出会いが生む新しいビジネス|株式会社ATOMica 嶋田 瑞生様 インタビュー

こんにちは!運営の泉田です。

今回の経営者インタビューは株式会社ATOMica(アトミカ)代表の嶋田 瑞生様です。
人と人を結び付けるために、コワーキング施設を運営している会社です。嶋田様自身、今まで多くの出会いがありました。どのような出会いがあり、創業時はどんなことに苦労したのか。就活生へのメッセージもあります!
ぜひご一読ください。

会社概要


会社名   株式会社ATOMica(アトミカ)
代表    代表取締役Co-CEO 嶋田 瑞生、南原 一輝
住所    宮崎県宮崎市橘通西3丁目10番32号 宮崎ナナイロ東館 8階(宮崎本社)
      東京都中央区日本橋1-4-1日本橋一丁目三井ビルディング5階THE E.A.S.T.
      日本橋一丁目(東京オフィス)
資本金   13億2647万円
設立年月  2019年4月5日
事業内容  ソーシャルコワーキング®️の企画・開発・運営
URL    株式会社ATOMica

 

インタビュー


それではインタビュースタートです。

(小瀬)
ビズキャンプラスの読者の学生に向けて、事業内容について教えてください。

(嶋田様)
全国で40カ所ほどのコワーキング施設を企画運営をしています。コミュニティマネージャーが常駐している一番北は岩手から南は那覇まで、施設は40カ所ほど、都府県は20になります。弊社が日本で一番コミュニティマネージャーが所属している会社だと思います。※当社調べ

コワーキングスペース事業をしていると、地域の方々と対話する機会がかなり多く、そういった方々が抱えていらっしゃるニーズなどをお聞きするケースも増えます。例えば、地域の会社の採用に関する課題や学生さんのキャリアの課題を解決するために、インターンシップのコーディネートをしたり、コワーキングをきっかけにコミュニティを作り、地域課題を解決するようなサービス、プログラムや独自のSaaSを提供したりしています。

(小瀬)
このインタビュー記事を就活生もたくさん目にすると思うのですが、採用される人とされない人でどのような違いがあるのか、学生のどのような所に注目していますか?

(嶋田様)
いろんな物事を考えるときの意思決定基準が自分のためか、相手のためなのかということに注目しています。これははっきり分かれると感じることが多いです。採用する方は相手のために考えている方が多いです。

逆の場合、会社のメンバーとも合わないことや、人と向き合って人と人を結んでいくという事業の特性上、キャラクターが合わないことがあると思います。面接の職種によって、2段階から4段階ぐらいでこの面接のプロセスは変わります。ただ、会社として掲げているミッションやビジョン、バリューが合っていないとお互い辛いと思います。ベンチャー企業では”カルチャーフィット”という言葉を大事にしていますが、アトミカとしてもそこを大事にしていますね。

(小瀬)
その情報は会社のWebサイトから取得することができますか。

(嶋田様)
Webサイトもありますが、社内の人と話すことも大事だと思います。社内にどんな人がいるのかというのが大事で、1人ではなく複数の人と会うことで、会社の雰囲気や価値観を知ることができると思います。実際にオフィスに行ってみる経験はかなり大切です。

(小瀬)
アトミカを創業する前に、学生時代に起業もされていますが、起業のきっかけは何ですか?

(嶋田様)
私は友達に「やってみない?」と誘われて起業しました。今も同じですが、私は学生の時も起業したいと思ったことは1回もないタイプの人だと思います。成り行きや目的を考えたときの解決手段として会社設立が適していると考えたのがこれまでの流れです。

学生さんは起業と聞くと、かなり身構えると思います。「命がけで」や「幼い時から社長をしてみたい」というイメージがあると思うのですが、全くそんなことないですね。むしろ、新卒で会社に入るよりも自分で会社を起こすことの方が簡単だと思います。法務局に届けを出せばいいわけですからね。「会社を作ってみたい」と思っている方がいるなら、すぐ作ったらいいと思いますし、そんなにハードルが高いことではないと思います。

(小瀬)
学業と同時に会社を経営し、大変だったこと、今につながっていることはありますか?

(嶋田様)
あんまり大変だったことはないような気がします。例えば、趣味がたくさんある人や、たくさん飲みに行きたい人だと、もしかしたら辛いと思います。大学の授業やパートナーと遊ぶ、サークル活動やバイトを頑張るのが一般的な学生生活だとしたら、その中の部活とサークルの部分が会社に置き変わった感じだと思います。

時間もそんなに取られることはないですし、会社をやっている中で少しずつお金を稼げるようにもなりました。アルバイトにかける時間と同じか、それよりも少ないぐらいの時間をこの会社で使ったぐらいなので、やってみると意外と大変ではないと思います。やってみないとわからない部分がたくさんありますが、やってみると意外とできると思います。

(小瀬)
学生時代の起業が今につながっていると感じることはありますか?

(嶋田様)
かなりつながっていると思います。学生の時に起業をしたとき、いろんな地域の先輩に可愛がってもらったわけですよ。「若くて頑張っててすごいな」と言って可愛がってもらったり、「飲み行くぞ」と誘ってもらったり、「これ教えてやるから」という風に言ってもらったり。その中で様々な人たちに出会うという体験をして、たまに嫌なこともありましたが、基本的にはこの人たちと会わなかったらこんなことできなかったなと思います。

誰かの力を借りたり、誰かに出会わせてもらったりということを通して、自分の制約が取り払われて、できることが増えていきました。

この体験を日本中の人たちにも味わってほしいと思い、今の会社を作りました。コワーキングは、誰かと一緒に何かするということですからね。「一旦アトミカに相談してもらったらどうにかするから」という世界観を目指しています。今の会社を作ったきっかけは学生時代の自分の起業体験にあるかなと思います。

(小瀬)
ゲーミフィケーション分野を経て、アトミカ(コワーキング)を創業されたわけですが、共通点や必然性などはあったのでしょうか?

(嶋田様)
共通点は「仕組みを作る」ということです。ゲーミフィケーションという学問分野は、物事をゲーム化するという学問分野です。

例えば、夏休みのラジオ体操や読書感想などのスタンプ制度について、全て集めたらお菓子がもらえたりすることがあるじゃないですか。実はこれがゲーミフィケーションです。ラジオ体操を毎日やりなさいと言われると気乗りしないけど、ラジオ体操をやったらスタンプ1個もらえるよという能動的に何かに取り組む仕組みを作り、ゲーム化していくのがゲーミフィケーションの基本です。学生時代のゲーム作りは、会社の経営や事業、サービスを作る上で、どのようにしたらみんな楽しくやってくれるかなということに影響を与えていると思います。

(小瀬)
人生の転換期での出会いについてお聞きしたいのですが、一緒に創業された南原さんとの出会いも含め、印象に残るエピソードがあれば教えてください。

(嶋田様)
就活で出会った仲間を大事にしてください。私は南原さんとはインターンで一緒になりましたから。アトミカには今100人ぐらいの社員がいますが、100人のうち就活生時代に出会った人が6〜7人いると思います。インターンや新卒で入った会社が一緒といった、いろんな出会い方がありますが、インターンで出会った人は3人ないし4人はいます。

大学の場合、一定の偏差値でまとまって動いていく部分が多いので、似てる人が周りに多いと思います。就活になると一定の偏差値との相関はありますが、知らない大学の方や、初めて出会うタイプの方がたくさん出てくるじゃないですか。私にとって多様性との出会いは、大学に入学した時よりも就活の方が強く感じた気がします。

高校から大学に上がった時もコミュニティの多様性がより広がったと思いましたが、就活で人と出会い始めた時の方がそれ以上に多様性を感じました。就活はかなり大事ですし、楽しかったなと思います。

(小瀬)
出会いによって、嶋田様が受けた影響や変化した考え方はありますか?

(嶋田様)
ありますよ。この人いいなとリスペクトできる人が増えると、人生は豊かになるなと思います。面白い友達が多いのは幸せじゃないですか。

(小瀬)
アトミカの運営で留意していることは何ですか?

(嶋田様)
仕事上や誰かと一緒に何かするときに気をつけていることは「相手のプロトコルを理解すること」です。例えば、小瀬さんと私の2人は、普段見聞きしている単語や文化、よく行くご飯屋さんなどひとつひとつ全然違うじゃないですか。このような文化や歴史、習慣などの違いを理解することは大事だなと思います。

文化や習慣、歴史が長いこと積み重なってその人の当たり前ができているのですが、この当たり前がある人とおしゃべりをするとき、専門用語を使うならその専門用語を知っているか、知らないかによって補足を入れる必要が生じます。また、文化圏が変わるなら、豚肉を食べていい、悪いもあると思います。

このように、相手のプロトコルやお作法というものを理解をした上で、コミュニケーションを取っていくのが大事だと思います。これを理解したら喧嘩なども起こらないし、お互い気持ちの良い人間関係を構築していくことができます。逆に、何も聞かないでいると、トラブルが発生すると思うので、小さなことからでも相互理解は始まると思っています。

(小瀬)
それは就活にも大事な気もしますね。

(嶋田様)
本当にそうですよ。就活となると、どうしても会社にいかに自分を合わせるかみたいな話になりがちです。そうではなく、就活生と就活先の会社のプロトコルをうまくすり合わせることができると幸せになれると思います。

(小瀬)
人と人を結ぶ「MEET@プログラム」は年齢も性別も垣根なく参加できるそうですが、実際にどのようなマッチング例がありましたか。

(嶋田様)
これまで何千人と参加しているのできりがないのですが、やりたいことと事例の2つについて話をします。まず、やりたいことでいうと、サークルの新歓などの飲み会で活躍してる方は基本”コミュ強”じゃないですか。飲み会などの隅っこの方でもじもじしている人や、飲み会行くのがしんどいよという人もたくさんいると思います。この人たち向けの交流会は意外と世の中にありません。このプログラムはコミュニティマネージャーがうまくその場のファシリテーションをしながら、コミュニケーションが苦手な人でも参加できるプログラムです。例えば、転勤で初めてこの街に来たという方にその地域で新しい友達ができたことがあります。

もう少し大きな規模の話ですと、何年か前に宮崎県で台風が直撃してみかんやオレンジなどの果物が木から落ちてしまい、売り物にならなくなった年があります。そんな果樹農園のおっちゃんがこの会に来てくれてて、事情を説明したら、たまたま同じ会に参加していた地元のパン屋さんのがんこ親父の店長さんが「それって落下しちゃってるけど、中身は大丈夫なんでしょ」という話をしてくれて、「そこの中の果肉の部分をうちのパンに練り込んでみかんパンみたいなの作ってみたいんだけどどう?」みたいな話になりました。さらに、参加していた別の人がふるさと納税の出品代行のサービスをやっているという話になった結果、そこで生まれたパンがふるさと納税の返礼品になったという話にまで発展しました。

こういう話は狙おうと思っても出会わせられない。たまたまその場にいたからというケースですが、これを生み出そうと思ったら「みんな来ていいですよ」という形にしないと実現できないと思います。

(小瀬)
ここからは学生目線でも質問をいくつかさせてください。学生が起業を目指す上で、大切だと思うスキルがあれば教えてください。

(嶋田様)
黙ってやってみることじゃないですか。起業したい人は、これやりたいんだよなというテーマがもう決まってる人と、テーマはまだ決めていないが起業したいんだという人がいると思います。これはどちらが偉い、悪いという話ではないのですが、もうテーマが決まってる人は一旦やればいいと思います。逆に、テーマが決まってない人は、起業したいと思い込んでいるだけのパターンもあるので、1回自分でやってみて向いているのかどうかを早めに試せばいいと思います。

例えば、アルバイトやサラリーマンとして企業に就職をすることは人が作ったビジネスモデルを借りてお給料をもらうということです。この体験もいい体験ですが、もしなにか起業したいという話だったら、人のビジネスモデルを借りないで自分の力で1万円稼いでみるのが最初は大切だと思います。

1万円は何でもよくて、靴磨き100足やるから1足100円で1万円稼いでみるでもいいし、筋肉もりもりマッチョマンの男の子だったら、写真などを売って1万円を稼いでみるといいと思います。何でもいいんですが、自分の枠組みだけで1万円稼いでみるという体験をしてみると、何か次の扉が開けてくると思います。大事なのは誰かのビジネスモデルを借りるのではなく、自分で何かを考えてお金儲けをしてみること。みんな頭が柔らかくてどんどん吸収できるから、何かをやってみてその学びを得た方が早いと思います。

(小瀬)
今将来に悩む学生、就活生に向けて今やるべきことなど、アドバイスをお願いします。

(嶋田様)
就活をするにあたっては、自己分析が一番大事だと思います。自分に対する言語化をするということです。ここで100%の就活性が陥るのが「こうあるべきだろう」や「こういう風に書くべきだろう」という何らかのべき論や呪いの影響を受けることだと思います。「〇〇でこういう風になっているべきだ」と思って書くと思うのですが、それは自己分析できていないと思うわけですよね。

「僕・私はこれが好き嫌い」や「これが良い悪い」というのをひとつずつ言語化をしていくのが大事です。年末年始の除夜の鐘をヒントに、私にも108個の煩悩があるはずだと考え、今年やってみたい煩悩を108個書くということをしました。「前から気になっていたラーメン屋さんに行ってみたい」や「今彼女いるけどちょっと気になってるあの女の子と遊んでみたい」など、何でもいいので108個やってみたいことを書いてみてください。私の場合、1年で70個ぐらいできました。それに向き合っていきながら、自分に素直になるということをしていくと、正しく自分を見つめられると思います。

(泉田)
最後に一言よろしくお願いいたします。

(嶋田様)
私が高校生の時はTikTokやYouTubeショートなどはまだありませんでした。少しバイアスが入っていますが、東京のバチバチでイケてる女子がダンスを踊っている動画を全国の女子が見たら、”これが正解かも”という呪いがかなり植え付けられると思います。

絶対にそんなことはないです。東京に行って港区で働いてタワマンに住むのがなんか良さそうみたいな感じも、なんとなく正解かのように世の中で出されているのはきついよなと感じています。その制約や呪いなどを呪いだと気づくことができたら、もっと楽になる気がします。とりあえず、煩悩を100個書いてみてください!

インタビューを終えて


(小瀬)
本日はお忙しい中お時間を頂戴し、ありがとうございました。まずは採用基準だったり、なかなか伺うことができなかったりするようなお話や、インターンでの出会いを大事にした方がいいということを学ぶことができました。また、煩悩を書いてみたいなと思いました。こうあるべきだなという風に思って、就活を決めてしまうこともあると思うので、自分の好き嫌いで決めていきたいなと思います。

以上、株式会社ATOMica(アトミカ)嶋田様のインタビューでした!
ぜひみなさんも煩悩を100個書いてみてください!!

次回もお楽しみに~

この記事は私達が担当しました

  

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