学生起業家として、産学連携の強化を目指す|GoMA株式会社 平賀社長 インタビュー

今回は、学生起業家のGoMA株式会社、代表取締役の平賀社長にインタビューをさせていただきました。

起業志望の学生さんはもちろん、大学生活で何をしたらいいか迷っている学生さんも必見!
・ビジコン出場話
・大学生のうちにやっておくと良いこと
を詳しく教えていただきました。

今回は、初のオンラインインタビューです!


会社概要(※2022年4月時点 HPより)

社名:GoMA株式会社
称号:東京工業大学発ベンチャー
設立:2019年12月
代表取締役社長:平賀 良 様
所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6東京工業大学 田町キャンパス 5F
事業内容:
産学連携プラットフォーム事業
ITコンサルティング事業
東工大連携コーディネート事業

お問い合わせ先 
Email : info@go-ma.co.jp
Facebook : https://www.facebook.com/goma.info


インタビューは、ここからです

(本間)
はじめに、御社と御社の事業内容について教えてください。

(平賀社長)
僕も皆さんと同じように学生で、東京工業大学院の修士課程1年です。
去年の12月に法人登記をして、GoMA株式会社の代表取締役になりました。東工大発ベンチャーの称号を授与され、現在オフィスは東工大田町キャンパス内にあります。
社員は僕1人で、フリーランスのエンジニア3名とインターン生2名と一緒に仕事をしています。

事業内容は、大きく3つあります。
1つ目は、ソフトウェア。ソフトウェアの中でも、アプリケーションやWEBを使ったサービスを中心に、企画から運用までワンストップで行っています。

具体的に、LINEとWEBを連携させたサービスを作っています。現在、鎌倉市の公式LINEアカウントで実施しているのですが、市民の方がLINEを使用して行政に連絡できるサービスがあります。

例えば、亀裂やひび割れが生じているような危ない道路を通報する際、LINEで写真を送ることで、その状態と位置情報を知らせることができるんです。これまで投書を行なっていたものが、LINEで簡単に連絡できるようになりました。

2つ目、はSES(システムエンジニアリングサービス)。
エンジニアやプロジェクトマネージャーを派遣する人材営業をやっています。

3つ目は、起業志望の学生の相談
東工大の大岡山キャンパスには、起業したい学生が集まれる『Attic Lab』という施設があります。その施設運営に携わっています。大学からの依頼で、イベントの開催や起業志望の学生に対して「起業相談塾」というものを行なっています。

現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響によってイベントは中止していますが、これから徐々に再開していく予定です。東工大の学生だけでなく、他大の学生も参加できるので、起業志望の学生さんは是非チェックしてみてくださいね!


(荒谷)
凸版印刷主催の新事業コンテストで、「道路異常検出システム」のアイデアで特別賞を受賞されましたが、このシステム開発の背景(道路の異常探知に目をつけた理由)を教えて下さい。

(平賀社長)
まず、簡単に「道路異常検出システム」についてお話しますね。みなさんは、スマホの中にたくさんのセンサーがあるのを知っていますか?

例えば、スマホを上下や左右に動かすと画面の向きが変わりますよね。それはスマホの中にあるジャイロセンサーや加速度センサーが働いているからなんです。

車にスマホを置いて走行すると、それらのセンサーが傾きや加速度を検知します。それが波形表示されることによって、わだちやひび割れといった道路の異常を感知できるんです。Googleマップと連動させることで道路の異常を可視化できる、これが「道路異常検出システム」となります。

元々、趣味でセンサーの研究をしていたんですけれども、行政の方とお話する機会があって、「実際に道路の異常を監査しているが、人の目だけで判断することは人員やコストの面で厳しい。今後もインフラの老朽化は見込まれるものの、リソース不足から監査継続が難しい。」といった問題を抱えていることを知りました。

そこで、センサーについての研究を重ね、「道路異常検出システム」を行政の方に提案したところ、好評をいただけたんです。ビジコンにも出場してみたところ、嬉しいことに特別賞を受賞できました。

(前田)
起業のきっかけは何でしたか?

(平賀社長)
大学4年生のとき、就活するか大学院に進むか、今後のキャリアについて考えたときに、企業や組織の一員となるよりも自分でゼロから創っていきたいという気持ちのほうが強かったので、起業を考えました。

その後、起業のための様々なイベントに参加し、エンジニアである今の仲間と出会いました。その仲間たちとサービスやビジネスについて考え、ビジネスコンテストに出場し受賞もできました。

そして、徐々に売り上げも伸びてきて節税する必要性も出てきたので、法人化を決めたんです。起業することは、節税効果や信用取引の面でメリットがあります。そのことについてはnoteにまとめているので、興味がある方は、是非ご覧ください。
※平賀社長のnoteはこちら

ちなみに、僕が参加したイベントの中で良かったのは、「Startup Hub Tokyo」や「Startup Weekend」でした。起業志望の学生さんにおすすめです!

(前田)
もし、ビジコンの受賞経験がなくても起業していましたか?

(平賀社長)
していたと思います。
元々、いつかは起業したいと考えていたので、当時受賞していなくても受賞するまでビジコンに参加し続けたか、それを待たずして起業していたかと思います。



(荒谷)
学生起業で大変だったこと、良かったことを教えて下さい。

(平賀社長)
大変だったことは、売り上げを立てることでしたね。みなさんは、「4つのクワドラント」を知っていますか?

(学生キャスター一同)
初めて聞きます!

(平賀社長)
お金の稼ぎ方には、従業員・自営業・ビジネスオーナー・投資家としての4つの方法があると言われています。

従業員と自営業は、実働した時間でお金が貰える「労働収入」。一方で、ビジネスオーナーと投資家は、実働しなくてもお金がもらえる「権利収入」です。ただし、実働しなくてもいい仕組みを作るまでが大変です。

起業は「権利収入」に該当するので、はじめの仕組みをつくることが難しかった・・・。売り上げを立てるのが大変でしたね。

でも学生起業で良かったのは、「学生起業」が1つのネームバリューになったことですかね。有名になる前は、自分をどうブランディングしていくかが大事ですよね。GoMA株式会社や僕自身に付加価値を付けていく際に、あまり類を見ない「学生起業」は有利だったのかなと思います。

(本間)
これまで挫折を味わった経験はありますか?また、その乗り越え方があればアドバイスをください!

(平賀社長)
挫折というより、失敗したことをフィードバックしていって、失敗とフィードバックを繰り返すことで乗り越えているという感じですね。だから自分では、「挫折」と感じた経験はないかもしれません。(笑) 

でも、今回のコロナの影響など、自分でコントロールできないものは「挫折」に当てはまるのではないでしょうか。

ただ、コロナの影響でリモートワークが拡大したり、新たなITツールが導入したりもしましたよね。だから挫折が生じたときは新たなものが生まれるチャンスでもあると思っています。振り返ったときに、その苦労を乗り越えることができていたならいいですよね。

(鈴木)
大学生のうちにやっておくべきこと、やっておいて良かったことはありますか?

(平賀社長)
僕は「株式投資」をおすすめします!株式投資から身に付けられるスキルは、3つあります。

1つ目は、マーケティングを理解できるようになること。
社会人になったら、資本主義経済の中でお金を稼いでいかなければならない。お金を稼いで生きていくというゲームの中で、みなさんはプレーヤーとして勝利していかなければならない。

勝利の定義は人によって様々だと思いますが、年収何千万プレーヤーになる、ライフワークを充実させるなど、自分が思い描いた生活を送るために必要になってくるのが、「マーケティング」です。

今後どのような市場が伸びるか社会環境はどうなのか、これらを理解することで、どの仕事に就けば市場価値が上がって年収がアップするかが見極められるようになると思います。

今後成長する業界や市場を判断できる人は、目標を正確に設定することができるので、ゲームでも勝ちやすい傾向にあります。

2つ目は、投資マインドを育成できること。
僕も初めて自己資金を使って投資をしたときは、とても怖かったです!(笑)「今買った株が、明日急落してしまったらどうしよう・・・」など、不安を感じていました。でも、リスクをとった分のリターンについて学ぶことができました。これを「投資マインド」と言います。

例えば、みなさんは将来通訳として働きたいと思っていたとします。そのために、学生の間に自己資金で留学に行き、将来通訳になることができたら、お金を掛けた分のリターンを得ることができますよね。リスクとリターンについて習得することは、社会人になったときに差別化できると思います。

3つ目は、企業に関する知識を習得できるようになること。
株式投資は、その会社の今の業績や将来性に対して投資をすることですよね。つまり、業績は良いのか?将来的にどうなるのか?といったことがわかるようになる勉強が必要です。

この勉強は、就活やインターンで企業を選ぶときの指標にもなります。みなさんは企業選びの際、企業の何に注目していますか?
人事の方や会社の雰囲気など、形成的な判断はされていると思うんですけど、業績などの数値といった計量的な判断をしている学生さんは少ないと思います。計量的な判断は、決算書(IRレポート)を理解する力が必要になるので、是非勉強してみてください。

勉強するにあたって、『決算書を読む技術( 川口宏之著 かんき出版)』と『決算書を使う技術(川口宏之著 かんき出版)』、この2冊がおすすめです!

(鈴木)
最近は、起業したい学生さんも増えてきています。創業者にとって必要なマインドやスキルはありますか?

(平賀社長)
「会社のビジョンや経営理念を明確にすること」と、「広報材料になること」ではないでしょうか。

人は、目標や目的がないと生きていることを実感しにくいと思うんです。だから、その目標を誰かが与える必要があります。会社も同じで、「こういうことをやっていこう!」と誰かが明確にすることで、みんなそれに向かって仕事をしていくことができますよね。最初に旗を揚げるのが、代表の役目だと思っています。

また、経営者は会社のことを世間に伝えていく必要があります。会社の顔である代表は、世間の方に様々な機会の提供をしていく必要があります。

例えば、代表がメディアに出演して自分の考えを話したり、著書を出版することで、それを見た人が会社やサービスのファンになってくれて売り上げがアップしたり、考えに賛同して一緒に働きたいと思ってくれる仲間を増やしたり、知名度が向上されることで株価が上がったり。このように世間の方に機会や影響を提供していくのも、代表のするべきことだと思います。

逆にこの2つ以外は何もできなくても大丈夫だと思いますよ!(笑)僕ができないことをできる仲間と一緒に働けたら、それだけ会社としても可能性が広がると思いますし、組織としても強くなれると考えています。

(前田)
これから展開していきたい事業、今後の展望を教えてください

(平賀社長)
大きく2つあります。

1つ目は、産学連携の強化。大学には優れた技術があったり、学生も様々なアイデアを持っているのにも関わらず、それをビジネス化できていないという課題があるので、サポートしていきたいと考えています!

2つ目は、アプリレスな社会の実現。最近は、新しいアプリは中々インストールされない傾向にあり、既存のアプリも形が変わってきています。

例えば、みなさんの使っているLINEも、はじめはコミュニケーションツールとして使用されていましたが、最近は「LINE Pay」や「LINEほけん」の様に、一つのアプリの中でそのコンテンツが多様化してきていますよね。今後、新しいアプリを作るのではなく、既存のアプリに新しいサービスを付け足していきたいと考えています。

将来的な展望として、個人的には宇宙事業に興味があります!(笑)まだぼんやりとですが、宇宙には地図がないので、位置情報システムなどを利用して正確な地図を作ってみたいなと思っています。

(荒谷)
最後に、ビズキャンプラスを見ている大学生に向けてメッセージをお願いします!

(平賀社長)
僕の好きな言葉に、「イノベーションを起こすには、若くて貧しくて無名である必要がある」があります。若いということは、生きる時間がたくさんあるということ。時間が味方してくれるので、何にだって挑戦できます。僕もまだ若いと思いますが(笑)みなさんも「何だって挑戦できる!」という意識を持って、次の新しい世界を一緒に作っていきましょう!


インタビューの感想

(荒谷)
ご自身の興味からシステムを開発し、社会の発展に貢献している平賀社長のマインドを伺い、行動力の重要さを実感しました。また、株式投資を学生のうちにやっておくことで、経済の知識や就活の際に役立つというお話は特に印象的でした。実際に株式投資に挑戦するのは気が引けますが、まずは知ることからでも始めてみようと思っています。
平賀社長のメッセージにもあった様に、私はまだまだ若いので、限界を決めずに可能性を広げていこうと思えました。

(本間)
学生のうちに何をやっておけばいいかに対して、これまで聞いたことのないアドバイスをくださったので、とても新鮮でした。ありがとうございました!

(前田)
起業することにより、どのようなメリットがあるかなど、とても分かりやすくお答えいただきました。
また、宇宙の地図を作りたいという夢がとてもかっこよかったです!

この記事は私達が担当しました

  

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