学生が考える、観光業復活の施策〜アフターコロナの観光について学生キャスターと座談会〜

前回の『学生からみた観光業界の今』では、観光業界の現状や観光業界(主に旅行代理店や宿泊施設)に対する学生の意見を紹介しました。
その中で、「不安定な業界」「就職したくない」「業績が回復するにはまだまだ時間がかかりそう」といったマイナスな印象を抱く学生も多く見受けられました。

そこで今回は、「どうしたら観光業界は生き残れるか」をテーマに、ビズプラ学生キャスターとビズプラ編集の大村さんと座談会を開催!

どのような施策をとれば観光業界は回復していくのか、そして就職したい業界へと変わっていくのか、学生視点でこれからの観光業界の方向性を考えてみました。

もくじ
1. 学生が考える観光業復活の施策1―テクノロジーを生かした観光
2. 学生が考える観光業復活の施策2―楽しむ以上のプラン
3. 学生が考える観光業復活の施策3―他業種とのコラボ
4. おわりに

1. 学生が考える観光業復活の施策1―テクノロジーを生かした観光

■VR観光

まず、「2020年に話題となったVR観光が今後も活躍するのではないか」との意見が挙がりました。その理由は、「普段立ち入りが許されていない場所や、体の不自由などによって行きたくても行けない場所でも訪れたような気分になれそう」とのこと。

例えば、大村さんは、VR観光でカプリ島にある青の洞窟に行きたいと語りました。
本来、青の洞窟に行くには長時間のボートでの移動があり、洞窟の中に入っていく必要があります。しかし、船酔いと狭い空間が苦手という大村さんにとっては実際に行くのは困難だそう。
だからこそ、VRで実際の光景を楽しむことができるなら、是非利用したいとお話していました。

また、辻さんは、同じく自分では行くことが難しいであろうエベレストの山頂や、観光客には立ち入りが許されていない裏名所をVRで観光できたら面白そうとお話していました。

このように、
実際には行くのが難しい場所を体験してみたいと、盛り上がりました!


しかし、「今の技術では完全に満足のいく没入感は得られなさそう」との意見も。
そこで、川村さんと辻さんは、VR観光体験会のようなものがあれば、是非試してみたいと積極的な姿勢を見せました。
「その体験会で面白さが分かれば、VR観光を積極的に利用するようになると思う」とのこと。

では、その体験会にいくらまで払えるか聞いたところ、
川村さんは30,000円まで、辻さんは10,000円までが許容範囲と、旅行好きと話す二人の間にも大きな差がありました。
VRの映像制作には1,000万円を超えるコストがかかることもあり、企業側は容易にはチャレンジしづらく、安く提供することも難しいことも考えられます。
しかし、広く普及して様々な価格設定のものが増えてくれば、VR観光の可能性は益々広がりそうですね。

■VR観光+αのサービス
また、「VR観光に、一歩発展させたサービスが加わったらおもしろくなりそう!」といった意見も挙がりました。
例えば、現地の食事を楽しめるサービスが付いてきたり、実際の観光で感じることのできる現地特有の香りを楽しむことができたりなど、五感で楽しめるVR観光に期待を寄せる意見で盛り上がりました。
様々な+αのサービスがつくと、将来普及する観光の形として期待が大きくなっていくかもしれませんね。


2. 学生が考える観光業復活の施策2―楽しむ以上のプラン

次に、観光業が生き延びるうえで改革すべき点として、プランの充実化・多様化が挙がりました。
近年では、農業体験ができるアグリツーリズムや漁業体験ができるブルーツーリズムなどの体験型プランが外国人を中心に流行していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によってインバウンドが激減したため、国内旅行の需要を高める新プランをつくることが必要になってくると思います。

そこで辻さんは、より充実した経験ができるようにその観光地の歴史や風習を学べる、学びをテーマにした観光を提案しました。
「一人や少人数で行くなら経験や学びの質を高めたいし、時間のある今だからこそ勉強したい」とのこと。

一方の川村さんは、2020年にひとりキャンプが流行ったことから、初心者でもひとり旅に挑戦しやすいプランがあれば嬉しいと、提案しました。
「これまでひとり旅を意識していなかった層にも、自然を身近に感じられるプランが広まれば地産地消にも繋がっていいんじゃないかな」とのこと。

お二人が出したアイデアは実現しやすいうえ、ありそうでなかったプランとして観光業復活の糸口になるかもしれませんね。

4. 学生が考える観光業復活の施策3―他業種とのコラボ

最後に、「他業種とコラボすることで、新たな切り口として話題を呼ぶのでは?」という意見が挙がりました。

例えば、シェアサイクル×観光
電車やバスなどの公共交通機関を避けられる移動手段として注目を浴びているシェアサイクル。
このシェアサイクルと観光をコラボさせたら、電車やバスでは見逃してしまうような景色を見ることだってできるかもしれません。
例えば、海沿いを自転車で観光できたならすごく気持ちが良さそうですよね。その時の香りや音や風などが感じられ、よりリアルな体験ができると思います。
シェアサイクル用のプランなどがあれば、これまでとは違った経験ができそうで面白そうです!

また、近年注目されている旅行系インフルエンサーとのコラボ案も挙がりました。
学生は、旅行代理店が発信している情報よりもSNSで観光スポットなどを検索する傾向にあります。そのため、観光スポットを素敵な写真や短い動画で紹介する旅行系インフルエンサーであれば、閲覧人数が確保されているためリーチ度が高いと考えられます。
インフルエンサーがwithコロナ時代・アフターコロナ時代における新しい観光の形を紹介したなら、若者を中心に広まっていきそうですね。

このように他業種と新しいプランをつくるのも、観光業が生き残る一つの案となりそうです。


おわりに

ビフォーコロナでインバウンド重視だったこともあり、現在の観光業界は窮地に立たされています。そして、この低迷期は新型コロナウイルス収束後も数年は続くと予想されています。
しかし、今回の座談会でも挙がったような新しい観光の形があれば、人々の観光需要はまた高まっていくと思います。
withコロナ時代、アフターコロナ時代にも適用できる観光の変革を期待して、前向きに観光業界を応援していきたいですね!

この記事は私達が担当しました

  

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