まず市場調査を行います。居住者やその街へ流入する人口の統計をとり、営業ポテンシャルを調べます。
次に、風営法の取得許可が可能かを確認します。パチンコ店は、風営法という法律の下で営業しているので、近くに病院や学校がないなどの条件を満たしていることが必要です。
最後に、競合のお店が周りにあるかなど、事業としての持続性を確認します。
(岡田)
インターネットやスマホでのゲームが普及する中、お店に足を運んで遊ぶパチンコならではの楽しさやおもしろさを教えてください。
(庄司社長)
最近は、スマホのアプリでもパチンコやスロットを気軽に楽しむことができるようになりました。しかし、スマホで遊ぶパチンコと、お店で遊ぶパチンコには大きく2つの違いがあります。
1つ目は、遊技結果に応じた賞品がもらえること。お店でのパチンコ遊技では、当たりを引くとたくさんの玉が出てきて、それを賞品に交換することができます。これは風営法の許可を頂いている場所でしか許されていませんので、スマホではできません。「商品がもらえる」というワクワク感は、お店ならではの楽しみ方です。
2つ目は、体験を共有できること。
例えば、映画館へ友人や恋人と一緒に観に行くと、鑑賞後にお互いの感想や感情をシェアしますよね。
これと同じように、パチンコでも遊技のプロセスや勝敗結果をその場で共有できることが魅力です。遊技でドキドキする、終わった後も友人とワイワイ語り合う、これらはその場で共通体験を共有しているからこそできること。まさに”1度の遊技が2度美味しい!”ですね!
(岡田)
友達同士で来店される方は多いのですか?
(庄司社長)
多いですよ!特に学生さんは友達同士でいらっしゃる方が多いですね。
もちろん1人でじっくり堪能するのも楽しいですが、グループで楽しむ”グルパチ”も1つの楽しみ方です!
(岡田)
貴社のマスコットキャラクターの“ピーくん”は「ゆるキャラグランプリ」にも出場していますが、ピーくんはどのように誕生したのですか?
(庄司社長)
会社の看板キャラクターであるピーくんの生みの親は、実は社員なんですよ。先ほどもお話ししましたが、地域によってお客様が変わりますので、お客様のニーズを1番理解しているのは、現場の社員です。各店舗のスタッフが自発的に「お客様に喜んでもらうには何をしたらいいか」を考え行動していくことを弊社はとても大事にしています。ピーくんも、そのような社員のお客様を思う気持ちから誕生しました。
正直、パチンコ店に対してあまり良いイメージを持っていない方は多いと思います。でも私たちは、そういったイメージ論ではなく、きちんと事実を認識した上で、正しい判断をしてほしいと思っています。それは新しいお客様を増やしていくためでもありますが、それよりも今遊びに来てくださっている目の前のお客様のために必要な変革であるし、それが私たちのミッションだと考えています。
そこで、
「パチンコに対するイメージを変えたい!」
「可愛らしいキャラクターがいたら親しみやすくなるんじゃないか?」
「よし、やってみよう!」
というような流れで誕生に至りました。ピーくんのおかげで、女性のお客様も入りやすくなったという声を頂いているんですよ。
ピーくん誕生の秘話として、今でこそ可愛らしい姿のピーくんですが、もともとは8頭身のスリムなモデル体型だったという噂が…(笑)
うーん、全然可愛くないですよね…。丸っこくて可愛いピーくんになってよかった!
(岡田)
18歳未満禁止のパチンコですが、ピーくんのファンサイトで子ども向けコンテンツを配信する理由を教えてください。
(庄司社長)
弊社は、長期経営ビジョンに”Fun for Life”を掲げています。私たちピーアークと接することで人生をより明るく楽しく過ごしてほしいという想いが込められています。
人生を楽しむことに年齢は関係ありません。もちろん、事業であるパチンコ店には18歳未満の方は入店できませんが、店舗外であればお子さんにもFunを届けることができます。
例えば、ピーくんファンの方と一緒にピーくんの誕生日をお祝いするイベントを店外で開催したり、ちょっとおっちょこちょいなピーくんの動画をネット配信したりしています。
パチンコ事業を営む企業が小さなお子さんへ向けてなにかをするということは非常に稀です。ですが、我が社では”Fun for Life”というビジョンの下、人生を豊かにするためのお手伝いを自分達のできる範囲で分け隔てなく追求していきたいと思っています。
(岡田)
若者のパチンコ離れが問題となっていますが、パチンコの魅力について教えてください。
(庄司社長)
1つ目の魅力は、万人に対して手軽で平等な遊びだということです。
例えば、みなさんボウリングなどで遊びますよね?ボウリングは、経験量やセンスによってスコアが大きく変わってきます。世の中にあるほとんどの遊びが、技量や知識量によって勝敗が決まると思います。
一方で、パチンコは至ってシンプル。狙いを定めてハンドルをひねるだけで玉がきちんと飛ぶ。技の要素もありますが、基本的には誰でも簡単に遊べるので、性別や年齢はもちろん、体力や身体的ハンデなど関係なく遊技を楽しむことができる。とても貴重な日常大衆娯楽だと思います。
2つ目は、やっぱりドキドキ感ですね。パチンコの醍醐味は、当たるまでの遊技台との駆け引き、つまりドキドキ感です。実は歴史の長い産業なので、遊技台メーカーもどのような演出をしたらみなさんがドキドキするかを知り尽くしているんですよ。「お!当たるかもしれない!」のドキドキ感は、日常や他のレジャーではなかなか味わえない高揚感なんです。
また、最近ではコンテンツも充実してきていて、AKB48やガンダム等、コアなファンの方々が見ても満足のいく世界観に仕上がっていると思います。いつでもどこでも誰でも、気軽に非日常なドキドキ感を楽しめる娯楽こそが、パチンコ遊技の魅力ですね!
《 実際に、遊び方のレクチャーをしていただきました!!》
銀座・歌舞伎座の斜め向かいにあるピーアークさんの店舗には、外国人観光客のお客さんがたくさんいらっしゃるそうです。パチンコは日本発祥のもので、興味を持たれている外国人さんが多いのだそう!
ですが、初めてだとなかなかその面白さに気づくこができずもったいない経験をされてしまうとういうことで、外国人観光客の方向けにレクチャーすることも多いそうです。
(岡田)
HPにパチンコ依存問題に関するリンクがありましたが、パチンコをする人にどのように楽しんでもらいたいかなど、理想の遊び方について教えてください。
(庄司社長)
パチンコには、「遊べる時間の量」と「遊べるお金の量」が大きく関わってきます。よって個人の理想の遊び方は異なるはずです。最も大切なことは、私たちホール側が、各お客様の時間とお金に合わせて選択できる遊び方を提供することだと考えています。
例えば弊社は、1円パチンコを全国に先駆けて提案しました。1円パチンコの生みの親は弊社です。通常1玉4円でお貸ししていますので、一気に4分の1に引き下げたことになります。当然、売上も利益も4分の1になりますが、「少ない金額で長く遊びたい」というお客様のニーズがあるならば、それに応えるのが私たちの仕事です。
今では全国の1円パチンコ導入率は50%を超えていますが、導入するまでにいろいろな苦難がありました。ですが、今でも挑戦して良かったと思っています。お客様1人ひとりの所得と時間に合った遊び方を選択していただき、楽しんでいただくことが理想の遊技スタイルですね。
(岡田)
パチンコ業界をどのように先駆していきたいとお考えですか?
(庄司社長)
常に新しい”楽しさ”を作り続けていきたいと思っています。
エンターテイメントが提供する価値の本質は、ワクワク感だと思っています。例えば今日やったことと同じことを明日もう一度やってもお客様はワクワクしませんよね?毎日新しいものが生み出されていて、”そこに行けばなにか楽しいことがある”という場作りが理想です。
なので、店内で過ごしていただくパチンコ遊技時間はもちろんですが、遊技前と遊技後のサービスの質を高めることも大事にしています。それが新しいワクワクにも繋がると思っているので。
(岡田)
学生に向けてのお話もお聞かせください。庄司社長が働く上で大切にしていることは何でしょうか?
(庄司社長)
1つは社訓にある「創造と挑戦と熱意」です。
毎日お客様に新しいものを提供するために、この3つの言葉を常に意識して仕事に取り組んでいます。
2つ目は、仕事に誇りを持つことです。実は、パチンコ業界の接客業ってとても難しいんですよ。私は「サービス業の総合格闘技」だと言っています。(笑)
例えばサービス業の代表例として、多くの人がアルバイトとして選ぶ飲食店がありますよね。
想像してみてください。お客様はお腹が空いた状態で来店されます。そして自分が食べたいものを注文し、お腹いっぱい食べて帰られる。人は空腹が満たされると幸福感を感じます。よって、入店から退店までの一連の動作の中で起こる感情の動きは、幸せへの一方向となります。
一方で、パチンコ業界の難しいところは、喜怒哀楽という4つの感情がリアルタイムで変わり続けているところにあります。ある人は当たって喜んでいるけれど、隣の人は調子が悪くてイライラしている。しかもさっきまでイライラしていたと思ったら、当たりを引いて満面の笑みで楽しんでいらっしゃる。おそらく、人の感情が刻一刻とここまで変化する空間で接客を行うサービス業は、他にないでしょう。言葉では簡単に言っていますが、実際は至難の業なんですよ。
ここで大事になることが、お客様の今の心理状態をきちんと読み解き、適切な言葉とタイミングで接客をすること。特に私たちは、”全てのお客様に最後は笑顔になって帰っていただく”ことを心がけていますので、なおさら難しい。相手の状況と試合の流れに応じて、立ち技や寝技を駆使して戦う必要があります。
そんな中で日々お客様と向き合っていますから、弊社の社員一同は人の心の察し方や場の読み方など、サービスの所作をきちんと身につけていると自負しています。だからこそ、私は心からみんなを誇りに思っています。
(岡田)
これから社会に出て行く学生に向けて、メッセージをお願いします。
(庄司社長)
私はピーアークに入社する前に3社の転職経験がありますが、この経験から学んだことは「どの仕事をしたか」よりも「誰と仕事をしたか」のほうが自分自身の成長に大きく影響したということです。
「何をするかよりも、誰とするか」。なので、ぜひみなさん、より多くの社員の方々と会ってください。特に営業現場や店舗で働く社員の方々と。
就活中に出会う社員の方って、きっと人事の方が多いと思いますが、人事は良い人に決まってるんですよ!(笑)だって人事は会社の看板ですから、特別に良い人なのは当たり前なんです。でも入社してからすぐにみなさんが一緒に隣の席で働く人は、人事の人たちではないはず。間違いなく営業現場だと思います。
社会人として新たな人生の1ページをめくるこの大切な決断に、共に歩む先輩は「どんな思いで仕事と向き合っているのか」、「どんな表情で仕事に取り組んでいるのか」。これらをきちんと知っておくことが、自分自身が本当に輝ける会社選びの第1歩だと思います。逆に言ってしまえば、人事だけを見て判断するとミスマッチを感じるかも知れません。
会社選びは仕事の中身に目がいきがちですが、それ以上に「誰と一緒に働くか」の方が大事。入社後にどのような人たちと一緒に働くのかを意識してみるといいかもしれませんね。頑張ってください!
インタビューの感想
(岡田)
「負けても楽しいパチンコ」のお話が印象的でした。打つ事は勿論、仲間と結果を共有することも楽しめるパチンコにはワクワクが詰まっているのだと感じました。パチンコは人や街を繋ぐきっかけにもなっているのではないでしょうか。「楽しさ」と「満足」を提供し続ける素晴らしい事業だと思いました。
「どの会社で働くかよりも、誰と働くかが大切」ということも、お話を聞いて改めて感じました。尊敬できる人、ついていきたいと思う人の元で働くことで自分の成長につながるのだと学びました。今後の就活の参考にします。
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