今回は、営業支援を求める企業とフリーランス・副業の営業職の方を繋ぐ、日本最大級の営業特化型マッチングプラットフォームを運営しているカクトク株式会社の満田社長にインタビューをさせていただきました。
大学を中退して起業したエピソードなど、24歳らしいエネルギッシュなお話をたくさん伺ってきました!
「自分が本当にやりたいことは何なのか」に気づけるインタビュー内容です。
会社概要※2022年4月時点HP掲載より
社名:カクトク株式会社
設立:2016年2月2日
代表取締役:満田聖也様
本社所在地:大分県別府市田の湯町3-7 アライアンスタワーZ 4階
東京オフィス:〒106-0044 東京都港区東麻布一丁目4番2号 THE WORKERS&CO 603
事業内容:
・営業代行プラットフォーム「kakutoku」の企画・開発・運営
・Webメディア 『kokoroe』『SALES BRAIN』運営開発
インタビューは、ここからです。
(白賀)
はじめに、貴社の事業内容について教えてください。
(満田社長)
弊社は、フリーランスの営業職と営業支援を必要としている企業をマッチングさせるサービスを提供しています。現在、5,000名以上の営業職の方に登録いただいており、その登録者と営業を必要としている様々なサービスや商材などを扱う企業をつなぐオンラインプラットフォームを運営しています。
また、フリーランスの営業職を広く知ってもらうために、オウンドメディア『kokoroe』を運営しています。フリーランスの営業がどのような働き方をしているのか、まだまだ認知されていないと思うんです。なので、フリーランスの営業を広めていくのも自分たちの役割だと思っています。
『kokoroe』ではフリーランスで営業職として活躍されている方にインタビューを行い、それを記事化しています。読者にフリーランスの営業職を知ってもらうとともに、選択肢の一つとして考えてもらうきっかけになればいいなと思っています。
(佐藤)
今のお仕事をされる前も、やはり営業のお仕事をされていたのでしょうか?
(満田社長)
そうですね。この仕事をする前は、『シタテル』という衣服生産のクラウドソーシングを行っている会社で働いていました。
本来、小さなセレクトショップさんが直接工場に製品を作ってもらうようにお願いすることはできないのですが、『シタテル』が工場の忙しい時期とそうではない時期をデータベース化し、そのデータを用いてセレクトショップと工場双方の間に入ることで、オーナーさんやテナントさんオリジナル商品を作るという夢をサポートさせていただいていました。
その会社の立ち上げ初期にインターンとして入らせてもらって、セレクトショップさんに飛び込みで営業もしていましたね。結果が出始めた頃に、福岡や東京に営業チームが作られ、そこでマネージメント、すなわち営業統括のようなことを経験させていただきました。
(白賀)
起業したいと思ったきっかけは何ですか?
(満田社長)
元々のきっかけは、高校3年生の頃に「起業するのってかっこいいな」とイメージを持っていたことでした。でも、自分のやりたいことは会社の代表にならないとできないのかを考えた時に、もしかしたらそんなことはないのかもしれないと違和感を感じ始めたんです。
例えば、社会課題を解決したいという目的があったとして、それは自分が代表を務めなければ意味がないのか?それとも、すでに自分の目標と同じように取り組んでいる会社があるなら、そこに入社してもいいのではないか?と考えるわけです。
自分で1から事業を起こすには、その想いに共感してくれて自分と同じ熱量を持ってやってくれる人を、1人ずつ増やしていく必要があります。一方で、既存の会社に入社するのは、すでに同じ想いや熱量を持っている人たちが集まっているはずなので、取り掛かりやすいと思うんです。
そのようなことを考える中で僕が起業に至った理由は、働き方改革の「は」の字も言われていない時代で、同じような考えを持っている人や会社が少なかったからです。それなら自分で作り上げたほうが早いなと思いました。
この経験から僕が言いたいのは、「自分のやりたいことを本質的に追及してください」ということです。「社長になりたい」という目標なら、起業するという行動は合致しますよね。その他の理由なら、「起業する意味は何なのか?」を深く考えていく必要があると思います。自分のやりたいことを本質的に追及するために、自分と向き合う時間を作ることはおすすめです。
(佐藤)
今の事業を始めて嬉しかったこと、やりがいはありますか?
(満田社長)
シタテルで働いているときに、自分のオリジナル服を作りたいという夢を持っているオーナーさんと工場の間に入り、オーナーさんが諦めかけていた夢を叶えることを経験したんです。その時に「営業でお客様の夢を叶えることができる」と、営業職の価値に気づきました。
でも同時に、営業職として働いている人の中には、“本当に自分が売りたいものではないもの”を売っている人が少なくないことを知りました。その時に「シタテルで営業をやりませんか?」と、悩んでいる営業職の方に尋ねたところ、ほとんどの方からは「小さな会社だから社員になるのは勇気がいる」や「転職するのは重荷」と返ってきました。その中で、「副業としてならやりやすい」という意見もあって。
副業で営業ができる仕組みを作ったら、世の中の営業職の働き方が変わるのではないかと思って事業を始めることにしました。2016年に事業を始めて以来、今では5,000名以上の営業職の方がサービスを使ってくださり、その仕組みが浸透しつつあるのかなと思うと、嬉しいです。
また、kakutokuで活躍している方の中にはママさんもたくさんいらっしゃいます。子育てに追われ働き方に制限のかかるママさんも、kakutoku で年収1000万円以上を稼ぐなど、活躍されています。子育てをしながら稼ぐという選択肢は、これまでなら中々選ぶことができなかったと思います。
そういう風に、少しずつですが世の中の働き方を変えられているのかなと思えることは嬉しいですし、やりがいです。
(佐藤)
ビジネスの考え方についても教えてください!仕事をする上で一番大切にしていることは何でしょうか?
(満田社長)
正社員だろうとアルバイトだろうと、すべての仕事に通ずることですが、「今やっている仕事や役割が本当はどういう活動か、どういう意味があるのか」を考える癖をつけることが大事だと思っています。
例えば、スーパーの商品の陳列のお仕事をする際、何も考えずにただ並べていたら退屈な時間になってしまいます。でも綺麗に並べることを意識して、綺麗に並べた結果、何が起きるのかを想像してみてください。
商品を綺麗にびっしりと並べたら、すごく品揃えの多いお店だと思っていただき、結果としてお客様の期待が上がったり。人気の高い商品を目線の高さに置くことで、探す手間が省けすぐに手に取っていただけたり。はたまた、関連商品を近くに置くことで、店舗の売り上げに貢献できたり。
任されている役割が本来どのような価値を持つものなのかを考えて行動すると、仕事がどんどん楽しくなると思います。また、それが評価されて色々な仕事を任されるようになれば、自分自身の成長にもつながっていくのではないかな。
(後藤)
一般的に「コミュニケーション能力は大事」と言われていますが、満田社長がコミュニケーションをとるときに意識していることがあれば教えてください。
(満田社長)
コミュニケーションで意識していることは2つあります。
1つ目はチャットやLINEなどの対面ではないコミュニケーションを図るとき、相手がどのような状態で見るのかを想像しています。
言いたいことをつらつら並べるのではなく、相手がスマホで見るのかパソコンで見るのかにもよって、改行の仕方を変えてみたり。そういう些細なことでも、伝わり方が変わってくると思っているからです。
2つ目は、自分の伝えたいことが相手にちゃんと伝わるように、使う言葉を考えています。
日本語は特にそうですが、一つの言葉でも複数の意味を持っていることがあります。使う言葉によっては相手にネガティブな連想をさせてしまうこともあり得るわけです。だから、注意深く使う言葉を考えています。こうすることでコミュケーションが取りやすくなるのではないかなと思っています。
(後藤)
受け手の気持ちや状況を考えながらコミュニケーションをとることを意識してみたいと思います!
続いての質問ですが、今の社会では幅広い知識やスキルが求められているのでしょうか?それとも専門的な知識やスキルを身につけるべきでしょうか?
(満田社長)
結論から言えば、幅広い知識やスキルが求められていると思います。なぜなら、世の中はものすごいスピードで変化するため、将来、本当に価値があるものを読み当てるのは難しいと考えています。
だから、それぞれの状況に応じて本質的な価値、あるべき姿は何であるかを見極める力やそれらを考える癖が必要だと思います。このような力や癖を身につけることで、変化の早い社会でも適応出来ると考えています。幅広い知識というより、考え方が大事になるのではないでしょうか。
(白賀)
満田社長の学生時代についても教えてください!学生時代に打ち込んだことは何でしょうか?
(満田社長)
すごく普通ですけれど、高校3年生の冬ごろまでずっとサッカーを続けていました。(笑)
そのことで現在の仕事に活きている点を挙げるなら、オンオフの切り替えを大切にできていることだと思います。
所属していたサッカーのクラブチームではみんなが真剣に向き合っている分、チームのミーティングなどでぶつかることも多々ありましたが、練習以外の場面ではそれを持ち込まず、ぶつかっている相手とも楽しくコミュニケーションを図っていました。そういったオンオフの切り替えは今でも大切にしています。
あと、大学時代に頑張ったことはやはり起業ですかね。
大学1年生の時に立命館アジア太平洋大学に通っていましたが、その後休学し、大学を辞め、20歳で会社を立ち上げました。
元々高校3年の時に、『スタートアップウィークエンド』という3日間で事業のアイデアのプロトタイプを作り上げるイベントに参加し、そこでシタテルの社長とも出会いました。
大学1年生の頃はシタテルでインターンをして、大学2年生、現在の事業がまだ種のような存在だった頃、『スタートアップ50』というイベントで様々な企業の社長とディスカッションする機会をいただき、会社を立ち上げるアクセルが掛かりました。
(佐藤)
大学を中退して起業したとのことですが、ご両親には反対されなかったのですか?
(満田社長)
反対されたというか、大学を辞めたことも、事業を始めたことも全て事後報告だったので・・・。(笑)
でもその時に感じたことは、将来に対して責任が取れるのは自分しかいないということでした。仮に、親の意見に従って生きて、躓いてしまったら。その時に親のせいにしてしまうのは嫌ですよね?僕も人のせいにする人生は嫌だと思い、自分で決めた道を進むことにしました。
でも自分で「こうやって生きていく!」と決めても、それを親が納得できるかと言うと、できないことがほとんどだと思います。だから、頑張り続けて誠意を見せていくしかないでしょうね。自分のやりたいことに真っ直ぐ向き合っていけば、なんだかんだで、親も応援してくれると思いますよ!僕自身もそう信じてチャレンジし続けてきて、今は親も何も言わなくなりましたね。(笑)
(後藤)
それでも、“覚悟”がないと突き進めない道だと思います。どうしたら挑戦する覚悟ができるのですか?
(満田社長)
覚悟と聞くと重みがあるように思えますが、考え方はいたってシンプルです。
「今一番、得たいものは何なのか」を考え、自分が持っている時間やお金を使っていけばいいだけのことです。今一番得たいものが何かを考えたとき、本当に欲しいと感じるものが、本来自分のやりたいことのはずです。やりたいことがあるなら、それをやり続けていくことが大切だと思っています。
「覚悟=絶対に逃げたり逸れたりしてはダメなもの」に思えますが、1度決めたものを貫き通さなくてもいいと思っています。というのも、今の自分と1年後の自分って経験や知識量が違うし、それに伴って考え方も変わってくると思います。だから1年後の自分の意思決定のほうが正確だと思うんです。将来的にいろいろなことを知った上で、「自分の進む道はやっぱりこっちだな」と、切り替えても何の問題もないと思っています。
まずは今の自分がどうしたいのか、今何をするべきかを考えることを大切にしたらいいと思いますよ。
(白賀)
学生時代にやっておけばよかったと思うことはありますか?
(満田社長)
ポジティブ思考なので後悔はあまりありません。でも、勉強することは大事だと思っています。学業というより、学ぶ過程で自分がどうしたら情報を糧にできるのかを考えることを意識するのがいいと思います。例えば数学であれば、自分で式を作って、その答えを逆算するなどですね。
もう一つ、学生のみなさんに意識してもらいたいことは、自分の進路は自分で決める癖をつけるということです。僕の周りにいる優秀な人たちもそのような考え方をしている人が多いです。キャリアや進学など人生の分岐点において、自分で進路を決めている人たちは、覚悟を持っている人たちが多かったですね。誰かに言われたからではなく、自分で決めていくことの繰り返しが大事です。
(後藤)
今後の貴社、満田社長ご自身の展望をお聞かせください。
(満田社長)
まずは今の事業を伸ばしていきたいです。そして、営業フリーランスの考え方を社会に浸透させたいです。
今、営業職の働き方、企業にとっての事業の形や営業の戦略を変えることに取り組んでいますが、今後それらをどこまで広げられるのかを挑戦していきたいです。
働き方改革の影響で首都圏ではフリーランスは盛り上がってきましたが、地方では広がっておらず、正社員が当たり前という風潮がまだまだ一般的です。なので、地方の方にも「フリーランス営業」が一つの選択肢として受け入れてもらえるように今後も動いていきたいです!
インタビューの感想
(佐藤さん)
初めは、「営業職なのにフリーランス?」という印象を持っていました。しかし、満田社長はそのような概念を取り払って、フリーランスという営業の働き方を作り出すことで、今までの社会のデメリットを改善されています。
満田社長は行動や物事の意味を考える方で、今回お話を伺ったことで、これまでの自分を反省するとともに、今後行動をする時は、どうしてそれをするのか?意味や目的を考えていきたいと思いました。
満田社長とお話できてよかったです。ありがとうございました!
(白賀さん)
満田社長は私たち学生キャスターと同世代ながら、学生時代から起業に向けてコツコツと努力を重ね、現在では社長として自ら会社を経営されています。そのことにとても驚きと感動を覚えました。
またアットホームな雰囲気でインタビューを行わせて頂く中で、満田社長自身の経験や仕事への思いなどについて知ることができ、とても多くのことを学ぶ機会となりました。今後の自身の将来を考える上で、満田社長の言葉を振り返りつつ、じっくりと自分を見つめ直してみようと思いました。
(後藤さん)
今回、満田社長にインタビューをさせていただいて、学んだことが2つあります。
1つ目は、相手とコミュニケーションをとるときに使う言葉を考えることによって、人間関係が円滑になるということを学びました。
2つ目は、その時々の状況での本質的な価値を見極めることと自分の中でほんとにやりたいことを理解していれば、覚悟をもって行動に移せることを学びました。
この学びを今後の学生生活に活かしていきたいと考えます。
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