デジタルパートナー事業で、ローカルとローカルを繋ぐ|フラー株式会社 渋谷会長 インタビュー

今回は、フラー株式会社の渋谷修太会長にお話を伺いました!
フラー株式会社は、アプリやウェブなどデジタルに関わる領域で企業を支援する事業を展開しています。新潟県長岡市の花火大会のアプリを制作するなど、地方に密着して活躍されており、地方活性化にも力を入れています!
(新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインでのインタビューとなっています)

会社概要(2022年4月現在 ホームページより )

社名::フラー株式会社
設立::2011年11月15日
代表::渋谷 修太
事業内容: デジタルパートナー事業
所在地(本社):
千葉県柏市若柴178番地4 柏の葉キャンパス148街区2 KOIL 
新潟県新潟市中央区笹口1丁目2 PLAKA2 NINNO
URL: https://www.fuller-inc.com

採用情報は、こちら。


インタビューはここからです

(甲斐)
はじめに、貴社の事業内容について教えてください

(渋谷会長)
フラーが持ちうる全てのプロフェッショナル領域でアプリやウェブなどデジタルにかかわる支援を展開する、デジタルパートナー事業を行っています。

具体的には、
・テレビの視聴率調査のような「どのアプリがどれだけ使われているか」といったデータ提供をするアプリ分析プラットフォーム「App Ape」の提供
・自社で制作が難しい会社とウェブやアプリの共同開発
を行なっています。

データをたくさん集めているので、弊社は「日本一アプリに詳しい会社」だと自負しています。

【アプリ例】
新潟県のアウトドアブランド「Snow Peak」公式アプリ
イベントや新商品の紹介や、ポイントカードの役割を果たすサービス
iPhone版はこちら
Android版はこちら

(甲斐)
HPに「お客様に本当に必要なのはアプリなのかどうなのかクライアントと共に考える」と記載されていますが、それらが必要になるのは例えばどんなときですか?

(渋谷会長)
クライアントがWebサイトを既にうまく活用できていることが前提に必要です。アプリが必要になるのは「アプリを使うことでユーザーがより便利になる」と判断した場合です。

そのため、まだWebサイトが確立していないクライアントには、「まだアプリを作る段階ではないので、まずはWebサイトを強化しましょう」と率直にお話しています。

(川村)
貴社のHPを拝見し、教育支援に力を入れていると感じました。ITテクノロジーを教育現場に導入してみた反響や声などをお聞かせいただきたいです。

(渋谷会長)
この取り組みを始めたきっかけは、テクノロジーの進歩速度とは対照に学校教育のカリキュラムのアップデートは非常に遅いと感じたからです。そうなると、せっかく学校を卒業しても世の中の動きに対応できない人が多く、とても勿体無いと思っていました。

私達がしていることは、工業系の学校で習う知識を使った、今の世の中で何ができるかという考え方の手助けなんです。その働きかけがすごく喜ばれていて、毎年募集が始まった瞬間に定員が埋まってしまいます(笑)

(川村)
そうなんですね!変化が目まぐるしい現代社会において、生徒が「時代遅れ」とならずにまた活躍できるようにアフターケアまで考えて支援されているんですね。

(甲斐)
会社のロゴや事業内容を拝見した時、理系のイメージを持ちました。社員の方はやはり理系の方が多いのでしょうか?

(渋谷会長)
「文理」を区別する考え方があまり好きではなくて…。基本的にはあまり関係ないと思っています。
元々、高校の段階で文理選択があって進路が変わるのがもったいないと思っていました。なぜなら、「数学ができない=プログラミングもできない」とは必ずしも結びつかないと思うんです。

採用の際に社員が文系だったか理系だったかもあまり気にしていませんし、実際法学部出身でエンジニアを担当している人もいます。目標が設定された中で必要な知識を学ぶことは、「文」だろうが「理」だろうが関係ないと思います。

(川北)
貴社の経営理念に『世界一、ヒトを惹きつける会社を創る』とありますが、渋谷様が思う「ヒトを惹きつけられる会社像」とはどのようなものでしょうか。

(渋谷会長)
クライアントや株主はもちろん、従業員を含め全ての人から喜ばれるということだと思います。いろんなステークホルダーがいる中で、「フラーっていい会社だよね」とみんなが思ってくれて、そういう人が世界中にどんどん増えていけば、「ヒトを惹きつけられる会社像」に到達するかなと思います。

(川北)
ありがとうございます。ビジネスの成功だけを考えるのではなく、1つ1つの会社に合ったソリューションを提案するという姿勢も「惹きつけられる会社像」につながっているのかなと思います。
また、渋谷様は新潟県のご出身だと伺いました。本社を新潟に置かれていて、長岡花火大会に特化したアプリの提供などもされていますが、学生時代から「地元に貢献したい!」というビジョンを持たれていたのですか?

(渋谷会長)
親の仕事で県内を転々としていたこともあって、新潟はどの場所も思い入れがありました。

でも、地元の役に立ちたい・恩返しをしたいと思うようになったのは、会社を始めてからですね。長岡花火のアプリを作って学生時代からの夢だった花火を打ち上げたり、アルビレックス新潟のスポンサーになったりする中で、地元の人が喜んでくれているのを見ると、自分が役に立てることって沢山あるんだなと思います。

新潟は3年前まで起業率が全国最下位だったこともあって、起業家を増やす取り組みもしています。まだまだやりたいことは沢山ありますが、自分の目に見えて地元を元気にできているなと実感しながら今に至ります。

(川北)
学生時代から培われた新潟愛が、今の事業につながっているのですね。結果的に、新潟に人を惹きつけることにもつながっているのではないかなと感じます。

(渋谷様)
そうですね。若い起業家が増えてきているので、彼らを応援することにも力を入れています。自分一人、もしくは自分の会社だけで地域を元気にできるとは思っていないので、仲間が増えて彼らがどんどん成長していくことで、みんなで元気に新潟を盛り上げていけたらいいですね!

(川北)
国内に限らず、新潟から世界へ展開していきたいというお考えはありますか?

(渋谷会長)
あります!30代に何をしようかなと考えたときに、グローバルな経営者になろうと決めたんです。
今はコロナの影響で難しいので、まずはやろうと思っていたもう1つの地元貢献を30代前半でやって、それをゆくゆくはグローバルなものにしていこうと考えています。

例えば、最近アメリカでは、クリエイティブな人たちの間でデンバーという地方都市に移住することが人気になっているんです。リモートが当たり前になりつつある中で、どこに住むのが豊かな人生かと考えたときに、日本もきっと同じようになっていくなと思ったんです。

それに、世界の99%は地方ですよね。日本の東京以外が地方であるように、アメリカもNYやサンフランシスコ、LA以外は地方なわけです。そうすると、競争の激しい都会よりも課題の多い地方都市に展開する方が、地球全体で見てもグローバルじゃないかと思ったんです。
コロナが収束したら、ローカルtoローカルでビジネスをしていきます!

(川北)
世界の99%は地方だと聞いてすごくハッとさせられました。「世界」というと、NYや東京などの大都市を想像してしまいますが、地方を大切にするのはすごく素敵だと思います。そこから世界に広げていくというのも素敵なビジョンですね。

(渋谷会長)
地方は面白いですよ!

(太田)
起業してからこれまでのキャリアビジョンについて教えて下さい。

(渋谷会長)
これまでキャリアビジョンとしては捉えてなかったのですが、長岡工業高等専門学校(以下高専)に進んだきっかけは、「ゲームを作りたい」という思いがあったからです。ゲームは、小中学校で転校が多かった自分にとって友達作りに役立つツールだったので、思い入れがあったんですよね。

ですが、いざ高専に入学してみたら、自分は人を集めたり、人前で喋ったり、人をまとめたりすることが好きで、むしろ向いていると気が付いたんです。逆に、周りには自分よりもプログラムに長けている人が沢山いるので、「彼らの力を借りながら会社を作ればいいんだ!」と思ったのが18歳の頃でした。

早めに向き不向きを知ることができたので、今があるのかなと感じています。それ以降は、ひたすら夢を一つ一つ叶えている感じです。今携わっているアルビレックス新潟や、長岡花火の仕事もそうですし、さらに、プロ野球・カジノ・IRなどいろいろなビジョンがある中、どうしたらそれが実現できるかを考えながら日々過ごしています。

(太田)
趣味から特技を見つけて夢に繋げ、一直線で行動されている姿がすごいなと思いました。以前、高専とコラボされていましたが、今後私たちのような大学生とはいかがでしょうか?

(渋谷会長)
もちろんコラボしたいと思っています。
今年の1月には新潟大学とKDDIとフラー株式会社で連携協定を始めました。この取り組みは、地方新潟での成功モデルとして、全国から注目を集めています。

僕は地元に本社機能を移転し、大学やスポーツチームと連携し、地域のデジタル化を進めて来ましたが、この経験を生かし今後は、他の地方や自治体でも展開していきたいなと考えています。東京以外は全て地方ですし、前例アップデートを新潟発で行いたいですね!

(太田)
色々な所を繋ぐ役割を果たしているのですね、興味深かったです。ありがとうございました。

(川村)
貴社のHP内での代表メッセージにて『まだまだこれからも叶えていきたいユメがたくさんあります!』と仰っていたのを拝見しました。その「ユメ」の内容と具体的な展望についてお聞かせいただきたいです。

(渋谷会長)
一つは起業家として雇用を生み出すことを目標しています。若者に「地元に戻って活躍したい!」と思ってもらうためには、地元・地方に仕事や企業がないといけません。その枠組みを増やす支援をこれからも継続していきたいです。また起業家を育て、増やす支援活動もしていきたいです。

あとは
・地元サッカーチーム「アルビレックス新潟」のファンが増えること
・地元(新潟)のプロ野球チームを作ること
カジノを誘致すること
・日本海側に超高速の鉄道を引いて移動の効率化(東京を介さずに移動できる)
を実現したいと思っています!

(川村)
ありがとうございます!どうすれば地方の活性化につながるか明確なビジョンを何個も持たれていて凄くためになりました!もしこれらが実現したら自分も新潟県に移住したいと本気で思いました。

(渋谷会長)
ありがとうございます。そういっていただけて光栄です。

(川村)
以前、同じ地元の起業家さんの間で「県人会」といった会合が開かれると聞いたことがありますが、渋谷会長はそういった会合に良く参加されますか?

(渋谷会長)
私が仕事で日々行っているのが、人と会って仲間を増やして目的のために交流を重ねるということなので、あまりそういった会合には参加をしていませんね。参加しなくても、毎日それしかしていないからです(笑)

(川村)
人との交流の中で新しい発想や明確なビジョンが生まれていくものなのですね!貴重なお話ありがとうございました!

(学生キャスター一同)
渋谷会長、ありがとうございました!


感想

(甲斐)
「文理を区別するのが好きではない」という話が印象に残っています。私は数学が苦手で、得意な英語や国語を活かそうと思って文系を選択し、進路を決めてきました。しかし、文系だから・理系だからこの仕事しかできないとは限らないのだなと思いました。将来必要になる知識は、文理の区別をせず素直に学びたいと思います。

(川村)
今回のインタビューにて、夢の持つエネルギーを感じました。私は自分も含めて、「こうなったらいいな」と胸をわくわくさせて生きている人は昨今減少していると感じていました。そしてそのことに漠然と退屈していました。

渋谷社長の「超高速鉄道を引きたい」という夢を聞き、自分もそういった考えを持ちながら生きていきたいと思いました。そのためには日ごろの生活をただ漠然と過ごすだけではなく、「これはどうしてそうなんだろう?」「これは無くてもいいじゃん」といった批評的な目線で生きることで生まれるものだと思います。

どんなに壮大な夢でもそれを実現すべく具体的な工程を思い描く日々は幸福だと思います。人は夢を追い続ける限り永遠に若者であると改めて考えさせられました。

(川北)
渋谷会長の「思いを形にする」パワーをひしひしと感じるインタビューでした。お話いただく中で、やってみたいことを漠然と思うのではなく、学生時代から、自分ならそれにどう貢献できるかという視点を持たれていたと伺いました。思うことは誰にでもできますが、「自分ならどうする?」というところまで踏み込める人は少数だと感じます。私も何事にも一歩踏み込んだ視点、自分らしさをプラスできる人でありたいです。

 

 

 

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